31 / 73
who they really are and he really is*彼らの本性と彼の本性
13
しおりを挟む
「それが現実じゃないか?食事以外もおかしいからな?放っておき過ぎ。紫乃が見た状況があって、話もしていない?帰省からやっと自分のところへ帰って来た女に連絡なし?会いに来ない?今朝から連絡なし?」
出勤までには連絡なし…グヮンと鳴る頭がキーンと冷えてくる感覚に襲われる。
「大丈夫か?」
長谷川さんには答えず、足を踏ん張り椅子を下げると、足元に置いてある大きな布製の収納ラックからバッグを出しスマホを確認する。
「…きてる」
「何て?」
「………」
「紫乃?ひとつずつ解決してまた可愛らしく笑えよ、な?一人で頑張らなくても俺が助けてやる。どんな現実が突き付けられても、お前を今以上に沈ませることはない。今がどん底だ…踏ん張れ、紫乃。ここからは俺が引き上げてやる」
「…今がどん底…なの?」
「ああ、もう一人じゃないだろ?俺に話した時点で俺が助ける」
「…今夜…うち来るって…」
「そうか。弁当買って来いって言ってみろ」
どこまでも力強い長谷川さんに言われるままに
‘今夜は私の分もお弁当買って来てね’
と書いて長谷川さんに見せると
「ね、はいらないがまあいい。送れ」
と少し不機嫌に言われた。よくわからないけど、今は長谷川さんに頼りたいかもしれない。
出勤までには連絡なし…グヮンと鳴る頭がキーンと冷えてくる感覚に襲われる。
「大丈夫か?」
長谷川さんには答えず、足を踏ん張り椅子を下げると、足元に置いてある大きな布製の収納ラックからバッグを出しスマホを確認する。
「…きてる」
「何て?」
「………」
「紫乃?ひとつずつ解決してまた可愛らしく笑えよ、な?一人で頑張らなくても俺が助けてやる。どんな現実が突き付けられても、お前を今以上に沈ませることはない。今がどん底だ…踏ん張れ、紫乃。ここからは俺が引き上げてやる」
「…今がどん底…なの?」
「ああ、もう一人じゃないだろ?俺に話した時点で俺が助ける」
「…今夜…うち来るって…」
「そうか。弁当買って来いって言ってみろ」
どこまでも力強い長谷川さんに言われるままに
‘今夜は私の分もお弁当買って来てね’
と書いて長谷川さんに見せると
「ね、はいらないがまあいい。送れ」
と少し不機嫌に言われた。よくわからないけど、今は長谷川さんに頼りたいかもしれない。
48
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説
【完結】人形と皇子
かずえ
BL
ずっと戦争状態にあった帝国と皇国の最後の戦いの日、帝国の戦闘人形が一体、重症を負って皇国の皇子に拾われた。
戦うことしか教えられていなかった戦闘人形が、人としての名前を貰い、人として扱われて、皇子と幸せに暮らすお話。
性表現がある話には * マークを付けています。苦手な方は飛ばしてください。
第11回BL小説大賞で奨励賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
さよなら、英雄になった旦那様~ただ祈るだけの役立たずの妻のはずでしたが…~
遠雷
恋愛
「フローラ、すまない……。エミリーは戦地でずっと俺を支えてくれたんだ。俺はそんな彼女を愛してしまった......」
戦地から戻り、聖騎士として英雄になった夫エリオットから、帰還早々に妻であるフローラに突き付けられた離縁状。エリオットの傍らには、可憐な容姿の女性が立っている。
周囲の者達も一様に、エリオットと共に数多の死地を抜け聖女と呼ばれるようになった女性エミリーを称え、安全な王都に暮らし日々祈るばかりだったフローラを庇う者はごく僅かだった。
「……わかりました、旦那様」
反論も無く粛々と離縁を受け入れ、フローラは王都から姿を消した。
その日を境に、エリオットの周囲では異変が起こり始める。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
愛など初めからありませんが。
ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。
お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。
「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」
「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」
「……何を言っている?」
仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに?
✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。
歌舞伎町No.1ホスト悪役令嬢に転生する
酢飯ざむらい
恋愛
並いるホストクラブでも群を抜いて売上の高いホストクラブーre:バースに君臨するNo. 1ホスト美玲朱音。朱音はNo. 1ホストとして、順風満帆な生活を送っていた。しかし、朱音のバースデーの日、朱音はアフターの途中に誰かに刺され、悪役令嬢として乙女ゲーに転生してしまう。
刺された時のことを何も思い出せない朱音。見慣れない転生後の世界や、人から好かれて当たり前だった転生前とはまるで違う環境に戸惑うも、周りの人物はどこか見覚えのある人が多くて‥!?
もしかして攻略キャラも俺と同じ転生者じゃね…?ってか前世の俺の知り合いばっかじゃん…。
前世で殺した犯人を見つけるため、ひいては死亡フラグを全回避するため対象キャラを攻略する以外の選択肢なし!群雄割拠のあの場所でNo. 1に君臨してた俺なら楽勝でしょ。俺のハピエン作ってやる!
愛されるのが職業だった前世のスキルを活かして、嫌われるのが職業の今世は無事にジョブチェンしてみせようか。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
その傲慢に、さよならを
藍田ひびき
恋愛
ナタリア・リーヴィス公爵令嬢は学生時代から思いを寄せていた麗しい伯爵令息、リオン・ヘイワードと結婚した。だがリオンは初夜で「俺に何も期待するな」と言い放つ。リオンには恋人がいたが、公爵家の圧力により別れさせられたのだ。結婚してからもリオンはナタリアを厭い、浮気を繰り返す。さらには学生時代の恋人、グレンダとヨリを戻してしまう。
我慢の限界となったナタリアは、夫へ離縁を申し出るが――?
※ なろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる