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part 13-9
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「緊張することない。俺の物も一緒に選ぶ」
「そうなの?」
エレベーターで視線が近い紗栄子にチュッ…とキスをすると
「…っ…」
動くエレベーターで紗栄子が慌てて前後左右上下を見渡し、目が回ったのか、ふわっと落ちて来そうになったのを抱えてフロアに降りると、また慌てている。その肩をゆっくりと撫でながらいつも行く店を目指し
「レディースもメンズもある店だ。とりあえずここからな」
「わ、床の素材が違う…」
入口で一旦紗栄子が立ち止まると
「いらっしゃいませ、藤堂様。お待ちしておりました」
いつもの担当、大崎という店長に迎えられた。
「今日はレディースも見せてもらう」
「かしこまりました。ちょうど冬物が出揃っておりますのでごゆっくりご覧下さい」
頭を下げるタイミング、挨拶をするタイミング、それを計るように大崎をじっと見る紗栄子が可愛い。
「紗栄子の物から見る」
「うん…でも…」
「ん?何でも言って大丈夫だ」
「紗栄ちゃん、大崎さんは大丈夫な人だよ」
舞生が後ろから声を飛ばしてくる。
「うん…こういうお店での買い物のやり方がわからない…です…」
「紗栄子様」
「へ…ぇっ…?紗栄子に様…ちょっと…無理っぽいです…」
「紗栄子、慌てんな、大丈夫だ。大崎、俺の紗栄子は様はいらないらしい」
「失礼致しました。紗栄子さんとお呼びしてよろしいでしょうか?」
コクコクコク…
「ありがとうございます。では、紗栄子さん」
「はいっ」
緊張して返事がデカい。でもこれでいい。昨日のことを払拭するくらいの緊張もインパクトも早急に与えた方がいいと思うからな。
「買い物のやり方というのは決まっておりません」
コクン…
「店内を隅から隅まで回って頂き、あれもこれも手に取って頂くのも良し。こちらのソファーにお掛けになって、わたくしにどのような商品をご希望かをお伝え頂くのも良し。ひとつの商品を選んで頂いたあとのコーディネートをお任せ頂くのも良し。それらを組み合わせてご自由にお楽しみ下さいませ」
コクン…?頷いたまま俺を見た紗栄子に
「一緒にゆっくりと見ながら、まず紗栄子が自分でひとつ、俺がひとつ選ぶことから始めようか」
と言うと納得したのか、紗栄子が僅かに表情を緩めた。
「そうなの?」
エレベーターで視線が近い紗栄子にチュッ…とキスをすると
「…っ…」
動くエレベーターで紗栄子が慌てて前後左右上下を見渡し、目が回ったのか、ふわっと落ちて来そうになったのを抱えてフロアに降りると、また慌てている。その肩をゆっくりと撫でながらいつも行く店を目指し
「レディースもメンズもある店だ。とりあえずここからな」
「わ、床の素材が違う…」
入口で一旦紗栄子が立ち止まると
「いらっしゃいませ、藤堂様。お待ちしておりました」
いつもの担当、大崎という店長に迎えられた。
「今日はレディースも見せてもらう」
「かしこまりました。ちょうど冬物が出揃っておりますのでごゆっくりご覧下さい」
頭を下げるタイミング、挨拶をするタイミング、それを計るように大崎をじっと見る紗栄子が可愛い。
「紗栄子の物から見る」
「うん…でも…」
「ん?何でも言って大丈夫だ」
「紗栄ちゃん、大崎さんは大丈夫な人だよ」
舞生が後ろから声を飛ばしてくる。
「うん…こういうお店での買い物のやり方がわからない…です…」
「紗栄子様」
「へ…ぇっ…?紗栄子に様…ちょっと…無理っぽいです…」
「紗栄子、慌てんな、大丈夫だ。大崎、俺の紗栄子は様はいらないらしい」
「失礼致しました。紗栄子さんとお呼びしてよろしいでしょうか?」
コクコクコク…
「ありがとうございます。では、紗栄子さん」
「はいっ」
緊張して返事がデカい。でもこれでいい。昨日のことを払拭するくらいの緊張もインパクトも早急に与えた方がいいと思うからな。
「買い物のやり方というのは決まっておりません」
コクン…
「店内を隅から隅まで回って頂き、あれもこれも手に取って頂くのも良し。こちらのソファーにお掛けになって、わたくしにどのような商品をご希望かをお伝え頂くのも良し。ひとつの商品を選んで頂いたあとのコーディネートをお任せ頂くのも良し。それらを組み合わせてご自由にお楽しみ下さいませ」
コクン…?頷いたまま俺を見た紗栄子に
「一緒にゆっくりと見ながら、まず紗栄子が自分でひとつ、俺がひとつ選ぶことから始めようか」
と言うと納得したのか、紗栄子が僅かに表情を緩めた。
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