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過去の痕跡
156話 飛島の使命
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「さきほどの5人の神様で一番上位にあたる「全能の神様」が出雲の国に神様がいなくなったあとのことを考え、出雲の国に神社を建てられ、代々国の王がそこを守護するように言われたそうです。さすれば、災いある時に神は目覚め、世を平和にされると伝承されています。そして、神様は出雲の神社を任せる人の名前を与えられました。この神社を守る人は必ずこの名前を名乗るようにと」
あとから来た、カミーユ大尉達はなんのことを話しているかわからずに
「マツさん、なんの話をされているのですか?」
「昔の神様の話を聞いているんだよ」
「神様ですか?」
「そうだ」
カミーユ大尉達はすこし笑いながら
「マツさん、そんなまじめな顔で神様の話なんて、やめてくださいよ。もっと現実的な話をして、この拳銃の手掛かりをさがしましょうよ」
相変わらず言語学者とは思えない発言をしている大尉を見て葉子は
「おばあさま、お話の途中、すみません、お手数ですが、もう一度、その神様の話を最初から我々にも聞かせてもらえないでしょうか?」
マツはまみを見て、もう一度最初から話してくれるように頼んだ。そして、まみはまたうれしそうに、皆に話をした。しばらくして
「なんか、昔話によく出てくるような話ですね」
「神様って、どこの地域にも、いろいろな伝承があって、どれもその時代の王や高官や貴族達がその末裔だとか、神様に使命を授かったとかで、自分達の権威が失墜しないように作られた想像の話がほとんどですよ」
「たしかによくできた話ですけど、とても本当のこととは信じられませんね」
皆、軍人や警察官で現場の最前線で働いているため、こういった話には興味がないようだった。
「それでは、マツさん、さきほどの続きを話しますよ」
マツは想像力のない局の人間にがっかりした様子でまた、まみの方を見て、話を真剣に聞き始めた。
「全能の神様は出雲の国の神社を守護する人間を指名されました。伝承では先ほど話した、女王卑弥呼の2番目の子供がその役に任ぜられました。そして、その系統の一族で
現在まで、しっかりと守護の役を全うしています。現代ではそこは出雲神殿と言われています」
「すごい、話だね。本当によくできている。たしかに本当にあった話のようだ」
祥子はまだ、その話が面白いようで
「ねえ、まみさん、ちなみにその神様が神社を任せる人に名前を与えたって、言ってたけど、どんな名前なの、もしかして七福神なんて名前ですか」
まみは、ぜんぜん自分の話を信じない祥子を睨みつけながら
「そんな神様が神様の名前を与えるわけないでしょ。本当に祥子さんは私の話を信じないのだから、神様があたえた名前は「飛島よ!」どう、普通の名前でしょ」
まみはやっと一通り、簡単ではあるけど、話ができてすっきりした顔になった。しかし、ここにいる全員が硬直して動かなくなった。まみは皆さん、急に気分でも悪くなったのかと思い、
「皆さん、大丈夫ですか、やっぱり、私の話がつまらなかったんですね。もう、いいんです。いつもこうやって無視されることには慣れてますから・・・」
まみは下を向いて、がっかりとした。そして、しばらくして、全員がまみに勢いよく近づいてきて、まみはびっくりして
「なんですか、みなさん、いくら私の話がつまらないからって、変な事はしないでくださいよ」
「今、神様が与えた名前をもう一度、言ってくれるかい」
まみは廻りに集まってきた人におびえながら
「はい、飛島ですよ」
「うお~」
急にみんながまみの廻りで騒ぎ出した。
「アハハ、やっぱりな、あの局長があんなにぽっくり死ぬわけないよな」
「イブさんだって、あの何が起きても、ゆるがない、あの憎たらしい性格、絶対、死ぬわけないと思ってたんだよな」
「ユウキさんだって、事前に危険を察知できる能力を持っているんだ。あんなへなちょこ攻撃、予測できたはずだしな」
まみの廻りはまるで、お祭り騒ぎのような状況になった。そこで松田葉子が
