甘い支配の始まり～愛に従え 愛に身を委ねろ～【完結】

=瑠璃子転落=

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　それからちょうど1週間後に店へやってきた町田はハクの写真にいち早く気づいたようだ。

　もう何回もしないうちに終わると思い、再び俺も事務所でモニターを見ながら音声を聞く。ってか…また白いワンピースかよ…女の肌の色と相性が悪いのか綺麗な白に見えないな。

　‘ハクはここに上がったばかりで、まだどなたのご指名も頂いていないのですが、さすが町田様…気づかれるのがお早いです’

　ボーイの声に続き女が

　‘そっかぁ、じゃあ私がハクを初めて指名しちゃおうかな？’
　‘ご指名料を頂戴することになりますがよろしいですか？’
　‘いいわよ、もちろん’

　そう聞こえたので、初指名の礼にだけあとで店に出ると決めた。

　女のためではない。ハクが上がってきたと他の客に知らせ、ハクの指名客を増やすためのヘルプだ。

「ハク、すぐに他の客がつくからな。頑張ってくれ。俺もあとで出る」
「ありがとうございます」

　白いスーツを完璧に着こなす男、ハクが優雅に歩いて行く。

　‘瑠璃子様、ご指名ありがとうございます。初めての指名が瑠璃子様からだと…僕、裏で聞いた時に震えてしまいました’

　震えにもいろいろあるからな。

　本当に言葉がうまくなったよ、ハク。経済新聞を読み、世界情勢の勉強も欠かさずに、店では先輩の言動をうまく真似ていた1年でコミュニケーション能力が大幅にアップした。コンビニの話をさせておくのはもったいない。