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part 16-9
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その後、2時間勤務する間に6杯もカフェモカを作る事態に驚いた。
その上、レミさんがやって来てカウンターで何かと話し掛けてくる。今日レミさんは、美容室で午前の予約だけ受けていて、お友達とランチをした帰りらしい。
「今は空雅さんのお兄さんが一人でお店をしてる?」
「そう。たまにこうして予約を調整して出掛けるのよ。土日は出来ないけれどね。カチューシャ、似合ってるね」
「ありがとうございます。ここではポニーテールにこれが制服です」
この前は赤い髪だったレミさんは、今日は赤の内側が青になっている。
「インナーカラー入れたの」
そう言う名前なんだ。
「レミさんにお似合いです」
「接客トークバッチリだね」
「紗栄ちゃんは客とは話さないよ」
空雅さんの言葉に
「若の独占欲?」
レミさんがニヤリと笑う。
「ここに龍之介は来ないし…そんなんじゃないです」
知らない相手に個人的なことを聞かれた時の、のちの面倒や危険を考えているのだ。先日のことがあるからよく分かる。私はカウンター内の作業はお水とおしぼりを出す以外、お客様と対面にならない場所で作業する。レミさんは別だけど。
18時になると
「じゃあ、紗栄ちゃん後で本家で」
あと1時間はカフェバーの仕事をするという空雅さんに見送られて裏から出て、芦田さんが開けてくれた車に乗り込むと
「甘い香りだ…」
車内がチーズケーキの香りに包まれていた。
その上、レミさんがやって来てカウンターで何かと話し掛けてくる。今日レミさんは、美容室で午前の予約だけ受けていて、お友達とランチをした帰りらしい。
「今は空雅さんのお兄さんが一人でお店をしてる?」
「そう。たまにこうして予約を調整して出掛けるのよ。土日は出来ないけれどね。カチューシャ、似合ってるね」
「ありがとうございます。ここではポニーテールにこれが制服です」
この前は赤い髪だったレミさんは、今日は赤の内側が青になっている。
「インナーカラー入れたの」
そう言う名前なんだ。
「レミさんにお似合いです」
「接客トークバッチリだね」
「紗栄ちゃんは客とは話さないよ」
空雅さんの言葉に
「若の独占欲?」
レミさんがニヤリと笑う。
「ここに龍之介は来ないし…そんなんじゃないです」
知らない相手に個人的なことを聞かれた時の、のちの面倒や危険を考えているのだ。先日のことがあるからよく分かる。私はカウンター内の作業はお水とおしぼりを出す以外、お客様と対面にならない場所で作業する。レミさんは別だけど。
18時になると
「じゃあ、紗栄ちゃん後で本家で」
あと1時間はカフェバーの仕事をするという空雅さんに見送られて裏から出て、芦田さんが開けてくれた車に乗り込むと
「甘い香りだ…」
車内がチーズケーキの香りに包まれていた。
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