「ねえ、みんな、ちょっと聞いてよ。さっきのさ、まみさんの話でさ、5人の神様って、あの時いなくなった人数とぴったりだよね。しかもよく考えるとさ、全能の神はマリさん、赤い火はイブさん、光はユウキさん、知はレナード、雷はリボルバーを持っているドニーズ、これで間違いないでしょ!」
「うお~、たしかに、言われてみればピッタリだ。こりゃ、間違いないぞ」
「マツさん、あの~皆さんどうされたんですか?」
「アハハ、そうか、あんたはこの治安情報局の局長の名前を知らなかったね」
「はい、全く知りません」
「局長の名は飛島マリ、そしてそのリボルバーのナンバー1の持ち主でもある」
「そうなんですか」
「それと、マリさんのおばあさんはその出雲神殿の宮司の娘だったんだよ」
その時にマツは始めて、マリの祖母、飛島ヤエがあれほど早く情報局をやめて、そして、あんなに若くしてこの世界から姿を消し、まるで、マリさんが生まれることを事前にわかっていたかのようにあの山梨の家に武道館をつくり、軍での訓練ができる基地の施設設置などを準備していた。ヤエ長官は沢山の仲間といることや、繁華街のようなにぎやかなところがお好きだったのに、急に山にこもるような生活をしていたことがずっと不思議だったが、これで、その謎が解けたような気がした。
「まみさん、その拳銃を見つけたところだけど、場所はどこなんだい?」
マツは一刻も早く、マリ達の消息を掴みたくてまみに尋ねた。
「はい、徳島の阿波です。ですが、そこは今、国が所有しているところで、本当は勝手に入って、発掘なんてしてはいけないところなんですけど・・・」
「そうかい、だが、たくさんの人が入り、本格的に遺跡の発掘をしたら、その他にも
遺跡はでてくるのかい?」
まみは目を輝かせながら、
「はい、間違いありません」
「よ~し、忙しくなるぞ。葉子!」
「はい、おばあさま、何でしょう」
「お前、まみさんにこの遺跡の場所と大きさを聞いて、国所有のこの山全部、松田財閥で買い取るように手配してくれ。急いで、まみさんと日本に戻り、ウチの不動産会社と連携して購入の準備に入ってくれ、国には私から連絡を入れておく、おっと、葉子、大介もホテルでふさぎこんでいるだろうから、あいつも一緒に連れていってやってくれ」
「わかりました」
「それとまみさん、これから、わたしの知人で日本では考古学者で第一人者と言われる、東都大学教授勝畑さんに連絡を取るから、教授をまみさんの部下につけるから遺跡発掘のリーダーとして現場を仕切ってくれるかい。あの教授が声を掛ければ1000人以上の協力者が徳島まで駆けつけるだろうからね、それとそれにかかる費用はすべて、この松田財閥が負担するからね」
「私がリーダーですか!」
「そうだよ。あんたが必死になって見つけたんだろう。ほかのやつにその手柄を横取りされたくないだろ、勝畑教授はとても清廉潔白な男だ。あいつが睨みを効かせていれば、
王宮の発見の手柄を横取りするやつなんて、現れないからね絶対」
カミーユ大尉達は仲間外れにされたと思い
「マツさん、我々でなにかできることはありませんか?」
マツは元々好きでないカミーユ大尉を見て
「アハハ、お前達は明日、追悼式があるんだろ、今日はもう帰っていいぞ」
大尉達はバカにされたと思い
「我々でも、何かできることはあるはずです」
マツは日本語もまともに話せない、こいつらが日本に行ってもな~と思い、
「まあ~日本語も話せないし、どうしようもないだろ。まあ、タイムスリップについて科学的に詳しい人知を超越したような人がいたら紹介してほしいけどな。そんな人いるわけないしな、アハハ・・・」
カミーユ大尉達はニヤ~と笑い、
「マツさん、あなたは、私達を誰だと思っているんですか?局長や副官達と数々の任務を遂行してきた特殊部隊です。あなたが想像もできないような作戦もこなしてきました。その中でも人類を超越した宇宙人とも友好な関係を築いたりしました。我々が会いに行けば、タイムジャンプの件、おそらく協力してくれると思いますよ。フフフ、もしかしたら、マツさんよりも先に我々が局長達に近づけるかもしれませんね」
マツはうれしそうな顔で
「なるほどな、あれだけすごい人達に見限られることもなく、任務を実行してきただけはあるな、先ほどは失礼な態度を取ってすまなかった。フランス治安情報局の皆さま、
是非、お互いに協力をして、マリさん達の手掛かりを見つけられるようにお互い連絡をとりあおう」
