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倭国大乱
143話 本当の敵
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そんな様子を見ていた村人はマリ達に膝を付いて拝みだした。
「神人よ、私達を救い出してくれて、感謝いたします」
村人全員がマリ達を神のように崇めている姿を見て
「皆さん、私達は神ではありません。みなさんと同じ人間ですよ」
「いんや、あなた様は神です。あんな空に飛んで行ったり、姿も見せずにこいつらを倒してしまうんですから」
「いいから、もう拝むのはやめて、けが人や、この荒れた状態を片付けましょう。それとこの盗賊じゃなかった、役人も全員しばってください」
マリは率先して、蔵に荷物の片づけを手伝ったり、けが人をユウキに見させたりした。
そんな様子を見ていたドニーズ中尉は
「レナード、我々は現地語も話せないし、どうやら、ここではお荷物のようですね」
「ハハハ、そうだな、しかし、1800年前の世界が本当ならばアメリカは原住民しかおらず、存在せず、ヨーロッパではローマ帝国、日本の近隣諸国ではたしか、3国志の時代だな~、観光ツアーでもあれば、ぜひ、この目でその時代を見てみたいな」
「そうですね。それを考えるとすごいですよね。でも、あまり、あちこちに行くと本当に歴史が大きく変わってしまいますから、ここではユウキさんやイブさんの指示に従うしかないですよ。絶対」
「そうだな、なにしろ、ここでは我々が話す英語やフランス語は蛮族が話す、地方言語のひとつに過ぎないからな」
村の片付けも終わり、びりゃねじいさんはどうやら、この村の村長のような人で皆に声をかけ、マリ達をおもてなしするように声をかけた。
「神人、こちらに座って、お休みください。村の者のケガを治してくれたり、片付けまで手伝ってもらい、本当にありがとうございます。今、食事の用意をしますから、少しお待ち下さい」
マリ達5人は村の中央にあるワラでできた大きなパラソルのようなところに案内され、
とても大きい大木を切った、長椅子に座った。
「でも、不思議だな~ここは、盗賊のような、役人とのいざこざはあったけど、村人たちは、みんな仲良しだな~さっきからみていると、誰一人、いじめたり、仲間外れにしたりしないで、みんなが協力して生きているね」
「ハハハ、マリそれはそうだよ。この時代はあまり、身分だとか、お金持ちだとか、見た目がきれいで私はすごいとか、そういった概念はないからね。同じ村の者は全員平等で、ひとりひとりがそれぞれの役目をこなす、一生懸命やらなければ、村のみんなに迷惑がかかり、生きていけなくなる。そういう意味ではすばらしい時代ともいえるね」
「すごいな~、未来の私達の時代とは、大違いだね」
そんな話をしていたら、若い女性と小さい子供が4人ほどマリに近づいて来た。
マリの前で4人は膝をついて
「神人、さっきはありがとうございました。この首飾りをもらってください。皆で考えたけど、私達が一生懸命作った。この首飾りがあなたに一番だと思って」
マリはとても時間をかけて、作ったと思われる首飾りを見て
「こんなきれいな物をいただいてもいいんですか」
「もちろんです。村のみんなを助けてくれて、こんな物しか渡せないですが」
「とんでもないです。いただきます。ありがとう」
マリが首飾りを気に入ってくれたのを子供達は笑顔で喜んでいた。
「よかったな。マリ、この村のやつらは本当にやさしく、気の良い者ばかりだな~」
少しして、ひみゃこがマリ達に食事を運んできてくれた。それとお酒もあった。
「マリ、いえ、神人、この村の巫女ひみゃこがお食事と神様のお好きな、口噛みのお酒をお持ちしました。たくさん、ありますので、ごゆるりと食されてください」
きれいな土器に盛り付けされた食事や飲み物を見て、マリはうれしそうに
「こんなにありがとう。でも、村の人達も、ここで一緒に食べましょう」
「いえ、そんな恐れ多い事はできません。少し離れたところで、私達は食事をしますので、なにかあったら、お手を上げて、お呼びください」
「あれ、ひみゃこ、なんか、急に言葉使いが良くなったね」
「さきほどは下々の言葉を使い、失礼しました」
ひみゃこはおじきをして、少し離れた、村人が集まり、食事をしているところに歩いていった。マリ達は食事をしながら、この時代の食べ物を堪能した。
「ユウキさん、このお酒はなんですか?とても日本酒とは違い、かなり濁っているようですが」
