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フランスの友達
108話 憧れと遠慮
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マリ達はは結局ドイツでは10日間ほど、滞在した。
ドイツの首相ブルクハルトには、諸問題を解決したことで、大変喜ばれ、無事、ドイツから解放された。マリは8月に入り、夏休みが始まって1か月以上経つのに、学校の宿題か、治安情報局の任務のどちらかしか、しておらず、全く遊べていないことに、かなりイライラしていた。
それを見てユウキが
「マリ、やっとドイツから解放されたね」
「そうだね」
「どうしたの、ずいぶん機嫌が悪いねマリ」
ドイツ連邦首相官邸からベルリンの三ツ星レストランのディナーに行く途中なのに、マリはどうも気分が良くないようだった。
「ふ~、わたし、まだ、高校1年生なのに、なんで、毎日こんなことしているのか、最近わからなくなってきっちゃった。たしかに、たくさんの人に尽くしたり、助けたりできることは
うれしいけど、私の高校生活はどうなっちゃったの。本当に悲しくなってきた。
まだ、学校でも話せる人はいるけど、友達だって、できていないのに」
隣でイブは、これから、美味しいごはんと美味しいお酒にありつけるので、ご機嫌だった。
「あ、そうだ。さっき、マリが首相と話している時にポーラから連絡があったんだ」
「ポーラ?」
「なんだか、また、同じクラスのパスカルがポーラの家に来たとか言っていたな」
「なんか、あのパスカルって、少し気持ち悪いよね。私達の後を付け回して」
「そうだな、だけど、なにか用があるような感じだったみたいだ」
「ふ~ん、なんだろう。パスカルは別として、私、クラスの子達と遊びたいな~」
「そうかあ、私はマリと色々なところに行けて、毎日、楽しいけどな」
「マリ、ドイツの件が早く片付いたし、次に行くアメリカは9月中頃からだから、しばらく高校生できると思うよ。今日、フランスに帰ったら、クラスの子にでも連絡してみたらどうだい」
「うん、電話してみる」
そんな話をしている時にイブに連絡が来た。
「イブ」
「お~ポーラか」
「マリは首相との話は終わったの?」
「終わったぞ、今は車で移動中だ」
「よかった、じゃあ、マリに変わって」
「マリ、ポーラが話をしたいんだって」
イブはスマートウォッチをスピーカーにして
「マリ、聞こえますか?」
「ポーラ聞こえるわ」
「はあ~、やっと話せました。用件を簡潔に言います。さきほど、パスカルが私の家に来て、マリ達3人と私の家でパーティをしたいそうです」
「え~、パーティ、パスカルと・・・・」
「はい、そうです」
「結構です。はっきり言ってパスカルはストカーみたいだし、クラスでもどっちかというとオタク系だから」
「では、断りますね」
「はい、お願いします」
「あ、そうだ、なんかパスカルはパーティーができるなら、クラスの子をできる限り呼ぶとも言ってましたけど、まあ、マリはもう治安情報局の局長だし、大人の女性だから、高校生になんか興味ないですもんね。私からうまく断っておきますよ」
「待って!」
「どうしました?ご自分で断りますか」
「クラスの他の子が来るなら、絶対に行くわ。断らないで」
「そうなんですか。私はてっきり、高校生にはあまり興味がないと思っていましたが」
「ポーラ、パスカルの連絡先を教えて、私が直接話すから」
「はい、わかりました。では、番号を送りますので連絡をしてください。それと今週土曜日は
この邸宅は貸し切りでかまいませんので、ご自由にお使いください」
「ありがとう、ポーラ」
隣で話を聞いていたユウキはうれしそうに笑った。
少しして、マリはパスカルと連絡を取り、今週の土曜日にパーティーに行くことになった。
次の日、パスカルは同じクラスの男子にに連絡を取った。
そして、親友とパーティの件を打ち合わせするため、近くのカフェで話をした。
「パスカル、まじかよ。イブがパーティに来るって」
「あ~本当だ」
「お前よくあの超絶美人の気難しいイブを誘えたな、こりゃあ、かなりの男子が集まるぞ」
「まあ、僕にかかれば、たいしたことないよ。それより、女子はどうしたらいいかな。なんか、ユウキも来るって言ってるんだよな」
