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フランス治安情報局
66話 学校と任務
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フランスの高校に通いだして、もう2か月がたとうとしていた。マリはフランスの風習や学校生活にとまどいながらも、なんとか、慣れてきて、学校でも友達も作ることができた。特にマリといつも一緒にいる、ユウキやイブは先日の試験でも最高得点を取り、クラスの生徒や学校の先生にまで、一目を置かれる存在になっていた。マリは試験ではあまり良い点は取れなかったが特に体育の授業では、とびぬけて優秀で、マリに陸上や体操や様々な競技、どれをとっても、信じられないくらいの能力があり、
この学校では、この3人を『ヘンリ高校 三銃士』なんて言われ始めていた。
そんなある日の昼休み、午後から体育の授業があるため、早めにこの三銃士がグランドの隅の方にいるのを教室から同じクラスのパスカルが眺めていた。
「マリ~、マリってさあ、本気で走ったら、どれくらい早いの?この間もさ、わざと、スピード落として、走ってたよね」
「う~ん、おばあちゃんに、お前は目立ちすぎると、みんな気味悪がられるから、人と合わせるようにって、いつも言われてたから」
「ふ~ん、でもさ、今はさ、ユウキと私しかいないんだからさ、ちょっと、見せてよ」
「え~、人に合わせるように言われてきたからな~」
「マリ、私もユウキも人じゃないから大丈夫よ。ほら、今ここには誰もいないもの」
ユウキも
「別にイブが言ってるからじゃないけど、僕も随分前から、マリの体力がどれくらいあるのか、見たかったんだ。やはり、僕たちはチームだからね、お互いの能力は知っておきたいしね」
「う~ん、じゃあ、この100m1回だけね。その代わり、ユウキお願いがあるんだけど」
「なに?」
「え~とね、私が走ったあと、これと同じような靴と靴下をあっちの売店で買ってきてくれる」
「え、だって、それ、先週、買い替えたばかりだよね」
「そうだけど、いつも、思い切り走ると摩擦で靴底がすべてなくなちゃうんだよね」
マリは笑って二人を見た。イブもユウキもびっくりした様子で
「わかったよ。なんでも買いにいくから、マリ走って見せて」
「O・K」
「イブ時計持ってるか」
「うるさいわね。持ってるに決まってるでしょ」
ユウキもイブもマリの本気が見れることでワクワクしてきた。
「おい、あんまり、僕にくっつくなよ」
「あんたこそ、あっちいきなさいよ。ここが一番見やすいんだから」
「イブ、僕のスキャンでもさあ、マリは絶対、普通の人間のはずなんだけどさ、なんで、あんなにいつもすごいんだ。地球の人類の太古からのデータも僕は持っているけど、こんな人間データにないよ!」
「あんた、マリはかわいい人間の女の子よ。間違いないわ。私もマリが色々な意味ですごい人だから従者になったのよ、そのマリを化け物みたいに言うのやめてくれる!」
マリは100m向こうのスタート地点に立った、用意ができたと合図してきたので、
イブは5本の指をひとつずつ折り曲げていき、ゼロになった瞬間、腕を振り下ろし、ストップウォッチを押した。
「バチン!」
という足で地面を蹴るような音が響いてきた。そして、ものすごい勢いでこちらにマリが近づいてきたが、動いている足や手が全く速くて見えなかった。
「バ・ビュ~ン」
ともすごい風がユウキ達の目の前をマリが通り過ぎたあと、吹き荒れた。イブとユウキは驚きすぎて言葉がでなかった。
「あ~あ、途中で靴底がなくなっちゃたから失速しちゃった。ごめん、本気で最後まで走れなかった。
えへへ」
「あれ、二人とも大丈夫?なに固まってるの」
「イブ、本当に人間だよな」
「何回も同じこと聞くなユウキ」
「おい、イブ、タイム、ちゃんと測れたか?」
「当たり前でしょ」
「何秒だった?」
イブとユウキは恐る恐る、ストップウォッチを見た。
7・99秒とそこには表示されていた。
「ユウキ、悪い、早すぎて、たぶん、押すタイミングがちょっと遅れた」
「遅れたって、遅れてないだろこのタイム」
「ユウキ、ちゃんと計測して、靴底もこわれなかったら、どうなるんだ」
「どうなるって、もっと早いんだろ・・・」
二人は人間がこんな力を持っているはずはないと、もう一度、マリをスキャンしたが、何回見ても、普通の人間の女の子だった。
「2人とも、ごめんね。靴が途中でこわれたから、全力を見れなかったね。
はあ~、なんか絶対壊れないような、いい靴、だれか造ってくれないかな~」
教室から、その様子を偶然見ていたパスカルは驚いて何も言えない状態になった。