「これは、米からできた、日本酒の元になるにごり酒だ。これからだいぶ年代がたって、精製技術が進歩し透明な日本酒になるんだ。この酒はこれから1000年以上はたいして変わらないよ。でも、こんな年代なのに、お酒はとても良くできていると思うよ」
「そうなんですか。自分にはあまり、口に合いませんが」
「それなら、ワインの味に近い、山ブドウ酒があるはずだ」
ユウキは村人に手を上げて山ブドウ酒を持って来てほしいと頼んだ。
「神人、そんなお酒でよろしいのですか。山ブドウ酒なら、私達がよく飲んでいる者ですが」
「かまわないよ。悪いが少しいただけるかな」
「もちろんです。たくさんありますから」
しばらくして大きな花瓶のような土器の入れ物にたっぷり入れて持ってきてくれた。
「ドニーズ、これなら、お前も飲めるだろ」
ドニーズはユウキが入れてくれた山ブドウ酒を恐る恐る飲んだ。
「これなら、いけます。おいしいです。すこし味がすっぱいですが」
「そうか、よかったな。レナードも飲めよ」
「はい、わたしもこの口噛みの酒は口に合いませんでした。助かります」
イブは口噛みの酒がとてもおいしいようで
「ばかなやつらだな。そんな安い酒を好んで飲むとは、この時代でこの口噛みのお酒はとても希少であいつらもよほどのことがない限り、飲む事はないんだぞ」
マリはお酒を飲んだ事がないので、暖かいお茶のような麦茶のような不思議な飲み物を飲んでいた。そして、皆で今後のことを話しはじめた。
「マリ、これからどうする?この時代にいれば、いるほど、歴史はくるい、僕の感だが、もう新しい平行世界に僕達は移動して、この世界の未来は僕達の想像ができないほど変化していると思うよ」
イブはまた、ユウキの細かい話が始まったと思い、さえぎるように
「お前はさ、もう起きてしまったことをいちいち、細かく言ってどうするんだ。それより、マリはこの時代で生きていくのか?それとも未来の世界で生きたいのか?」
マリはドニーズやレナードを見て
「レナードはどう?この世界で生きていくことをどう思う?」
マリは自分のことより、他の人の意見を聞いた。
「私ですか?この世界で生きていく事は大変厳しいと思っていましたが、イブさんが住まいを用意していただき、未来の世界の様な衣食住ができるのなら、この世界に残り、
この時代の世界を見て廻りたいと思っています。ユウキ兄さんの話が本当で未来の世界が大きく変わっていて、かつての世界がないのなら、未来に戻ってもすることはありませんし」
「ドニーズはどう?」
「私もレナードに同意見です。治安情報局はもちろん、未来ではフランスがないかもしれないんですよね。それなら、戻ってもしょうがないですよ」
「そっか~、私はやっと友達もできて、高校生活をもっと楽しみたかったな~絵だってぜんぜん描けなかったし~同じ世界が存在するなら、すぐにでも戻りたいよ。でも、未来にすぐに戻りたいと言ったって、どっちにしても、もう戻れないでしょ」
イブは笑いながら
「アハハハ、過去は行けないが、未来になら、行けるぞ。それには二通りの方法がある」
「え~帰る方法があるの?」
「もちろんだ。そこにいるユウキにはできないが、私にはできるぞ」
また、ユウキを見下したように勝ち誇ってイブは話し始めた。
「まずは、宇宙船により帰る方法だが、それには、宇宙空間での急激な力の作用が必要だ。光速を超えるスピードでその大きな力により生じた空間の歪みに進入、一瞬で未来に到達できる」
「すごいね」
「だが、この方法だと、大まかな時間軸にしか戻れない、この星系では、この大きな作用を持つ力は太陽のフレア爆発だが、これは月のサターンマザーシステムにより、発生を予測できるが、多少のずれがどうしても生じる。つまり、我々がいなくなった瞬間にピンポイントで戻る事はできない、同じ時間軸に、我々が存在するパンデミックは起こせないから、ある程度の余裕を見るから、少なくて数十年、時間がずれる場合がある」
「え~それじゃ、その方法で戻ったら、例えば同級生の祥子がおばあちゃんになっているかもしれないってこと」
「そういうことだ」
マリはニヤっと笑い、
「アハハハ、それはそれで、祥子おばあちゃんも見てみたいけどね」
「マリ、笑いごとではないぞ、このユウキや私もそうだが、そんな長い時間、我々がいなければ、恐らく地球人はこの宇宙から消滅しているだろう」
ユウキは興奮した顔でイブを睨み
「イブ!お前は地球人に言ってはならない事を言ったな」
イブはユウキを睨み
「アホか!こんな時代に飛ばされ、我々の世界も消滅した今、隠し事をしてどうなるか!それよりも、皆で正確な情報の元、どう動くのかを考えることが優先だろうが」
