甘い支配の始まり～愛に従え 愛に身を委ねろ～【完結】

=瑠璃子転落=

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「大垣さん、ハクくん、おめでとうございます」

　立ち上がったのは女優、玉城きららだ。

「「ありがとうございます」」
「ハクくん、本当に何でもよく知っていると感心していたのよ。私はライトと仲良くしてるから指名は出来ないけど、1本だけ…ルール違反だとわかっていて、大垣さんとライトに聞くわ。1本だけハクくんへのお祝いでハクくんにつけてあげてくれないかしら？もちろん同じものをライトへも」
「きらら様。喜んで承知しますが…今日だけですよ？あとは俺だけで」

　玉城様を見上げるライトは笑っている。

「ライトがいいなら、もちろん構いません。玉城様、お心遣いに感謝します」

　俺が頭を下げる間にハクが玉城様の席へ行く。

「玉城様、ありがとうございます」
「じゃあ、ここを賑やかに飾りましょう。ラーセンのホワイトとゴールドをお願いします。1本は間違いなくハクくんにね」

　玉城きららはボーイにウィンクすると、ハクとライトの頭を一撫でしてから

「大きな声で、皆さん大変失礼いたしました」

　と他の客に一礼してから座った。

　それから他の客も数人、同じ方法でハクを祝い始め、どのテーブルにも飾りボトルが置かれた賑やかで華やかな卓が出来上がる。町田の卓には……シャンパンとシャンパングラスだけだから通夜のように見えるな。

　ウィスキーなどのボトルと割りもの、アイスがあれば、まだ卓が埋まるのだが、そういうボトルの注文も飾りボトルの注文もフルーツの注文もなければ寂しく感じる場だ。レストランやホテルでは、生花で卓を飾ることが多いが、ボトルを飾るというのがホストクラブだ。

　その後すぐに町田は帰って行った…20万にチャージ料、指名料、税サービス料を加えた金額を支払って。そして支払い時に、明日の予約をしたらしい。借り入れてくるか？この前ATMについて行ったキャッシャーが覗いたら残高が40数万と言っていた。今日で残り20万ほど……