「そうだな、ユウキに女子が取られるのは気にいらないけど、たくさん女子が来れば、華やかだし、絶対楽しいよな。お前、知っているかもしれないけど、あの二人にはファンクラブみたいな集まりもあるみたいだからな。そういえば、当然、マリも来るんだろ」
「そりゃあ、来るさ、っていうか、マリが来るから、あの二人も来るんだけどな」
「な~んか、あの3人はクラスでも近づきがたいよな。マリもそれなりにかわいいから、結構男子に人気があるし、マリはスポーツ、ユウキとイブは信じられないくらい頭が良くて、
あの中に入るのは本当、難しいし、声をかけるのも遠慮しちゃうよな」
「そうだな~」
「さて、それじゃあ女子に連絡したいけど、ジョセフは誰か連絡先わかるか?」
「なんだ、お前、クラスの女子の連絡先もわからないの」
「しょうがないだろ、何回か声をかけたけど、ぜんぜん相手にしてくれないんだ」
「ハハハ、情けないな」
「で、だれの連絡先を教えてくれるんだい」
「・・・実は、オレも知らないんだよな。でも、カトリーヌだったら、よく近くの施設で空手を習っているから、話はできると思うけど」
「え!あのイブの次に学校で人気があるカトリーヌか!」
「そうだよ」
「すごいな」
「まあ、オレと彼女は近所で顔見知りだからな」
「近所で顔見知りで連絡先も知らないって、それどういうこと?」
「いいだろ、中学ぐらいから、あまり口を聞いてくれなくなってさ、まあ、オレは彼女と違って運動も勉強もいまいちだし、見た目もぱっとしないからな」
「でも、今日なら、たしか、13時くらいから空手の練習があった思う」
「じゃあ、その前に捕まえて、パーティーに誘ってくれよ」
「オレ一人じゃ無理、でも、パスカルが来ても、たぶん無視されるのが落ちだな・・・
困ったな」
「お前、そういうこというなよ」
「本当に興味のない人には話さないんだよ。でも、お前クラスの他の女子とまともに話したことあるのかよ」
「・・・ないよ」
「カトリーヌはさ、おやじさんから、前に聞いたんだけどさ、勉強でも空手でも自分より上の人でないとあまり興味がないみたいなんだよね」
「まじかよ。マリ達3人がいるから、あまり学校では目立ってないけど、彼女も勉強にスポーツにしたってすごいからな~」
「パスカル、ちょっと待てよ。お前さ~誰と連絡してイブとユウキを誘えたんだよ」
「え、マリだよ。なんか、電話でさマリは学校と違ってさ、すごい、うれしそうな声をだして、楽しみにしている、な~んて言ってたからな」
「それだ!」
「ん?」
「マリだよ。マリにさ、カトリーヌを説得してもらってさ、それで、クラスの女子を呼んでもらえばいいんだよ」
「そんなうまくいくかな」
「大丈夫さ、カトリーヌは強いから、昔から、同級生の女の子が変な男や、いじめられたりしたら、すぐに助けてあげて、意外に彼女は学校でも女子に人気あるんだよ」
「いや、それは知っているよ。マリの方だよ」
「マリ?」
「そうさ、いくら運動ができたって、スポーツと格闘は違うからね」
「でも、頼むしかないよ、マリに」
今日は水曜日、今週の土曜日まで時間もないことから、パスカルはすぐにマリに電話した。
「プルル・・・」
「はい」
「あ、マリ、パスカルだけど」
「パスカル?どうしたの」
「あのさ、急で悪いんだけど、今日の午後時間あるかな?お願いがあるんだよ」
「お願い?」
「うん、今度の土曜日のパーティの件だけど、クラスの男子はほとんど来れそうなんだけど、女子となかなか連絡が取れなくて、マリに声をかけてほしい人がいるんだ。だめかな?」
「だれ?」
「カトリーヌだよ」
「え~、あのクラスでも無口なカトリーヌ!」
「それとも、マリから、クラスの他の女子を誘うことってできるかな?」
「え~、無理だよ。私まだ、親しい友達いないから」
「じゃあ、頼むよ。今10時過ぎだけど、13時にカトリーヌは高校の近くの武道施設に行くからさ」
「武道施設?カトリーヌは何か武道でもしているの?」
「うん、空手だよ。それもかなり強いみたい、マリは日本人だから、空手はしたことあるかな?」
「もちろん」
「本当!強いマリ?」
「どうかな。相手にもよるけど、弱くはないと思うよ」
「できれば、カトリーヌより強いと話が早いんだけど・・・」
「なんで」
「う~ん、カトリーヌは不思議な子で、自分より強い人の話しか、まともに聞かないところがあるんだよ」
「そうなんだ、別にいいよ。今日は13時なら時間も取れるし、行ってあげても」
