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part 6-6
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下げてきた米と卵焼き、そして漬け物で少ないながらも朝食を食べる紗栄子に
「ちゃんと食えたな。卵焼き、うまい」
食ったことも作ったことも正解だと伝えて頭を撫でる。
「うん」
ただそれだけしか返事はないが十分だ。
「これが卵焼きですよね。美味しいです。今日は空雅がいなかったので舞生が作ればこんなのですから」
「紗栄ちゃんのが美味しいのは認めるけど、ボクのは甘い卵焼きだから焦げやすいんだって。そうだよね、紗栄ちゃん?」
「う…ん…ちょっと焦げじゃなくって…燃えた部分があるようにも…」
「わっ、紗栄ちゃん…そこまで言う?」
舞生がそう言いながら最後の卵焼きに手を伸ばしたので、俺が先に取ると
「紗栄子、半分やる。全部は食うなよ?」
と口元に持っていく。驚いた顔にも見惚れながら
「ん?」
卵焼きで唇をつつくとパクッ…
「紗栄子…半分の意味知ってるか?」
「紗栄ちゃん、半分出しちゃえ」
俺と舞生の言葉に目を泳がせて、紗栄子が最後の一切れを飲み込んだ。
「ごめん…間違えた…」
「ん。これまで食ってない分も食えよ?」
コクンと頷いた紗栄子は
「仕事が忙しいんだよね?片付けは私がする」
そう言って長袖のTシャツの袖を捲り上げた。それでいい。
俺たちは仕事を始め、紗栄子は洗い物をする。そして、コーヒーメーカーの使い方を教えてくれという声が聞こえると俺がすぐに立ってキッチンへ向かう。
そこで、紗栄子が動き始めたことを喜ぶのはまだまだ先だと感じる表情の彼女に使い方を教えてから
「紗栄子が飲みたいなら淹れたらいいが、俺たちを気遣って淹れることはしなくていい。紗栄子の時間は紗栄子の物だ」
と肩を撫でた。
“やらなければならない”
そういう生活習慣づけをされているのだろう。そして趣味などを楽しむ時間さえなかったのだろう。
「…それはそれで…やることがないね」
自嘲気味に微笑む紗栄子に
「やってみたいことは?」
そう聞いてみると
「わからないけど、仕事はしないといけないと思う」
少し痩せた頬を動かして返事があった。
「ちゃんと食えたな。卵焼き、うまい」
食ったことも作ったことも正解だと伝えて頭を撫でる。
「うん」
ただそれだけしか返事はないが十分だ。
「これが卵焼きですよね。美味しいです。今日は空雅がいなかったので舞生が作ればこんなのですから」
「紗栄ちゃんのが美味しいのは認めるけど、ボクのは甘い卵焼きだから焦げやすいんだって。そうだよね、紗栄ちゃん?」
「う…ん…ちょっと焦げじゃなくって…燃えた部分があるようにも…」
「わっ、紗栄ちゃん…そこまで言う?」
舞生がそう言いながら最後の卵焼きに手を伸ばしたので、俺が先に取ると
「紗栄子、半分やる。全部は食うなよ?」
と口元に持っていく。驚いた顔にも見惚れながら
「ん?」
卵焼きで唇をつつくとパクッ…
「紗栄子…半分の意味知ってるか?」
「紗栄ちゃん、半分出しちゃえ」
俺と舞生の言葉に目を泳がせて、紗栄子が最後の一切れを飲み込んだ。
「ごめん…間違えた…」
「ん。これまで食ってない分も食えよ?」
コクンと頷いた紗栄子は
「仕事が忙しいんだよね?片付けは私がする」
そう言って長袖のTシャツの袖を捲り上げた。それでいい。
俺たちは仕事を始め、紗栄子は洗い物をする。そして、コーヒーメーカーの使い方を教えてくれという声が聞こえると俺がすぐに立ってキッチンへ向かう。
そこで、紗栄子が動き始めたことを喜ぶのはまだまだ先だと感じる表情の彼女に使い方を教えてから
「紗栄子が飲みたいなら淹れたらいいが、俺たちを気遣って淹れることはしなくていい。紗栄子の時間は紗栄子の物だ」
と肩を撫でた。
“やらなければならない”
そういう生活習慣づけをされているのだろう。そして趣味などを楽しむ時間さえなかったのだろう。
「…それはそれで…やることがないね」
自嘲気味に微笑む紗栄子に
「やってみたいことは?」
そう聞いてみると
「わからないけど、仕事はしないといけないと思う」
少し痩せた頬を動かして返事があった。
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