マリはユウキを睨み
「ユウキ、地球人が消滅するってどういうことなの?」
ユウキは困った顔で皆を見た。
「神人よ、私達を救い出してくれて、感謝いたします」
村人全員がマリ達を神のように崇めている姿を見て
「皆さん、私達は神ではありません。みなさんと同じ人間ですよ」
「いんや、あなた様は神です。あんな空に飛んで行ったり、姿も見せずにこいつらを倒してしまうんですから」
「いいから、もう拝むのはやめて、けが人や、この荒れた状態を片付けましょう。それとこの盗賊じゃなかった、役人も全員しばってください」
マリは率先して、蔵に荷物の片づけを手伝ったり、けが人をユウキに見させたりした。
そんな様子を見ていたドニーズ中尉は
「レナード、我々は現地語も話せないし、どうやら、ここではお荷物のようですね」
「ハハハ、そうだな、しかし、1800年前の世界が本当ならばアメリカは原住民しかおらず、存在せず、ヨーロッパではローマ帝国、日本の近隣諸国ではたしか、3国志の時代だな~、観光ツアーでもあれば、ぜひ、この目でその時代を見てみたいな」
「そうですね。それを考えるとすごいですよね。でも、あまり、あちこちに行くと本当に歴史が大きく変わってしまいますから、ここではユウキさんやイブさんの指示に従うしかないですよ。絶対」
「そうだな、なにしろ、ここでは我々が話す英語やフランス語は蛮族が話す、地方言語のひとつに過ぎないからな」
村の片付けも終わり、びりゃねじいさんはどうやら、この村の村長のような人で皆に声をかけ、マリ達をおもてなしするように声をかけた。
「神人、こちらに座って、お休みください。村の者のケガを治してくれたり、片付けまで手伝ってもらい、本当にありがとうございます。今、食事の用意をしますから、少しお待ち下さい」
マリ達5人は村の中央にあるワラでできた大きなパラソルのようなところに案内され、
とても大きい大木を切った、長椅子に座った。
「でも、不思議だな~ここは、盗賊のような、役人とのいざこざはあったけど、村人たちは、みんな仲良しだな~さっきからみていると、誰一人、いじめたり、仲間外れにしたりしないで、みんなが協力して生きているね」
「ハハハ、マリそれはそうだよ。この時代はあまり、身分だとか、お金持ちだとか、見た目がきれいで私はすごいとか、そういった概念はないからね。同じ村の者は全員平等で、ひとりひとりがそれぞれの役目をこなす、一生懸命やらなければ、村のみんなに迷惑がかかり、生きていけなくなる。そういう意味ではすばらしい時代ともいえるね」
「すごいな~、未来の私達の時代とは、大違いだね」
そんな話をしていたら、若い女性と小さい子供が4人ほどマリに近づいて来た。
マリの前で4人は膝をついて
「神人、さっきはありがとうございました。この首飾りをもらってください。皆で考えたけど、私達が一生懸命作った。この首飾りがあなたに一番だと思って」
マリはとても時間をかけて、作ったと思われる首飾りを見て
「こんなきれいな物をいただいてもいいんですか」
「もちろんです。村のみんなを助けてくれて、こんな物しか渡せないですが」
「とんでもないです。いただきます。ありがとう」
マリが首飾りを気に入ってくれたのを子供達は笑顔で喜んでいた。
「よかったな。マリ、この村のやつらは本当にやさしく、気の良い者ばかりだな~」
少しして、ひみゃこがマリ達に食事を運んできてくれた。それとお酒もあった。
「マリ、いえ、神人、この村の巫女ひみゃこがお食事と神様のお好きな、口噛みのお酒をお持ちしました。たくさん、ありますので、ごゆるりと食されてください」
きれいな土器に盛り付けされた食事や飲み物を見て、マリはうれしそうに
「こんなにありがとう。でも、村の人達も、ここで一緒に食べましょう」
「いえ、そんな恐れ多い事はできません。少し離れたところで、私達は食事をしますので、なにかあったら、お手を上げて、お呼びください」
「あれ、ひみゃこ、なんか、急に言葉使いが良くなったね」
「さきほどは下々の言葉を使い、失礼しました」
ひみゃこはおじきをして、少し離れた、村人が集まり、食事をしているところに歩いていった。マリ達は食事をしながら、この時代の食べ物を堪能した。
「ユウキさん、このお酒はなんですか?とても日本酒とは違い、かなり濁っているようですが」
「これは、米からできた、日本酒の元になるにごり酒だ。これからだいぶ年代がたって、精製技術が進歩し透明な日本酒になるんだ。この酒はこれから1000年以上はたいして変わらないよ。でも、こんな年代なのに、お酒はとても良くできていると思うよ」