「え、本当、じゃあ、高校の前にそうだな12時45分に待ち合わせでどうかな。僕とジョセフの二人で待っているから」
「わかったわ、準備して行くわ」
ドイツの首相ブルクハルトには、諸問題を解決したことで、大変喜ばれ、無事、ドイツから解放された。マリは8月に入り、夏休みが始まって1か月以上経つのに、学校の宿題か、治安情報局の任務のどちらかしか、しておらず、全く遊べていないことに、かなりイライラしていた。
それを見てユウキが
「マリ、やっとドイツから解放されたね」
「そうだね」
「どうしたの、ずいぶん機嫌が悪いねマリ」
ドイツ連邦首相官邸からベルリンの三ツ星レストランのディナーに行く途中なのに、マリはどうも気分が良くないようだった。
「ふ~、わたし、まだ、高校1年生なのに、なんで、毎日こんなことしているのか、最近わからなくなってきっちゃった。たしかに、たくさんの人に尽くしたり、助けたりできることは
うれしいけど、私の高校生活はどうなっちゃったの。本当に悲しくなってきた。
まだ、学校でも話せる人はいるけど、友達だって、できていないのに」
隣でイブは、これから、美味しいごはんと美味しいお酒にありつけるので、ご機嫌だった。
「あ、そうだ。さっき、マリが首相と話している時にポーラから連絡があったんだ」
「ポーラ?」
「なんだか、また、同じクラスのパスカルがポーラの家に来たとか言っていたな」
「なんか、あのパスカルって、少し気持ち悪いよね。私達の後を付け回して」
「そうだな、だけど、なにか用があるような感じだったみたいだ」
「ふ~ん、なんだろう。パスカルは別として、私、クラスの子達と遊びたいな~」
「そうかあ、私はマリと色々なところに行けて、毎日、楽しいけどな」
「マリ、ドイツの件が早く片付いたし、次に行くアメリカは9月中頃からだから、しばらく高校生できると思うよ。今日、フランスに帰ったら、クラスの子にでも連絡してみたらどうだい」
「うん、電話してみる」
そんな話をしている時にイブに連絡が来た。
「イブ」
「お~ポーラか」
「マリは首相との話は終わったの?」
「終わったぞ、今は車で移動中だ」
「よかった、じゃあ、マリに変わって」
「マリ、ポーラが話をしたいんだって」
イブはスマートウォッチをスピーカーにして
「マリ、聞こえますか?」
「ポーラ聞こえるわ」
「はあ~、やっと話せました。用件を簡潔に言います。さきほど、パスカルが私の家に来て、マリ達3人と私の家でパーティをしたいそうです」
「え~、パーティ、パスカルと・・・・」
「はい、そうです」
「結構です。はっきり言ってパスカルはストカーみたいだし、クラスでもどっちかというとオタク系だから」
「では、断りますね」
「はい、お願いします」
「あ、そうだ、なんかパスカルはパーティーができるなら、クラスの子をできる限り呼ぶとも言ってましたけど、まあ、マリはもう治安情報局の局長だし、大人の女性だから、高校生になんか興味ないですもんね。私からうまく断っておきますよ」
「待って!」
「どうしました?ご自分で断りますか」
「クラスの他の子が来るなら、絶対に行くわ。断らないで」
「そうなんですか。私はてっきり、高校生にはあまり興味がないと思っていましたが」
「ポーラ、パスカルの連絡先を教えて、私が直接話すから」
「はい、わかりました。では、番号を送りますので連絡をしてください。それと今週土曜日は
この邸宅は貸し切りでかまいませんので、ご自由にお使いください」
「ありがとう、ポーラ」
隣で話を聞いていたユウキはうれしそうに笑った。
少しして、マリはパスカルと連絡を取り、今週の土曜日にパーティーに行くことになった。
次の日、パスカルは同じクラスの男子にに連絡を取った。
そして、親友とパーティの件を打ち合わせするため、近くのカフェで話をした。
「パスカル、まじかよ。イブがパーティに来るって」
「あ~本当だ」
「お前よくあの超絶美人の気難しいイブを誘えたな、こりゃあ、かなりの男子が集まるぞ」
「まあ、僕にかかれば、たいしたことないよ。それより、女子はどうしたらいいかな。なんか、ユウキも来るって言ってるんだよな」
「そうだな、ユウキに女子が取られるのは気にいらないけど、たくさん女子が来れば、華やかだし、絶対楽しいよな。お前、知っているかもしれないけど、あの二人にはファンクラブみたいな集まりもあるみたいだからな。そういえば、当然、マリも来るんだろ」
「そりゃあ、来るさ、っていうか、マリが来るから、あの二人も来るんだけどな」
