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part 17-15
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「…話が聞こえてたのに普通…?」
「どういうこと?」
これまでのこそこそを忘れた余裕のない声に地井さんの動揺が窺える。
「……」
「聞こえたって、関係ない人の話って気になる?」
「明らかに普通でないもの…」
「エェッ?普通でないって今さら何?かの子、どうしたの?大丈夫?藤堂組のお店に若さんの彼女がいるの見に行こうって誘って来たんだから、客層とか分かってたんでしょ?私は就職先がダイニングカフェだから来たんだけど、ひとつ賢くなったよ。カフェオレのコーヒー情報」
また私にニッコリした友人は
「お水、いただけますか?」
と水が残り僅かになったグラスを前に出す。
「あ、気づかずに申し訳ございません。失礼しました」
彼女のグラスにお水を入れてから奥でゴミを集めて裏へ行く。そして18時にはまだ数分あるけれど、お客様のオーダーの切れ目でエプロンからベストに着替えた矢口くんと会って一緒に表に戻ると、レジで空雅さんが彼女達の会計をするところだった。と…
「若、お疲れ様です」
「「「「お疲れ様ですっ」」」」
龍之介が福嶋さんと舞生さんを伴って来た。見事に真っ黒な3人…私が勤務中に来たことないのに…
「紗栄子」
普通にカウンターの中に入って来たよ。
「迎えに来た」
「ありがとう。でもちょっと早いね…何か飲む?」
「紗栄子」
「はっ?」
頬を撫でながらおかしなバリトンを響かせる龍之介を見上げるとチュッ…ペチッ…額に唇が落ちて来て私は音を立てて額に手のひらを当てた。
やり過ぎだって…もう彼女は来ないよ。
「どういうこと?」
これまでのこそこそを忘れた余裕のない声に地井さんの動揺が窺える。
「……」
「聞こえたって、関係ない人の話って気になる?」
「明らかに普通でないもの…」
「エェッ?普通でないって今さら何?かの子、どうしたの?大丈夫?藤堂組のお店に若さんの彼女がいるの見に行こうって誘って来たんだから、客層とか分かってたんでしょ?私は就職先がダイニングカフェだから来たんだけど、ひとつ賢くなったよ。カフェオレのコーヒー情報」
また私にニッコリした友人は
「お水、いただけますか?」
と水が残り僅かになったグラスを前に出す。
「あ、気づかずに申し訳ございません。失礼しました」
彼女のグラスにお水を入れてから奥でゴミを集めて裏へ行く。そして18時にはまだ数分あるけれど、お客様のオーダーの切れ目でエプロンからベストに着替えた矢口くんと会って一緒に表に戻ると、レジで空雅さんが彼女達の会計をするところだった。と…
「若、お疲れ様です」
「「「「お疲れ様ですっ」」」」
龍之介が福嶋さんと舞生さんを伴って来た。見事に真っ黒な3人…私が勤務中に来たことないのに…
「紗栄子」
普通にカウンターの中に入って来たよ。
「迎えに来た」
「ありがとう。でもちょっと早いね…何か飲む?」
「紗栄子」
「はっ?」
頬を撫でながらおかしなバリトンを響かせる龍之介を見上げるとチュッ…ペチッ…額に唇が落ちて来て私は音を立てて額に手のひらを当てた。
やり過ぎだって…もう彼女は来ないよ。
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