甘い支配の始まり~愛に従え 愛に身を委ねろ~【完結】

まぁ

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double punch*ダブルパンチ

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 その後、来られた税理士さんは、このビル内に事務所のある後藤先生という方だった。おそらく50代の方で、オフィス長谷川という法人にする前、長谷川さんが個人事業主として仕事をしている時からずっと経理と申告を管理している先生らしい。

「今日はこの1時間ほどしか時間が取れないけど、来週以降また教えるから」
「はい、お願いいたします」
「本当は教えるのも長谷川の仕事だが…事務さんがいるなら自分は制作のみってところか?」
「事務じゃなく、秘書」
「「えっ?」」
「驚くところ?秘書で名刺作ってみた。後藤先生1枚いる?花園さんの名刺配布第1号」

 長谷川さんが数枚の名刺をひらひらさせながら私と後藤先生の前まで来ると

「はい」

 1枚づつ手渡してくれる。

「長谷川からもらうのは違うだろ?…花園…紫乃さんっていうの?」
「はい」
「これから紫乃さんと呼ばせてもらってもいいですか?」
「先生、何言ってんの?」
「何って、普通に呼び方の確認。今後、長谷川とより花園さんとのやり取りが増えそうだから適度に仲良く、花園さんからうちの事務所まで気軽に質問に来てもらえるような雰囲気作りをしてるだけ」

 手元の資料を片付けながら言う後藤先生に

「じゃあ、俺も紫乃さんでいく」
「‘じゃあ’の意味も‘いく’の意味もわからんが、花園さんが嫌ならハラスメント」
「花園さん、どう?ハラスメントは避けたい」

 長谷川さんが私に視線を移して返事を待つ。馴れ馴れしい感じでもなく‘さん’付けなので不快ではない。なので、お二人には、さん付けで了承した。
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