「な~んか、あの3人はクラスでも近づきがたいよな。マリもそれなりにかわいいから、結構男子に人気があるし、マリはスポーツ、ユウキとイブは信じられないくらい頭が良くて、
あの中に入るのは本当、難しいし、声をかけるのも遠慮しちゃうよな」
「そうだな~」
「さて、それじゃあ女子に連絡したいけど、ジョセフは誰か連絡先わかるか?」
「なんだ、お前、クラスの女子の連絡先もわからないの」
「しょうがないだろ、何回か声をかけたけど、ぜんぜん相手にしてくれないんだ」
「ハハハ、情けないな」
「で、だれの連絡先を教えてくれるんだい」
「・・・実は、オレも知らないんだよな。でも、カトリーヌだったら、よく近くの施設で空手を習っているから、話はできると思うけど」
「え!あのイブの次に学校で人気があるカトリーヌか!」
「そうだよ」
「すごいな」
「まあ、オレと彼女は近所で顔見知りだからな」
「近所で顔見知りで連絡先も知らないって、それどういうこと?」
「いいだろ、中学ぐらいから、あまり口を聞いてくれなくなってさ、まあ、オレは彼女と違って運動も勉強もいまいちだし、見た目もぱっとしないからな」
「でも、今日なら、たしか、13時くらいから空手の練習があった思う」
「じゃあ、その前に捕まえて、パーティーに誘ってくれよ」
「オレ一人じゃ無理、でも、パスカルが来ても、たぶん無視されるのが落ちだな・・・
困ったな」
「お前、そういうこというなよ」
「本当に興味のない人には話さないんだよ。でも、お前クラスの他の女子とまともに話したことあるのかよ」
「・・・ないよ」
「カトリーヌはさ、おやじさんから、前に聞いたんだけどさ、勉強でも空手でも自分より上の人でないとあまり興味がないみたいなんだよね」
「まじかよ。マリ達3人がいるから、あまり学校では目立ってないけど、彼女も勉強にスポーツにしたってすごいからな~」
「パスカル、ちょっと待てよ。お前さ~誰と連絡してイブとユウキを誘えたんだよ」
「え、マリだよ。なんか、電話でさマリは学校と違ってさ、すごい、うれしそうな声をだして、楽しみにしている、な~んて言ってたからな」
「それだ!」
「ん?」
「マリだよ。マリにさ、カトリーヌを説得してもらってさ、それで、クラスの女子を呼んでもらえばいいんだよ」
「そんなうまくいくかな」
「大丈夫さ、カトリーヌは強いから、昔から、同級生の女の子が変な男や、いじめられたりしたら、すぐに助けてあげて、意外に彼女は学校でも女子に人気あるんだよ」
「いや、それは知っているよ。マリの方だよ」
「マリ?」
「そうさ、いくら運動ができたって、スポーツと格闘は違うからね」
「でも、頼むしかないよ、マリに」
今日は水曜日、今週の土曜日まで時間もないことから、パスカルはすぐにマリに電話した。
「プルル・・・」
「はい」
「あ、マリ、パスカルだけど」
「パスカル?どうしたの」
「あのさ、急で悪いんだけど、今日の午後時間あるかな?お願いがあるんだよ」
「お願い?」
「うん、今度の土曜日のパーティの件だけど、クラスの男子はほとんど来れそうなんだけど、女子となかなか連絡が取れなくて、マリに声をかけてほしい人がいるんだ。だめかな?」
「だれ?」
「カトリーヌだよ」
「え~、あのクラスでも無口なカトリーヌ!」
「それとも、マリから、クラスの他の女子を誘うことってできるかな?」
「え~、無理だよ。私まだ、親しい友達いないから」
「じゃあ、頼むよ。今10時過ぎだけど、13時にカトリーヌは高校の近くの武道施設に行くからさ」
「武道施設?カトリーヌは何か武道でもしているの?」
「うん、空手だよ。それもかなり強いみたい、マリは日本人だから、空手はしたことあるかな?」
「もちろん」
「本当!強いマリ?」
「どうかな。相手にもよるけど、弱くはないと思うよ」
「できれば、カトリーヌより強いと話が早いんだけど・・・」
「なんで」
「う~ん、カトリーヌは不思議な子で、自分より強い人の話しか、まともに聞かないところがあるんだよ」
「そうなんだ、別にいいよ。今日は13時なら時間も取れるし、行ってあげても」
「え、本当、じゃあ、高校の前にそうだな12時45分に待ち合わせでどうかな。僕とジョセフの二人で待っているから」
「わかったわ、準備して行くわ」
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