65 / 177
セーヴルの老女
61話 情報局と準備
しおりを挟む
「マリさん、このホテルは今週中で出る話をつけました。学校はここより少し離れてしまいますが、あの建物は大きいですし、来週からはとりあえず住めるように手配してもらいました」
「ありがとう葉子さん」
「イブも宇宙船が近くになくて落ち着かないのはわかるけど、来週からはあそこに住めるんだから、がまんしてよね」
「わかってるわよ。みんな、でも、ありがとう」
「なんか、イブにありがとうなんて言われると変な気分だな」
「お前には言ってない、お前以外に言ったんだ」
「なんだ、その態度、どうみたって、今回は僕の活躍が大きいだろ、そんなこと言っていると、
明日、アメリカになんか行かないぞ!」
「マリ~、また、ユウキが私をいじめる~助けて~」
「お前はいつも、マリ、マリ、言って調子がいいんだよ」
「マリ~、しつこ~いユウキ~、助けて~」
ユウキはいつも、あ~言えば、こ~言う、イブの態度がどうしても好きになれなかった。
「ユウキ、お願いだから、もう少し、広い心で接してくれる」
「イブもあまり、ユウキをからかわないで」
この2人はお互いのことになると、いつも子供みたいな言い合いをしてしまう。その他は完璧な対応をするのに、全く高度な知的生命体と言っても、こんな一面もあるんだな~といつも思ってしまう。
「プルル・・・マリさん」
「アベルさん、こんばんは、大統領どうでうすか?」
「はい、何とか、説得できました。しかし、条件があります」
「どんなことですか?」
「まず、かつての情報局は秘密組織ということで、公の場で勲章を与えることはできません。
それと、本来なら、報償金も授与するのですが、これも与えられません。それと、この勲章はあくまでも
フランス国としてではなく、大統領個人からの授与ということ、以上になります。」
「はい、それで十分です」
「それと、マリさんから、できれば大統領から直接、勲章を授与してほしいという件ですが、
大統領の予定はパンパンで急で申し訳ないのですが、明日の20時以降なら対応できるということで、急遽ですが、お忍びでエマの自宅に行くことが決定しました」
「明日ですか!」
「はい、そうでないとしばらく国外に行く予定もあるので」
「わかりました。それでお願いします。こちらも大統領を迎える準備を早めにおこないますので」
「マリさん、二つほど、お願いがあるのですが、よろしいですか?」
「はい、なんでしょう」
「まず、私もその場に立ち会わせていただけないでしょうか」
「それはもちろん、かまいませんよ」
「あと、昔、同志たちに渡せなかった資金が、かなりありますので、22人の同志の気持ちをくみとり、新しい情報部として、その資金を受け取ってもらえませんか?」
「そんな~、皆さんで分けてくださいよ」
「ですから、同志たちは、誰も受け取ってくれないんですよ。このままだと、私がいなくなった後、国庫に吸い上げられて、泡のように消えてしまいます。それなら、これから世界の危機を救う、平和への使者に寄贈して、皆の想いを預けた方が同志たちも浮かばれると思います。
マリさんはこの想いを踏みにじる、おつもりですか?」
マリもここまで言われては受け取るしかないと思い、アベルに尋ねた。
「アベルさん、ちなみにおいくらぐらい、資金はあるのですか?」
「そうですね。長いこと手つかずでしたから、利息も含めて、日本円でいいますと・・・」
しばらくアベルが計算をして、
「約30億円ぐらいですかね」
「30億!」
「はい、これでも軽く計算してなので、もう少しあると思います。この資金はその建物の所有者、飛島ヤエさんに帰属してますので、相続者であるマリさんが建物と組織の会社扱いを継承することで、特に税金等の発生もありませんので、まるごと、マリさんのお好きに使用できます。それとこれはドニーズ将軍の進言や大統領からのお願いでもあるのですが、情報局を復活することで、フランス政府の一組織に入っていただくこと、それと、国内での事件など、政府の平和協力をしていただくことで、また報酬を払うと言っています。マリさんにはすみません。
言っていなかったんですけど、好きなだけこのフランスに滞在していただき、協力関係を築いていきたいとも言っております」
「う~ん、アベルさん資金の件は皆さんの想いということで私が継承することで受け取ります。
ですが、フランス政府の一組織に入る件は、みんなで相談して決めたいので、明日、エマさん宅で回答いたします」
「はい、わかりました。良い返事をお待ちしております。それでは、明日、私達も伺いますので、よろしくお願いします」
「アベルさん、無理なお願いを聞いてくれて、本当にありがとう」
日曜日の22時になるところだが、部屋にいるみんなで明日のエマ宅の相談をはじめた。
「明日、エマさん宅に19時に行きます。葉子さんは我々を送っていただけますか」
「はい、わかりました」
「ポーラさんは、こちらに書いてあるサイズの正装用の軍服を用意お願いできますか?」