「そうなんですか。自分にはあまり、口に合いませんが」
「それなら、ワインの味に近い、山ブドウ酒があるはずだ」
ユウキは村人に手を上げて山ブドウ酒を持って来てほしいと頼んだ。
「神人、そんなお酒でよろしいのですか。山ブドウ酒なら、私達がよく飲んでいる者ですが」
「かまわないよ。悪いが少しいただけるかな」
「もちろんです。たくさんありますから」
しばらくして大きな花瓶のような土器の入れ物にたっぷり入れて持ってきてくれた。
「ドニーズ、これなら、お前も飲めるだろ」
ドニーズはユウキが入れてくれた山ブドウ酒を恐る恐る飲んだ。
「これなら、いけます。おいしいです。すこし味がすっぱいですが」
「そうか、よかったな。レナードも飲めよ」
「はい、わたしもこの口噛みの酒は口に合いませんでした。助かります」
イブは口噛みの酒がとてもおいしいようで
「ばかなやつらだな。そんな安い酒を好んで飲むとは、この時代でこの口噛みのお酒はとても希少であいつらもよほどのことがない限り、飲む事はないんだぞ」
マリはお酒を飲んだ事がないので、暖かいお茶のような麦茶のような不思議な飲み物を飲んでいた。そして、皆で今後のことを話しはじめた。
「マリ、これからどうする?この時代にいれば、いるほど、歴史はくるい、僕の感だが、もう新しい平行世界に僕達は移動して、この世界の未来は僕達の想像ができないほど変化していると思うよ」
イブはまた、ユウキの細かい話が始まったと思い、さえぎるように
「お前はさ、もう起きてしまったことをいちいち、細かく言ってどうするんだ。それより、マリはこの時代で生きていくのか?それとも未来の世界で生きたいのか?」
マリはドニーズやレナードを見て
「レナードはどう?この世界で生きていくことをどう思う?」
マリは自分のことより、他の人の意見を聞いた。
「私ですか?この世界で生きていく事は大変厳しいと思っていましたが、イブさんが住まいを用意していただき、未来の世界の様な衣食住ができるのなら、この世界に残り、
この時代の世界を見て廻りたいと思っています。ユウキ兄さんの話が本当で未来の世界が大きく変わっていて、かつての世界がないのなら、未来に戻ってもすることはありませんし」
「ドニーズはどう?」
「私もレナードに同意見です。治安情報局はもちろん、未来ではフランスがないかもしれないんですよね。それなら、戻ってもしょうがないですよ」
「そっか~、私はやっと友達もできて、高校生活をもっと楽しみたかったな~絵だってぜんぜん描けなかったし~同じ世界が存在するなら、すぐにでも戻りたいよ。でも、未来にすぐに戻りたいと言ったって、どっちにしても、もう戻れないでしょ」
イブは笑いながら
「アハハハ、過去は行けないが、未来になら、行けるぞ。それには二通りの方法がある」
「え~帰る方法があるの?」
「もちろんだ。そこにいるユウキにはできないが、私にはできるぞ」
また、ユウキを見下したように勝ち誇ってイブは話し始めた。
「まずは、宇宙船により帰る方法だが、それには、宇宙空間での急激な力の作用が必要だ。光速を超えるスピードでその大きな力により生じた空間の歪みに進入、一瞬で未来に到達できる」
「すごいね」
「だが、この方法だと、大まかな時間軸にしか戻れない、この星系では、この大きな作用を持つ力は太陽のフレア爆発だが、これは月のサターンマザーシステムにより、発生を予測できるが、多少のずれがどうしても生じる。つまり、我々がいなくなった瞬間にピンポイントで戻る事はできない、同じ時間軸に、我々が存在するパンデミックは起こせないから、ある程度の余裕を見るから、少なくて数十年、時間がずれる場合がある」
「え~それじゃ、その方法で戻ったら、例えば同級生の祥子がおばあちゃんになっているかもしれないってこと」
「そういうことだ」
マリはニヤっと笑い、
「アハハハ、それはそれで、祥子おばあちゃんも見てみたいけどね」
「マリ、笑いごとではないぞ、このユウキや私もそうだが、そんな長い時間、我々がいなければ、恐らく地球人はこの宇宙から消滅しているだろう」
ユウキは興奮した顔でイブを睨み
「イブ!お前は地球人に言ってはならない事を言ったな」
イブはユウキを睨み
「アホか!こんな時代に飛ばされ、我々の世界も消滅した今、隠し事をしてどうなるか!それよりも、皆で正確な情報の元、どう動くのかを考えることが優先だろうが」
マリはユウキを睨み
「ユウキ、地球人が消滅するってどういうことなの?」
ユウキは困った顔で皆を見た。
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