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フランス日常編
132話 マリの助っ人
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「マリ~、やっぱりだめだったよ~」
「今度はどうしたのクララ」
「うん、あの子は家に引きこもりで、全く家から出ないのよ。学校でいじめられたのが、原因ではあるけど、自分より知識がない者には特に話をしたがらないみたい」
「知識って勉強かしら?」
「違うわよ。家に会いに行っても、IT関係、特にパソコンについての知識をいつも
ひけらかして、答えられないと、すぐに帰れの一点張りなの、だから、また、イブかユウキに来てもらいたいんだけど」
「また~」
「そんなこと言ったてさ、カトリーヌも勉強はできるけど機械音痴だし、私なんてもっとダメでしょ」
「う~ん、なんとか自分たちで知り合いを見つけるなりして、協力してもらったら?」
「だって、あいつは学校でも右に出る者がいないくらいパソコンに詳しいのよ。知り合いなんていないわ絶対」
隣で聞いていたイブも
「マリ、別に主人の指示なら、また行くのはかまわないが、こんなことをやっていたら、人類や世界の平和でなく、この学校だけが平和になるだけだぞ。ユウキの言う通りなら、人類は近いうちになにもしなければ滅亡してしまうのに、学校が平和になっても人類が滅亡すれば元も子もないだろ」
そんなことを言っていると今度カトリーヌがマリに向かって走ってきた。
「いた~マリ、この間のさ、いじめられてた子を助けたのはいいんだけど、今度はそのいじめていた子のお兄さんが出てきて、大学でも総合格闘技をやっていて、ものすごく強くて、仲間も多くて、逆に私、闘って負けっちゃたの。『もう、うちの弟に関わるな』だって、マリ~お願いだから、あいつらを懲らしめてやって、私じゃ無理だよ~」
「え~、また~この間は警察官の強い人で今度は大学生の格闘家かあ~、ふ~」
また、隣にいたユウキが
「マリ、こんなことしていたら、また、カミーユ大尉達に帰りが遅いと言われるぞ、
今日は、セドリックが造った新型コミュニケーターを使った模擬訓練をするんだろ、時間なんてないぞ」
マリは、経験もない、クララやカトリーヌでは結局なにもできずに、まるで伝書鳩のように、毎日、自分のところに飛んできているだけで、結局、すべて、マリ達が解決していた。これなら、最初から、我々でやった方が早いと思った。しかし、自分から、このチームを立ち上げて、仕事をさせている手前、マリから、もうやめようとは言えず困っていた。カトリーヌとクララはマリに言い寄り
「マリ、また、お願い」
と決まり文句のように言ってきた。やはり、高校生の女の子、見た目は大人でも中身は子供、命がけで死に物ぐるいで、その問題と向き合い、この学校内でけでなく、大学や研究所、その他、世の中にはあらゆる分野でのエキスパートがいるのに、すべて、この学校や自分の少ない知り合いを持ち出して、すぐに無理と決めつける。こんな幼く、小さな物差しでしか、問題と向き合うことができなければ、これからもこの状態が続くなと思い、ため息をついた。
「は~、困ったな」
マリが落ち込んでいるのをユウキは見て、急にニヤニヤとした。
「何?ユウキ、私が悩んでいるのを見て楽しいの?」
「え、そんなことはないよ」
「うそ、ほらっ、また笑った、もう、ユウキも最近イブに似てきたんじゃない」
「まさか、イブのようになったら、終わりだろ、一緒にしないでくれ」
「ユウキ、お前、何か隠し事をしているな。お前は正直ではないからな、相変わらず
イライラさせるやつだ」
また、ユウキは笑った。
「もう、いいよ。ユウキなんて、本当に冷たいんだから」
「さ~て、そろそろ来る頃かな」
「何?また、だれか来るの?もう、無理だよ。これ以上、相手してられないよ。ユウキ勝手に相談を受けないでよ。今はカトリーヌやクララの問題に対応するので、手いっぱいなんだから、とりあえず帰ってもらってよ」
その時、マリの後ろから、大きい声の日本語で
「あんたね~どうしても来てほしいっていうから、わざわざ来てあげたのに、帰れってなに、本当、あんたは私をイライラさせるのが好きよね」
マリは懐かしい声が後ろから聞こえて、うれしくて、振り返って抱き着いた。
「祥子!」
「やめてよ。気持ち悪い。そんなに強く抱きしめないで」
マリはうれしくて、目から涙が少し出た。そんな祥子も実はもうれつに嬉しかった。
「どうしたの祥子、こんなところまで」
祥子の後ろから
「マリ、一応、僕もいるんだけど」
「飯沢君!」
飯沢はマリが抱き着いてくる準備の構えをしたが、マリは冷静に握手をした。
「飯沢君もどうしたの?こんなところまで」
「・・・ハグはなしか・・・」
マリはかわいい顔で首をかしげながら、飯沢を見た。