カミーユ大尉達はマツの態度に驚いた。この人は目的を達成するためには、変なプライドなんか持たずに、すぐにその場で対応を改め、そして、相手のやる気まで引き出してしまう。大尉達も態度を改め
「マツさん、こちらこそ、よろしくお願いします」
マリ達の手掛かりを求め、それぞれが、動き始めた。
あとから来た、カミーユ大尉達はなんのことを話しているかわからずに
「マツさん、なんの話をされているのですか?」
「昔の神様の話を聞いているんだよ」
「神様ですか?」
「そうだ」
カミーユ大尉達はすこし笑いながら
「マツさん、そんなまじめな顔で神様の話なんて、やめてくださいよ。もっと現実的な話をして、この拳銃の手掛かりをさがしましょうよ」
相変わらず言語学者とは思えない発言をしている大尉を見て葉子は
「おばあさま、お話の途中、すみません、お手数ですが、もう一度、その神様の話を最初から我々にも聞かせてもらえないでしょうか?」
マツはまみを見て、もう一度最初から話してくれるように頼んだ。そして、まみはまたうれしそうに、皆に話をした。しばらくして
「なんか、昔話によく出てくるような話ですね」
「神様って、どこの地域にも、いろいろな伝承があって、どれもその時代の王や高官や貴族達がその末裔だとか、神様に使命を授かったとかで、自分達の権威が失墜しないように作られた想像の話がほとんどですよ」
「たしかによくできた話ですけど、とても本当のこととは信じられませんね」
皆、軍人や警察官で現場の最前線で働いているため、こういった話には興味がないようだった。
「それでは、マツさん、さきほどの続きを話しますよ」
マツは想像力のない局の人間にがっかりした様子でまた、まみの方を見て、話を真剣に聞き始めた。
「全能の神様は出雲の国の神社を守護する人間を指名されました。伝承では先ほど話した、女王卑弥呼の2番目の子供がその役に任ぜられました。そして、その系統の一族で
現在まで、しっかりと守護の役を全うしています。現代ではそこは出雲神殿と言われています」
「すごい、話だね。本当によくできている。たしかに本当にあった話のようだ」
祥子はまだ、その話が面白いようで
「ねえ、まみさん、ちなみにその神様が神社を任せる人に名前を与えたって、言ってたけど、どんな名前なの、もしかして七福神なんて名前ですか」
まみは、ぜんぜん自分の話を信じない祥子を睨みつけながら
「そんな神様が神様の名前を与えるわけないでしょ。本当に祥子さんは私の話を信じないのだから、神様があたえた名前は「飛島よ!」どう、普通の名前でしょ」
まみはやっと一通り、簡単ではあるけど、話ができてすっきりした顔になった。しかし、ここにいる全員が硬直して動かなくなった。まみは皆さん、急に気分でも悪くなったのかと思い、
「皆さん、大丈夫ですか、やっぱり、私の話がつまらなかったんですね。もう、いいんです。いつもこうやって無視されることには慣れてますから・・・」
まみは下を向いて、がっかりとした。そして、しばらくして、全員がまみに勢いよく近づいてきて、まみはびっくりして
「なんですか、みなさん、いくら私の話がつまらないからって、変な事はしないでくださいよ」
「今、神様が与えた名前をもう一度、言ってくれるかい」
まみは廻りに集まってきた人におびえながら
「はい、飛島ですよ」
「うお~」
急にみんながまみの廻りで騒ぎ出した。
「アハハ、やっぱりな、あの局長があんなにぽっくり死ぬわけないよな」
「イブさんだって、あの何が起きても、ゆるがない、あの憎たらしい性格、絶対、死ぬわけないと思ってたんだよな」
「ユウキさんだって、事前に危険を察知できる能力を持っているんだ。あんなへなちょこ攻撃、予測できたはずだしな」
まみの廻りはまるで、お祭り騒ぎのような状況になった。そこで松田葉子が
「ねえ、みんな、ちょっと聞いてよ。さっきのさ、まみさんの話でさ、5人の神様って、あの時いなくなった人数とぴったりだよね。しかもよく考えるとさ、全能の神はマリさん、赤い火はイブさん、光はユウキさん、知はレナード、雷はリボルバーを持っているドニーズ、これで間違いないでしょ!」
「うお~、たしかに、言われてみればピッタリだ。こりゃ、間違いないぞ」
「マツさん、あの~皆さんどうされたんですか?」
「アハハ、そうか、あんたはこの治安情報局の局長の名前を知らなかったね」