タイムは取っていないが、高速で動く姿、手や足が全く見えない速さ、現実に起きたこととは思えないほどだった。スマホで撮っておけばよかったと思ったが、やっぱり、この3人おかしい、それぞれが、とんでもない能力を持ち、いつも一緒にいる、でも、見た感じ、マリに付いていくようなそぶりから、たぶんマリがリーダーなんだろうと考えた。パスカルはこの不思議な3人の正体がどうしても知りたくなり、放課後に後をつけて、必ず、正体を暴いてやると強く思った。
「はあ~、今日もクタクタ、また帰って宿題かあ~、も~う、せっかくアベルさんがアトリエがある学校選んでくれたのに、まだ、数えるほどしか行けてないよ」
「マリ、これからは、学校で宿題はできるだけ終わらして、これからは一応、組織のリーダーにもなったんだから、帰ってからも忙しくなるからね」
「そうだよね~マツさんにも言われた、様々な試練こそが世界を救う力になるから、日々精進してくださいって」
「頑張れ!マリ、今日もベータがおいし~いごはんを作って、癒してくれるぞ!」
「ほ~んと、ベータにはいつもお世話になりっぱなしで、頭が上がらないわ。今日もすこしだけど、できる範囲でお手伝いしなきゃね」
「マリはまじめだよね。本当に、ベータは機械なんだから、あまり、気を遣うことはないよ」
「だめよ。人間、なにもしないようになったら、相手の気持ちに気づかなくなり、思いやりの心が消えてしまうのよ。だから、わたしもがんばる!」
「ねえ~マリ、これから、配属になる、5人だけど、だんだん、あそこに人が増えてくると、なんか生き苦しくなるよね」
「そんなこと言ったって、必要な人員だもの。住居棟はいつも通り私達と警護官の人たちだけなんだから、いいじゃない」
「わたしはさあ、あいつらど~も好きになれないんだよね」
「そんなこと言うなよ。僕たちは最高の条件で、フランス政府の組織に入ったんだからさ、しかも、実動部隊も直属になるなんて、すごいよ」
アベル大臣との交渉を松田マツ立会いの元、行い、マリは政府直轄の治安情報部局長になり
基本的に政府は協力の依頼はできるが、命令はできない、すなわち、誰からも干渉されない独立した組織として政府の組織に入ることができた。これは、エマ相談役がすばらしい、条件書を策定してくれたおかげでもある。
ドニーズ将軍とレモンド中佐の特殊科学部隊はやはり、あの事件により、消滅、解散になることになり、この二人の進言もありこの部隊に所属していた、カミーユ大尉以下、5人は軍に在籍したまま、この治安情報部局に配属になり、マリの直属の部下になる予定だ。
「マリさん、マリさ~ん」
「あ、ごめんなさい、如月さん、少し疲れてたので、通り過ぎちゃいましたね」
「どうぞ、お乗りください」
「いつもありがとうございます」
迎えに来た黒い日本の高級車に3人は乗り込み、走り去っていった。パスカルはその様子を隠れて見ていて、やはり只者ではないと思い、明日は姉さんに頼んで車を出してもらい、車のあとを追いかけてみようと思った。
この学校では、この3人を『ヘンリ高校 三銃士』なんて言われ始めていた。
そんなある日の昼休み、午後から体育の授業があるため、早めにこの三銃士がグランドの隅の方にいるのを教室から同じクラスのパスカルが眺めていた。
「マリ~、マリってさあ、本気で走ったら、どれくらい早いの?この間もさ、わざと、スピード落として、走ってたよね」
「う~ん、おばあちゃんに、お前は目立ちすぎると、みんな気味悪がられるから、人と合わせるようにって、いつも言われてたから」
「ふ~ん、でもさ、今はさ、ユウキと私しかいないんだからさ、ちょっと、見せてよ」
「え~、人に合わせるように言われてきたからな~」
「マリ、私もユウキも人じゃないから大丈夫よ。ほら、今ここには誰もいないもの」
ユウキも
「別にイブが言ってるからじゃないけど、僕も随分前から、マリの体力がどれくらいあるのか、見たかったんだ。やはり、僕たちはチームだからね、お互いの能力は知っておきたいしね」
「う~ん、じゃあ、この100m1回だけね。その代わり、ユウキお願いがあるんだけど」
「なに?」
「え~とね、私が走ったあと、これと同じような靴と靴下をあっちの売店で買ってきてくれる」
「え、だって、それ、先週、買い替えたばかりだよね」
「そうだけど、いつも、思い切り走ると摩擦で靴底がすべてなくなちゃうんだよね」
マリは笑って二人を見た。イブもユウキもびっくりした様子で
「わかったよ。なんでも買いにいくから、マリ走って見せて」
「O・K」
「イブ時計持ってるか」
「うるさいわね。持ってるに決まってるでしょ」
ユウキもイブもマリの本気が見れることでワクワクしてきた。
「おい、あんまり、僕にくっつくなよ」
「あんたこそ、あっちいきなさいよ。ここが一番見やすいんだから」
「イブ、僕のスキャンでもさあ、マリは絶対、普通の人間のはずなんだけどさ、なんで、あんなにいつもすごいんだ。地球の人類の太古からのデータも僕は持っているけど、こんな人間データにないよ!」