「よくわからないんだけどさ、理事長がマリのフランスの高校に留学して、助けてやってくれって言われてさ、父さんにも、すぐに相談したら、なぜか、知っていて、すぐに『パリまで来い』って言われてさ、でも変だよな、その1週間前に相談した時は『留学なんてふざけるな』なんて言っておいて、今度はすぐに来いだなんて、まあ、大好きなマリに会えるんだから、どうでもいいけどね」
マリはまだニヤニヤしているユウキを見て
「もしかして、ユウキが手配してくれたの?」
「そうだよ。ふ~全く、マリには世話が焼けるよ。知ってるかい、祥子と飯沢やその仲間は美波高校の救世主なんて言われて、学校のいじめや家庭での悩み、また、恋の悩みなんかも、瞬く間に解決して、学校では次期生徒会長なんて言われているんだよ」
「へ~、知らなかった」
祥子は不機嫌そうに
「私も世界は無理でもせめて、身近な学校は平和にしようと決めたの、例え小さなことでも、困っている人を助けることは、とても大切だからね」
「すごいね~祥子、やっぱり、責任感が強いんだね」
飯沢は笑いながら
「マリ~あのね、祥子は前にしづこの家の問題を解決したでしょ。あれで病みつきになってしまって、人を助ける快感に目覚めてしまったんだよ」
「あんた、人を変態みたいに言わないでくれる」
「違うよ。ほめているんだよ」
イブもうれしそうに
「ハハハ、マリ、持つべきものは友だな、祥子やこの飯沢なら、我々の変わりにクララとカトリーヌの面倒もばっちり、見てくれそうじゃないか」
飯沢は金髪の超絶美人のイブが流暢な日本語で話しに入ってきたのに驚き
「はあ~うわさには聞いていたけど、イブさんは本当にお綺麗ですね」
すかさずユウキが
「飯沢、気を付けろ、見た目はいいが、性格は最低だ」
「お前はうるさいんだよ。この秘密人間が、だいたい、二人が来るのが分かっていて、なんで私やマリに言わない」
「すぐに言ったら、マリのためにならないと思ったからだよ」
カトリーヌとクララは日本語で皆が話していたので、チンプンカンプンだった。
祥子は
「マリ、今日は入学手続きで寄っただけで、来週からこの学校に通うけど、とりあえず、カトリーヌとクララの件は私達に任せて」
「ありがとう、祥子」
「ありがとうなんて言わなくていいわ、私は自分の使命を全うするだけだから」
マリは祥子は相変わらずの性格だなと思った。
「飯沢君もありがとう」
「任せておいて、僕は、IT関係、ゲーム、パソコン、機械関係は得意とういうか、マニアだから、この分野だけは祥子より優れているからね」
「どうだい、マリ、少しは反省したかな?」
「もう、反省してます。でもありがとうユウキ」
マリは嬉しそうに笑った。
「今度はどうしたのクララ」
「うん、あの子は家に引きこもりで、全く家から出ないのよ。学校でいじめられたのが、原因ではあるけど、自分より知識がない者には特に話をしたがらないみたい」
「知識って勉強かしら?」
「違うわよ。家に会いに行っても、IT関係、特にパソコンについての知識をいつも
ひけらかして、答えられないと、すぐに帰れの一点張りなの、だから、また、イブかユウキに来てもらいたいんだけど」
「また~」
「そんなこと言ったてさ、カトリーヌも勉強はできるけど機械音痴だし、私なんてもっとダメでしょ」
「う~ん、なんとか自分たちで知り合いを見つけるなりして、協力してもらったら?」
「だって、あいつは学校でも右に出る者がいないくらいパソコンに詳しいのよ。知り合いなんていないわ絶対」
隣で聞いていたイブも
「マリ、別に主人の指示なら、また行くのはかまわないが、こんなことをやっていたら、人類や世界の平和でなく、この学校だけが平和になるだけだぞ。ユウキの言う通りなら、人類は近いうちになにもしなければ滅亡してしまうのに、学校が平和になっても人類が滅亡すれば元も子もないだろ」
そんなことを言っていると今度カトリーヌがマリに向かって走ってきた。
「いた~マリ、この間のさ、いじめられてた子を助けたのはいいんだけど、今度はそのいじめていた子のお兄さんが出てきて、大学でも総合格闘技をやっていて、ものすごく強くて、仲間も多くて、逆に私、闘って負けっちゃたの。『もう、うちの弟に関わるな』だって、マリ~お願いだから、あいつらを懲らしめてやって、私じゃ無理だよ~」
「え~、また~この間は警察官の強い人で今度は大学生の格闘家かあ~、ふ~」
また、隣にいたユウキが
「マリ、こんなことしていたら、また、カミーユ大尉達に帰りが遅いと言われるぞ、
今日は、セドリックが造った新型コミュニケーターを使った模擬訓練をするんだろ、時間なんてないぞ」
マリは、経験もない、クララやカトリーヌでは結局なにもできずに、まるで伝書鳩のように、毎日、自分のところに飛んできているだけで、結局、すべて、マリ達が解決していた。これなら、最初から、我々でやった方が早いと思った。しかし、自分から、このチームを立ち上げて、仕事をさせている手前、マリから、もうやめようとは言えず困っていた。カトリーヌとクララはマリに言い寄り
「マリ、また、お願い」
