癒しと毒の融合愛◆◆心の逃げ場だけでいいのか?久遠の愛を誓う物語◆◆ 【完結】

まぁ

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part 12-2

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懸命に気持ちを伝える紗栄子の体はこの季節のシャツ姿ではあり得ないくらい汗ばみ、掠れた声が震えている。

「それでも紗栄子に怖い思いをさせたのは俺が悪かった」

俺は紗栄子の耳に口づけ

「さらに悪いが…紗栄子」

体を少し離して頬を撫でる。ここまでは紗栄子にしか聞こえていない…耳に囁いたから。紗栄子の声は皆に聞こえていただろう。皆が俺の指示待ちで静まり返っているのだから。

「俺の女だと分かっていながらここまでやった奴らをこのまま返すワケにはいかねぇ」

コクン…

「…誘拐された…」
「ん」

裂かれたエプロンを腕から外してやり

「紗栄子がこうなる可能性まであったワケだ」

とエプロンを床に落とした。

「だが、俺たちは警察なんて甘い処分で済まない世界に生きてる…これも紗栄子が藤堂で生きる限り理解してくれ」

コクン…

「理解してくれとは言うが、見ろとは言わない。紗栄子が見たいなら当然見せるが…どうする?」

紗栄子の真っ直ぐな視線を俺も真っ直ぐに受け止め答えを待つ。

「…理解したいし、している途中だとも思うんだけど…見たくはないかな…」
「ん」
「もしも…よくわからないけど…もしも龍之介が…あ、龍之介だけでなく福嶋さんたちもなんだけど…テレビで見るみたいな…ほら…ぷっしゃぁって返り血を浴びて戻って来ても怖くないと思うんだけど…見るのは…瞬間は見たくはない…」

最高だな、紗栄子。どんな制裁を思い描いているのか…完全に殺ってるよな。掠れたままの声で俺たちの血を煽る…さすが、俺の女。
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