「あんた、マリはかわいい人間の女の子よ。間違いないわ。私もマリが色々な意味ですごい人だから従者になったのよ、そのマリを化け物みたいに言うのやめてくれる!」
マリは100m向こうのスタート地点に立った、用意ができたと合図してきたので、
イブは5本の指をひとつずつ折り曲げていき、ゼロになった瞬間、腕を振り下ろし、ストップウォッチを押した。
「バチン!」
という足で地面を蹴るような音が響いてきた。そして、ものすごい勢いでこちらにマリが近づいてきたが、動いている足や手が全く速くて見えなかった。
「バ・ビュ~ン」
ともすごい風がユウキ達の目の前をマリが通り過ぎたあと、吹き荒れた。イブとユウキは驚きすぎて言葉がでなかった。
「あ~あ、途中で靴底がなくなっちゃたから失速しちゃった。ごめん、本気で最後まで走れなかった。
えへへ」
「あれ、二人とも大丈夫?なに固まってるの」
「イブ、本当に人間だよな」
「何回も同じこと聞くなユウキ」
「おい、イブ、タイム、ちゃんと測れたか?」
「当たり前でしょ」
「何秒だった?」
イブとユウキは恐る恐る、ストップウォッチを見た。
7・99秒とそこには表示されていた。
「ユウキ、悪い、早すぎて、たぶん、押すタイミングがちょっと遅れた」
「遅れたって、遅れてないだろこのタイム」
「ユウキ、ちゃんと計測して、靴底もこわれなかったら、どうなるんだ」
「どうなるって、もっと早いんだろ・・・」
二人は人間がこんな力を持っているはずはないと、もう一度、マリをスキャンしたが、何回見ても、普通の人間の女の子だった。
「2人とも、ごめんね。靴が途中でこわれたから、全力を見れなかったね。
はあ~、なんか絶対壊れないような、いい靴、だれか造ってくれないかな~」
教室から、その様子を偶然見ていたパスカルは驚いて何も言えない状態になった。
タイムは取っていないが、高速で動く姿、手や足が全く見えない速さ、現実に起きたこととは思えないほどだった。スマホで撮っておけばよかったと思ったが、やっぱり、この3人おかしい、それぞれが、とんでもない能力を持ち、いつも一緒にいる、でも、見た感じ、マリに付いていくようなそぶりから、たぶんマリがリーダーなんだろうと考えた。パスカルはこの不思議な3人の正体がどうしても知りたくなり、放課後に後をつけて、必ず、正体を暴いてやると強く思った。
「はあ~、今日もクタクタ、また帰って宿題かあ~、も~う、せっかくアベルさんがアトリエがある学校選んでくれたのに、まだ、数えるほどしか行けてないよ」
「マリ、これからは、学校で宿題はできるだけ終わらして、これからは一応、組織のリーダーにもなったんだから、帰ってからも忙しくなるからね」
「そうだよね~マツさんにも言われた、様々な試練こそが世界を救う力になるから、日々精進してくださいって」
「頑張れ!マリ、今日もベータがおいし~いごはんを作って、癒してくれるぞ!」
「ほ~んと、ベータにはいつもお世話になりっぱなしで、頭が上がらないわ。今日もすこしだけど、できる範囲でお手伝いしなきゃね」
「マリはまじめだよね。本当に、ベータは機械なんだから、あまり、気を遣うことはないよ」
「だめよ。人間、なにもしないようになったら、相手の気持ちに気づかなくなり、思いやりの心が消えてしまうのよ。だから、わたしもがんばる!」
「ねえ~マリ、これから、配属になる、5人だけど、だんだん、あそこに人が増えてくると、なんか生き苦しくなるよね」
「そんなこと言ったって、必要な人員だもの。住居棟はいつも通り私達と警護官の人たちだけなんだから、いいじゃない」
「わたしはさあ、あいつらど~も好きになれないんだよね」
「そんなこと言うなよ。僕たちは最高の条件で、フランス政府の組織に入ったんだからさ、しかも、実動部隊も直属になるなんて、すごいよ」
アベル大臣との交渉を松田マツ立会いの元、行い、マリは政府直轄の治安情報部局長になり
基本的に政府は協力の依頼はできるが、命令はできない、すなわち、誰からも干渉されない独立した組織として政府の組織に入ることができた。これは、エマ相談役がすばらしい、条件書を策定してくれたおかげでもある。
ドニーズ将軍とレモンド中佐の特殊科学部隊はやはり、あの事件により、消滅、解散になることになり、この二人の進言もありこの部隊に所属していた、カミーユ大尉以下、5人は軍に在籍したまま、この治安情報部局に配属になり、マリの直属の部下になる予定だ。
「マリさん、マリさ~ん」
「あ、ごめんなさい、如月さん、少し疲れてたので、通り過ぎちゃいましたね」
「どうぞ、お乗りください」
「いつもありがとうございます」
迎えに来た黒い日本の高級車に3人は乗り込み、走り去っていった。パスカルはその様子を隠れて見ていて、やはり只者ではないと思い、明日は姉さんに頼んで車を出してもらい、車のあとを追いかけてみようと思った。
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