「わかりました。軍の知り合いの物から借りてきます」
「ユウキとイブはエマさんの警護をお願い、へんな邪魔が入らないようにして」
「わかった」
「それと、アベル大臣からフランス政府での組織に入り、国内での平和活動の協力をお願いされたんだけど、みんなどう思う?」
しばらく、みんなは考え込み、ユウキが
「マリ、僕たちはあくまで人類を救う使命があるけど、フランス国内だけの事件などに関わることはあまりよくないと思う。深く関わりすぎると、この国だけがその恩恵を受ける形になってしまう」
葉子も
「そうですよ。マリさんは世界の平和への使者なんですから」
「そうだよね。でも、いろいろとお世話にもなっているし、フランスの組織には入らないけど、できる限りの協力はするということでいいかな?」
「それが一番いい形だと思うよ」
「イブもいいかな?」
「マリが決めればいいよ。別に、でも、いつでも動けるようにできるだけ大きな荷物は背負わない方がいいと思うよ」
「わかったわ、そうする」
「葉子さん、ポーラさん、あの明日なんだけど」
「どうしました?」
「あのね、明日は私達だけで、エマさん家に行く予定だったんだけど、急遽、アベル大臣が
19時にフレデリック大統領も20時に来ることになったの」
「え~何ですか!それは」
「ちょっと待ってくださいよ。どこでどうなったら、そんなことになるんですか!」
ポーラは慌てた様子で
「す、す、すみません。マリさん、ちょっと局長と相談しますので、席を外します」
「はい、どうぞ」
「マリさん、そのエマさんはそんなにすごい人なんですか!」
「あれ?葉子さんはマツさんに聞いてないんですか?」
「おばあさまに?」
「はい、当時、フランスの才女と言われ、マツさんの妹分として、マツさんに負けないくらい頭が良くて、マツさんもとてもかわいがっていたんですって、そうだ、葉子さんマツさんに言って明日、来れるようなら、一緒に出席したらどうでしょうか?」
「でも、明日はベータさんのお迎えもあるし、よろしいんですか?」
イブはえっとした顔をしたが、
「0時過ぎに僕が行って連れてくるよ。だから葉子さん明日の月曜日は往復できますから、
気にしなくていいですよ。なあ、イブ」
イブはユウキの話を無視して
「マリのお願いじゃ、断れるわけないでしょ。葉子好きにしていいよ」
「それでは、すみません。私も席を外して、連絡してきます」
そして、休日の日曜日が休日でなく終わった。
「ありがとう葉子さん」
「イブも宇宙船が近くになくて落ち着かないのはわかるけど、来週からはあそこに住めるんだから、がまんしてよね」
「わかってるわよ。みんな、でも、ありがとう」
「なんか、イブにありがとうなんて言われると変な気分だな」
「お前には言ってない、お前以外に言ったんだ」
「なんだ、その態度、どうみたって、今回は僕の活躍が大きいだろ、そんなこと言っていると、
明日、アメリカになんか行かないぞ!」
「マリ~、また、ユウキが私をいじめる~助けて~」
「お前はいつも、マリ、マリ、言って調子がいいんだよ」
「マリ~、しつこ~いユウキ~、助けて~」
ユウキはいつも、あ~言えば、こ~言う、イブの態度がどうしても好きになれなかった。
「ユウキ、お願いだから、もう少し、広い心で接してくれる」
「イブもあまり、ユウキをからかわないで」
この2人はお互いのことになると、いつも子供みたいな言い合いをしてしまう。その他は完璧な対応をするのに、全く高度な知的生命体と言っても、こんな一面もあるんだな~といつも思ってしまう。
「プルル・・・マリさん」
「アベルさん、こんばんは、大統領どうでうすか?」
「はい、何とか、説得できました。しかし、条件があります」
「どんなことですか?」
「まず、かつての情報局は秘密組織ということで、公の場で勲章を与えることはできません。
それと、本来なら、報償金も授与するのですが、これも与えられません。それと、この勲章はあくまでも
フランス国としてではなく、大統領個人からの授与ということ、以上になります。」
「はい、それで十分です」
「それと、マリさんから、できれば大統領から直接、勲章を授与してほしいという件ですが、
大統領の予定はパンパンで急で申し訳ないのですが、明日の20時以降なら対応できるということで、急遽ですが、お忍びでエマの自宅に行くことが決定しました」
「明日ですか!」
「はい、そうでないとしばらく国外に行く予定もあるので」
「わかりました。それでお願いします。こちらも大統領を迎える準備を早めにおこないますので」
「マリさん、二つほど、お願いがあるのですが、よろしいですか?」
「はい、なんでしょう」
「まず、私もその場に立ち会わせていただけないでしょうか」
「それはもちろん、かまいませんよ」
「あと、昔、同志たちに渡せなかった資金が、かなりありますので、22人の同志の気持ちをくみとり、新しい情報部として、その資金を受け取ってもらえませんか?」
