甘い支配の始まり～愛に従え 愛に身を委ねろ～【完結】

be my love*恋人に？

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　月曜の朝、7時半に壱さんを起こすため部屋のドアをノックする。もちろん返事はないので

「おはようございます」

　起こさないといけないのに、静かに言ってしまった。

「壱さん、おはよう。7時半です…起きて…」

　部屋へ一歩入って言ってもベッドの上の布団が動く気配はない。そっとベッドの足元まで行ってもう一度

「起きて…壱さん」

　普通の声で言ってもまだ動かないので足元を揺すってみる。

「おはよう、起きて…おーい…まだあかん…」

　もう少し進むと、あちらを向く壱さんの後頭部が見え

「7時半…過ぎた。起きて、壱さん」

　肩を揺らしてみる。

「…ぅん…」
「起きた？おはよう、壱さん。カーテン開けていいですか？」
「ん…」

　目は閉じてるけど上を向いて伸びをしているところを見ると起きたのだろう。ん？伸びたまま寝てる？

「起きた？寝てる？」
「…しの…」
「おはよう」
「紫乃だ…」

　目を閉じたまま、壱さんは口角を上げた。

　もう起きてると思い部屋を出ようとすると

「紫乃…俺…まだ寝てる」
「…間に合うからいいんじゃない？」
「起こして」
「起こした」
「手を引っ張って起こして」
「…やだ…食材が溢れてるからスープ作ってるの…途中だから」

　9時までにもう一度起こせばいいと思いキッチンへ戻った。もう鍋にはハム、キャベツ、玉ねぎのコンソメスープが出来ている。そこへ卵を流し入れていると

「おはよう…紫乃」
「やっぱり起きてる…おはよう」
「ん、いい目覚め。紫乃は何時に起きた？」
「7時前…できた」

　彼は鍋を覗き込み

「俺もいい？」
「どうぞ」
「片付けは俺がするから」

　そう言って洗面所へ消えた。寝起き特有のフェロモンを撒き散らしながら…