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part 7-4

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「仕事が必要だと思う」
「必要とやりたいことは違うけど…まあいいか。やってみたい仕事はある?」
「…経験が少な過ぎてわからない…出来ることなら何でもやるよ」
「カフェバーの手伝いは家事みたいで嫌かな?」

空雅さんは残っていたご飯をお皿に移してから、意外なことを言って私を見た。

「嫌なことってないですけど…」

コーヒーが落ちる音と空雅さんがお米を用意する音、そして私がマグカップを洗う水音に囲まれて手と頭を動かす。

「文句ばかり言われるから清水での家事は楽しくなかった…中学から始まった母とふたり暮らしの間も遊んでる同級生とは違う生活だからいろんな気持ちはあったけれど、家事自体は嫌いじゃないはず。教えてもらう間は母と一緒に居られたし、私がやったことは必ず誉めたり、ありがとうって言ってくれたから」

母との話だからか、彼は何も言わずに手だけを動かして聞いてくれるようだ。そんなに話すことはないけれど…

「えっと…職歴はたぶんご存じの就職の前に…」
「ぶっ…面接するみたいだ。どうぞ続けて」
「ぁ、っと…就職前のバイト歴は長いです」
「ふむ」
「ふむ?」
「ですって言ったから、言ってみた」

福嶋兄弟に続き、空雅さんも難しい感じなの?

「ゴルフ練習場、打ちっぱなしの玉拾いが一番長いです。営業時間後のバイトだから夜遅いので掛け持ち出来るから」

そう言いながら、今度はカップとソーサーを使ってみようと選ぶ。

「これだけ集めて、こうして選んで使えるのは贅沢な楽しみなんだろうね…」
「食器好き?」
「…そういう欲求はたぶん何処かで欠落したかも…100均で買える物しか知らないから」

私がそう応えてコーヒーを注ぐのを見てから、空雅さんがミルクと砂糖を出す。誰かが使うんだね。

「若、紗栄ちゃんとすぐに買い物に行けます?無理ならオレが連れて行きます。100均でしか買い物したことないって、ヤバいこと言ってるんで」

私がトレイを持つ前を歩いた空雅さんが龍之介を若と呼んで、買い物に行くと言う。
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