と決まり文句のように言ってきた。やはり、高校生の女の子、見た目は大人でも中身は子供、命がけで死に物ぐるいで、その問題と向き合い、この学校内でけでなく、大学や研究所、その他、世の中にはあらゆる分野でのエキスパートがいるのに、すべて、この学校や自分の少ない知り合いを持ち出して、すぐに無理と決めつける。こんな幼く、小さな物差しでしか、問題と向き合うことができなければ、これからもこの状態が続くなと思い、ため息をついた。
「は~、困ったな」
マリが落ち込んでいるのをユウキは見て、急にニヤニヤとした。
「何?ユウキ、私が悩んでいるのを見て楽しいの?」
「え、そんなことはないよ」
「うそ、ほらっ、また笑った、もう、ユウキも最近イブに似てきたんじゃない」
「まさか、イブのようになったら、終わりだろ、一緒にしないでくれ」
「ユウキ、お前、何か隠し事をしているな。お前は正直ではないからな、相変わらず
イライラさせるやつだ」
また、ユウキは笑った。
「もう、いいよ。ユウキなんて、本当に冷たいんだから」
「さ~て、そろそろ来る頃かな」
「何?また、だれか来るの?もう、無理だよ。これ以上、相手してられないよ。ユウキ勝手に相談を受けないでよ。今はカトリーヌやクララの問題に対応するので、手いっぱいなんだから、とりあえず帰ってもらってよ」
その時、マリの後ろから、大きい声の日本語で
「あんたね~どうしても来てほしいっていうから、わざわざ来てあげたのに、帰れってなに、本当、あんたは私をイライラさせるのが好きよね」
マリは懐かしい声が後ろから聞こえて、うれしくて、振り返って抱き着いた。
「祥子!」
「やめてよ。気持ち悪い。そんなに強く抱きしめないで」
マリはうれしくて、目から涙が少し出た。そんな祥子も実はもうれつに嬉しかった。
「どうしたの祥子、こんなところまで」
祥子の後ろから
「マリ、一応、僕もいるんだけど」
「飯沢君!」
飯沢はマリが抱き着いてくる準備の構えをしたが、マリは冷静に握手をした。
「飯沢君もどうしたの?こんなところまで」
「・・・ハグはなしか・・・」
マリはかわいい顔で首をかしげながら、飯沢を見た。
「よくわからないんだけどさ、理事長がマリのフランスの高校に留学して、助けてやってくれって言われてさ、父さんにも、すぐに相談したら、なぜか、知っていて、すぐに『パリまで来い』って言われてさ、でも変だよな、その1週間前に相談した時は『留学なんてふざけるな』なんて言っておいて、今度はすぐに来いだなんて、まあ、大好きなマリに会えるんだから、どうでもいいけどね」
マリはまだニヤニヤしているユウキを見て
「もしかして、ユウキが手配してくれたの?」
「そうだよ。ふ~全く、マリには世話が焼けるよ。知ってるかい、祥子と飯沢やその仲間は美波高校の救世主なんて言われて、学校のいじめや家庭での悩み、また、恋の悩みなんかも、瞬く間に解決して、学校では次期生徒会長なんて言われているんだよ」
「へ~、知らなかった」
祥子は不機嫌そうに
「私も世界は無理でもせめて、身近な学校は平和にしようと決めたの、例え小さなことでも、困っている人を助けることは、とても大切だからね」
「すごいね~祥子、やっぱり、責任感が強いんだね」
飯沢は笑いながら
「マリ~あのね、祥子は前にしづこの家の問題を解決したでしょ。あれで病みつきになってしまって、人を助ける快感に目覚めてしまったんだよ」
「あんた、人を変態みたいに言わないでくれる」
「違うよ。ほめているんだよ」
イブもうれしそうに
「ハハハ、マリ、持つべきものは友だな、祥子やこの飯沢なら、我々の変わりにクララとカトリーヌの面倒もばっちり、見てくれそうじゃないか」
飯沢は金髪の超絶美人のイブが流暢な日本語で話しに入ってきたのに驚き
「はあ~うわさには聞いていたけど、イブさんは本当にお綺麗ですね」
すかさずユウキが
「飯沢、気を付けろ、見た目はいいが、性格は最低だ」
「お前はうるさいんだよ。この秘密人間が、だいたい、二人が来るのが分かっていて、なんで私やマリに言わない」
「すぐに言ったら、マリのためにならないと思ったからだよ」
カトリーヌとクララは日本語で皆が話していたので、チンプンカンプンだった。
祥子は
「マリ、今日は入学手続きで寄っただけで、来週からこの学校に通うけど、とりあえず、カトリーヌとクララの件は私達に任せて」
「ありがとう、祥子」
「ありがとうなんて言わなくていいわ、私は自分の使命を全うするだけだから」
マリは祥子は相変わらずの性格だなと思った。
「飯沢君もありがとう」
「任せておいて、僕は、IT関係、ゲーム、パソコン、機械関係は得意とういうか、マニアだから、この分野だけは祥子より優れているからね」
「どうだい、マリ、少しは反省したかな?」
「もう、反省してます。でもありがとうユウキ」
マリは嬉しそうに笑った。
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