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part 16-13
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持って来た着替えの中から、七分袖のカットソーとピンクブラウンのキャミワンピに着替える。ストラップで長さを調整しようとモゾモゾと直していると、先に着替え終わった龍之介が
「ん、どのくらいだ?」
とストラップに長い指を掛けた。
「くるぶしまであるのを、足首がちょっと見えるくらい」
「ん」
すぐに少し短くしてくれた龍之介は
「これ、脱がしやすいな」
とストラップを落として見せる。
「そっ、そういう感覚で誰も着てないと思う…よ?」
「俺は紗栄子が目の前にいたらそういう感覚に襲われる」
「襲われないでっ…今はみんなをお待たせしてるよね?」
「自分達のペースで食堂を使っているから大丈夫だ」
「そうなの?」
「一斉に食えるほどのスペースでもないしな。正月のように揃って食うのは広間で、毎日は自由にしてる」
「合宿とか修学旅行じゃなくて日常だからか…そうなんだ」
「見たら分かる。行くぞ」
龍之介は私と指を絡めて廊下に出ると、さっきの方向に戻る。途中で曲がりながら
「この小さな中庭の向こうに食堂、手前のここにトイレ。この階段を上がれば組員たちの部屋」
と説明してくれる。食堂に並んで洗濯などの部屋と奥にお風呂。
「ん、ここ」
「カレーの匂いがするね」
「よくある」
二人で一歩入った食堂は、騒ぎ過ぎることもなく、沈黙の空間でもなく、思った以上に穏やかな空気が広がっていた。
どうするのがいいのだろう。皆さん、普通にしておけと言われているに違いない。龍之介と私に会釈や“こんばんは”と小さく声を掛けるくらいで食べてる。
「こんばんは…はじめましての方がおられるので…上村紗栄子です。失礼します」
龍之介の手を離して頭を下げると
「「「こんばんは」」」「「「いらっしゃい」」」
と軽快な声がしたのでとりあえずはいいだろう。
「ん、どのくらいだ?」
とストラップに長い指を掛けた。
「くるぶしまであるのを、足首がちょっと見えるくらい」
「ん」
すぐに少し短くしてくれた龍之介は
「これ、脱がしやすいな」
とストラップを落として見せる。
「そっ、そういう感覚で誰も着てないと思う…よ?」
「俺は紗栄子が目の前にいたらそういう感覚に襲われる」
「襲われないでっ…今はみんなをお待たせしてるよね?」
「自分達のペースで食堂を使っているから大丈夫だ」
「そうなの?」
「一斉に食えるほどのスペースでもないしな。正月のように揃って食うのは広間で、毎日は自由にしてる」
「合宿とか修学旅行じゃなくて日常だからか…そうなんだ」
「見たら分かる。行くぞ」
龍之介は私と指を絡めて廊下に出ると、さっきの方向に戻る。途中で曲がりながら
「この小さな中庭の向こうに食堂、手前のここにトイレ。この階段を上がれば組員たちの部屋」
と説明してくれる。食堂に並んで洗濯などの部屋と奥にお風呂。
「ん、ここ」
「カレーの匂いがするね」
「よくある」
二人で一歩入った食堂は、騒ぎ過ぎることもなく、沈黙の空間でもなく、思った以上に穏やかな空気が広がっていた。
どうするのがいいのだろう。皆さん、普通にしておけと言われているに違いない。龍之介と私に会釈や“こんばんは”と小さく声を掛けるくらいで食べてる。
「こんばんは…はじめましての方がおられるので…上村紗栄子です。失礼します」
龍之介の手を離して頭を下げると
「「「こんばんは」」」「「「いらっしゃい」」」
と軽快な声がしたのでとりあえずはいいだろう。
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