平和への使者

Daisaku

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フランス犯罪組織編

123話 不思議な連中

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「ブラッドリーあそこ、例の車ですよ」

「そうだな。あの車の後ろにつけてくれ」

「了解」

二人は車から降りて、車の中をのぞいた。

「おい、4人ほどいるぞ、しかも全員拘束されているな」

車を除いている後ろからかわいい声が聞こえた。

「ハロー」

振り向くと一人のかわいい女の子がいた。

「FBIの方ですか。よろしくお願いします。私はマリと言います」

ふたりはかわいい女の子に驚いた様子で

「FBIのブラッドリーです」

「同じくカールです」

本当に15歳くらいの女の子だと思い

「あなたが、捕まえたのですか?」

「はい、そうです」

「副長官から、捜査協力をするように言われたが、あなたのような子供とは、とても協力できそうにないですな」

「どうしてですか?」

「未成年だし、子供と一緒ににあぶない捜査の協力などできないからです」

「そうですか。困りましたね。来月からも大統領をはじめ、各大臣からも、この国でさまざまな協力を依頼されていますが、FBI長官からの依頼もたしかありましたけど、それじゃあ、その件も断っていいですね。あなた達FBIですよね」

「長官から?」

「はい、そうです。どうしても、私達に協力をしてほしいとお願いされてますけど、それじゃあ、ブラッドリーとカールの名前を出して、断りますよ。私、そんな暇じゃないので」

「マリ、勘弁してあげてください。こいつらは、末端の職員、そんな国防や世界の重要な話を知るはずもありませんし、ましてや、フランス治安情報局の責任者がこの国に来るのは、まだ1か月も先のことですから、周知されてないのもしょうがないじゃないですか」

後ろから、老人が現れた。

「おい、副長官からの指示通り、この人に協力しろ、全く、何年かけても成果も出せないやつらがマリはここに来てすぐに犯人を捕まえているというのに、お前達は能無しのくせに態度だけはでかいな」

「なんだと。あんたにそんなこと言われる筋合いはない」

「おいおい、あんまり、私に怒鳴らないでくれ、これでも元大統領なんだから」

ブラッドリーとカールはその老人をよ~く見つめた。

「し・失礼しました。レナード元大統領」

二人は驚いた顔でレナードを見つめた。

「とにかく、話を聞け、色々とあってな、まず、この女性はフランス治安情報局の局長マリ・トビシマだ。この方は、今、世界で最も有能な組織のリーダーで、主要国の首脳などからも
尊敬される方だ。だから見た目で判断するな」

その様子を見ていたドニーズ中尉も

「おい、私はフランス軍ドニーズ中尉だ。お前ら、我々が尊敬する局長に生意気な態度を取りやがって、フランス軍全員を敵に回すつもりか!局長が一声かければ、すぐに我が軍の部隊がここに来て、お前達を拘束することだって、できるんだぞ」

ドニーズ中尉はめずらしく、息を荒げて、怒鳴りまくった。

「失礼しました。そのような方だとは知りませんでしたので、お許しください」

「マリ、同じアメリカ人として、この者達が、無礼な態度を取ってしまい、申し訳ありません。これから、この者達と、誘拐した組織の壊滅に向けて、気を取り直して、ご協力をお願いします」

FBI職員は元大統領のレナードがこの少女にここまで、頭を下げる姿を見て驚いた。

「ごめんなさい。私も言い過ぎたわ。今回は政府には秘密でここに来ているのだから、レナードの言う通りだわ、こちらからも、協力よろしくお願いします」

「よ~し、話も着いたことだし、誘拐組織に行くとしますか。イブどこに行くか説明して」

「お前が仕切るなユウキ、まあ、説明してやる、いいか、こいつらは、軍事用兵器を開発している民間会社の人間だ。ここから20キロほど離れた所にその施設があり、開発しいている兵器の種類によって、誘拐された10名の人間が、そこで働かされている」

「イブさん、どうぞ」

ドニーズ中尉はその施設の詳細をタブレットに出して見せた。

「昼間の時間はこの誘拐された人間は専門分野に分かれバラバラの部署に行くが、17時を過ぎると、この住居区画へ戻される。それぞれが干渉できないようにはなっているが、同じ棟へ移動するため、連れ去るのには好都合だ」

「でも、10人を助けても、また、この会社は同じことを繰り返すでしょ」

「そうだな。そこでだ、この誘拐を指揮しているのはこの会社の社長と複数の幹部達だ、
こいつらも、一緒に拘束し、連れ出したい」

「ちょ・ちょっと待ってください」

「なんで、この4名を拘束しただけで、そんな詳細なことまでわかるのですか?
こいつらだって、そんなにすぐにはしゃべらいなしでしょ」

「ブラッドリー、イブは人間の脳の記憶を見ることができるのよ。だから、間違いないの」

ブラッドリーとカールは何を言っているか、よく理解できなかった。

「それにしても、令状もなしにこの施設入るのは難しいですよ」

「令状?そんな物はいらいないですよ。イブがうまくやりますから」

「おい、ユウキ、さっきから、何を偉そうに仕切っているんだ。お前はダイスケと一緒に車で
昼寝でもしてろ、ここは私がいなければ、何も始まらないのだからな」

「わかった。わかった」

ユウキはそう言って、車の方へ行った。

「まず、マリとドニーズはオリビアと住居棟へ入り、10名をうまく外に誘導してくれ。
私とFBIの二人は、この施設の最上階にいる社長と幹部を外に連れ出す」

「ちょっと待ってください。そんなに簡単に中に入れますか?」

「いちいち、うるさいな、こいつらは、おいドニーズ説明してやれ」

「はい、イブさん、あのな、イブさんはこいつらを洗脳のような形で操ることができるんだ。
だから、我々は来客のような形でどんどん、邪魔されずに中に入ることができるんだ」

「本当ですか!」

「いいから、余計な事は言うなよ。イブさんはデリケートな方だから、ちょっとした失言は地獄をみるぞ」

「でも、マリさん同様、イブもお若いのに、そんな力があるのですか」

「いいから、信じろ、それと、FBIで15人ぐらいが乗れる車両も17時ぐらいまでに用意できるか?」

「はい、もちろん大丈夫です」

「それでは、頼む、それと、犯人を収容できる場所も必要になる。
社長や幹部はすぐにイブさんが尋問して、気持ちのいいぐらい、何でも本当のことを
話してくれるから、録画できる設備も必要になるな」

「そんなこともできるんですか?」

「いちいち、イブさんの能力を疑うようなことを言うな。聞こえたら、大変だぞ」

「すみません。わかりました。用意させます」

ブラッドリーとカールはこんな不思議な連中は見たことも聞いたこともないと思いながら、
準備を始めた。
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