「はい、全く知りません」
「局長の名は飛島マリ、そしてそのリボルバーのナンバー1の持ち主でもある」
「そうなんですか」
「それと、マリさんのおばあさんはその出雲神殿の宮司の娘だったんだよ」
その時にマツは始めて、マリの祖母、飛島ヤエがあれほど早く情報局をやめて、そして、あんなに若くしてこの世界から姿を消し、まるで、マリさんが生まれることを事前にわかっていたかのようにあの山梨の家に武道館をつくり、軍での訓練ができる基地の施設設置などを準備していた。ヤエ長官は沢山の仲間といることや、繁華街のようなにぎやかなところがお好きだったのに、急に山にこもるような生活をしていたことがずっと不思議だったが、これで、その謎が解けたような気がした。
「まみさん、その拳銃を見つけたところだけど、場所はどこなんだい?」
マツは一刻も早く、マリ達の消息を掴みたくてまみに尋ねた。
「はい、徳島の阿波です。ですが、そこは今、国が所有しているところで、本当は勝手に入って、発掘なんてしてはいけないところなんですけど・・・」
「そうかい、だが、たくさんの人が入り、本格的に遺跡の発掘をしたら、その他にも
遺跡はでてくるのかい?」
まみは目を輝かせながら、
「はい、間違いありません」
「よ~し、忙しくなるぞ。葉子!」
「はい、おばあさま、何でしょう」
「お前、まみさんにこの遺跡の場所と大きさを聞いて、国所有のこの山全部、松田財閥で買い取るように手配してくれ。急いで、まみさんと日本に戻り、ウチの不動産会社と連携して購入の準備に入ってくれ、国には私から連絡を入れておく、おっと、葉子、大介もホテルでふさぎこんでいるだろうから、あいつも一緒に連れていってやってくれ」
「わかりました」
「それとまみさん、これから、わたしの知人で日本では考古学者で第一人者と言われる、東都大学教授勝畑さんに連絡を取るから、教授をまみさんの部下につけるから遺跡発掘のリーダーとして現場を仕切ってくれるかい。あの教授が声を掛ければ1000人以上の協力者が徳島まで駆けつけるだろうからね、それとそれにかかる費用はすべて、この松田財閥が負担するからね」
「私がリーダーですか!」
「そうだよ。あんたが必死になって見つけたんだろう。ほかのやつにその手柄を横取りされたくないだろ、勝畑教授はとても清廉潔白な男だ。あいつが睨みを効かせていれば、
王宮の発見の手柄を横取りするやつなんて、現れないからね絶対」
カミーユ大尉達は仲間外れにされたと思い
「マツさん、我々でなにかできることはありませんか?」
マツは元々好きでないカミーユ大尉を見て
「アハハ、お前達は明日、追悼式があるんだろ、今日はもう帰っていいぞ」
大尉達はバカにされたと思い
「我々でも、何かできることはあるはずです」
マツは日本語もまともに話せない、こいつらが日本に行ってもな~と思い、
「まあ~日本語も話せないし、どうしようもないだろ。まあ、タイムスリップについて科学的に詳しい人知を超越したような人がいたら紹介してほしいけどな。そんな人いるわけないしな、アハハ・・・」
カミーユ大尉達はニヤ~と笑い、
「マツさん、あなたは、私達を誰だと思っているんですか?局長や副官達と数々の任務を遂行してきた特殊部隊です。あなたが想像もできないような作戦もこなしてきました。その中でも人類を超越した宇宙人とも友好な関係を築いたりしました。我々が会いに行けば、タイムジャンプの件、おそらく協力してくれると思いますよ。フフフ、もしかしたら、マツさんよりも先に我々が局長達に近づけるかもしれませんね」
マツはうれしそうな顔で
「なるほどな、あれだけすごい人達に見限られることもなく、任務を実行してきただけはあるな、先ほどは失礼な態度を取ってすまなかった。フランス治安情報局の皆さま、
是非、お互いに協力をして、マリさん達の手掛かりを見つけられるようにお互い連絡をとりあおう」
カミーユ大尉達はマツの態度に驚いた。この人は目的を達成するためには、変なプライドなんか持たずに、すぐにその場で対応を改め、そして、相手のやる気まで引き出してしまう。大尉達も態度を改め
「マツさん、こちらこそ、よろしくお願いします」
マリ達の手掛かりを求め、それぞれが、動き始めた。
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