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be my love*恋人に?

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「壱さん…」
「うん?」
「…大垣さんが私のナスの存在を霞ませる」
「俺はナスの炊いたんだけでもいいけど?」
「…私は大垣さんのも食べたい」
「紫乃ちゃんのナス、俺ももらうよ…って、さっき一切れつまみ食いしたらめっちゃうまいね、これ」
「誠…マジで殺るぞ」

 また仲良しが始まりそうなので放っておいて部屋を出ようとすると

「紫乃?」
「下から椅子を取ってくるね」
「ああ、悪い。あるんだ、簡易的な折り畳み式が…」

 そう言い壱さんが空いてる部屋へ消えた。

「紫乃ちゃん、料理好き?」
「好きです。片付けはあまり好きじゃないですけど」
「俺も俺も」
「作って満足する時もあって…3日ぐらい同じもの食べないといけなくなったりするけど、また作るんですよね」
「ここなら壱が食べてくれるよ。俺もいつでも呼んで」
「呼ばないから」
「壱のイジワル」

 椅子を持って戻ってきた壱さんへ、大垣さんの言い方がすごく可笑しくて、久しぶりに声をあげて笑った。

 私は鶏もも肉の照り焼きと味噌汁を作るつもりだったけど、急に3人分となると鶏もも肉が少ない…そこで

「俺がボリュームアップさせるから任せて」

 と誠さんが作ったのが

「ジャーン、鶏ももじゃがいもチーズダッカルビ風」

 という名前の料理らしい。

「美味しそう…見た目にも香りも…」

 ナスは冷蔵庫で冷やしてから食べてもいいから明日でいいんじゃない?と言いかけた時に、壱さんが立ったままナスをつまんでいる。

「これ、俺の知ってるナスの煮物と違う…うまっ」
「壱も思う?コクがあるよな?ゴマ油?」

 誠さん、大正解だ。ナスをゴマ油で軽く焼いてから炊くのが、私のおばあちゃんのナスの炊いたんで、母のしょうがを添えたあっさり炊いたんよりも好きだ。

「一度軽く焼いているから…私たち…兄と姉がいるんですけど、私たちみんなこっちが好きなんです」
「俺もこれ好き」

 壱さんがもう一度ナスを食べるから

「前菜になってる」

 と言うと

「食前酒、飲もうかな?」

 彼はお酒が入っているであろう扉を開けた。

 お洒落なものでも凝ったものでもないけど、気に入ってもらえたなら嬉しい…ただ空腹を満たすルーティングのように食べるのではなく、美味しいって言って食べてもらうのは嬉しい。
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