「そんな~、皆さんで分けてくださいよ」
「ですから、同志たちは、誰も受け取ってくれないんですよ。このままだと、私がいなくなった後、国庫に吸い上げられて、泡のように消えてしまいます。それなら、これから世界の危機を救う、平和への使者に寄贈して、皆の想いを預けた方が同志たちも浮かばれると思います。
マリさんはこの想いを踏みにじる、おつもりですか?」
マリもここまで言われては受け取るしかないと思い、アベルに尋ねた。
「アベルさん、ちなみにおいくらぐらい、資金はあるのですか?」
「そうですね。長いこと手つかずでしたから、利息も含めて、日本円でいいますと・・・」
しばらくアベルが計算をして、
「約30億円ぐらいですかね」
「30億!」
「はい、これでも軽く計算してなので、もう少しあると思います。この資金はその建物の所有者、飛島ヤエさんに帰属してますので、相続者であるマリさんが建物と組織の会社扱いを継承することで、特に税金等の発生もありませんので、まるごと、マリさんのお好きに使用できます。それとこれはドニーズ将軍の進言や大統領からのお願いでもあるのですが、情報局を復活することで、フランス政府の一組織に入っていただくこと、それと、国内での事件など、政府の平和協力をしていただくことで、また報酬を払うと言っています。マリさんにはすみません。
言っていなかったんですけど、好きなだけこのフランスに滞在していただき、協力関係を築いていきたいとも言っております」
「う~ん、アベルさん資金の件は皆さんの想いということで私が継承することで受け取ります。
ですが、フランス政府の一組織に入る件は、みんなで相談して決めたいので、明日、エマさん宅で回答いたします」
「はい、わかりました。良い返事をお待ちしております。それでは、明日、私達も伺いますので、よろしくお願いします」
「アベルさん、無理なお願いを聞いてくれて、本当にありがとう」
日曜日の22時になるところだが、部屋にいるみんなで明日のエマ宅の相談をはじめた。
「明日、エマさん宅に19時に行きます。葉子さんは我々を送っていただけますか」
「はい、わかりました」
「ポーラさんは、こちらに書いてあるサイズの正装用の軍服を用意お願いできますか?」
「わかりました。軍の知り合いの物から借りてきます」
「ユウキとイブはエマさんの警護をお願い、へんな邪魔が入らないようにして」
「わかった」
「それと、アベル大臣からフランス政府での組織に入り、国内での平和活動の協力をお願いされたんだけど、みんなどう思う?」
しばらく、みんなは考え込み、ユウキが
「マリ、僕たちはあくまで人類を救う使命があるけど、フランス国内だけの事件などに関わることはあまりよくないと思う。深く関わりすぎると、この国だけがその恩恵を受ける形になってしまう」
葉子も
「そうですよ。マリさんは世界の平和への使者なんですから」
「そうだよね。でも、いろいろとお世話にもなっているし、フランスの組織には入らないけど、できる限りの協力はするということでいいかな?」
「それが一番いい形だと思うよ」
「イブもいいかな?」
「マリが決めればいいよ。別に、でも、いつでも動けるようにできるだけ大きな荷物は背負わない方がいいと思うよ」
「わかったわ、そうする」
「葉子さん、ポーラさん、あの明日なんだけど」
「どうしました?」
「あのね、明日は私達だけで、エマさん家に行く予定だったんだけど、急遽、アベル大臣が
19時にフレデリック大統領も20時に来ることになったの」
「え~何ですか!それは」
「ちょっと待ってくださいよ。どこでどうなったら、そんなことになるんですか!」
ポーラは慌てた様子で
「す、す、すみません。マリさん、ちょっと局長と相談しますので、席を外します」
「はい、どうぞ」
「マリさん、そのエマさんはそんなにすごい人なんですか!」
「あれ?葉子さんはマツさんに聞いてないんですか?」
「おばあさまに?」
「はい、当時、フランスの才女と言われ、マツさんの妹分として、マツさんに負けないくらい頭が良くて、マツさんもとてもかわいがっていたんですって、そうだ、葉子さんマツさんに言って明日、来れるようなら、一緒に出席したらどうでしょうか?」
「でも、明日はベータさんのお迎えもあるし、よろしいんですか?」
イブはえっとした顔をしたが、
「0時過ぎに僕が行って連れてくるよ。だから葉子さん明日の月曜日は往復できますから、
気にしなくていいですよ。なあ、イブ」
イブはユウキの話を無視して
「マリのお願いじゃ、断れるわけないでしょ。葉子好きにしていいよ」
「それでは、すみません。私も席を外して、連絡してきます」
そして、休日の日曜日が休日でなく終わった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
12
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる