嫌われ皇后は子供が可愛すぎて皇帝陛下に構っている時間なんてありません。

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18、私のせいですか?

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皇帝に何を言ったところで、今までの私の素行が悪過ぎたせいで信じてはもらえないだろう。それなら、私を嫌ったまま放置してくれればいいのに。


もしリアム様やアイリに私が危害を加えたとしたら、メリーやマーガレット達から連絡はすぐ行くと思うし…。出産前の完璧存在無視、くらいの対応のままの方が私はありがたいんだけどな。


なのに、どうしてアイリが産まれてから会いに来るようになったのか不思議で仕方ない。アイリなら毎日見ているだろうに…。


「そういうことですので、私はこれで失礼致します。行こう、リアム様」
「うん!」
「いや、その…」
「皇后陛下、無礼を承知で発言させていただきます!」


誰だ?
今度こそ去ろうとすると、陛下の補佐官が前に出てきた。


「ルミリオ陛下の言い方が嫌味ったらしくて聞いてて腹が立つのは分かります!」
「おい、アレックスなにを…」
「ですが!どうか…!どうか!陛下の話を聞いて頂けないでしょうか!お願い致します!」


何故だか補佐官が切羽詰まった様子に、皇帝の制止を無視して頭を下げてくる。一体これはどういう状況なんだろう。


頭を下げられたことと、皇帝の言い方が嫌味ったらしいと貴方も思っていたんだ、という事への驚きでどう返事をしていいかが分からない。


そんな、呆気に取られている私の代わりに、マーガレットが補佐官の対応をしてくれる。


「アレックス、これはどういう事なの?許可もなくルビア様に話し掛けて、それにルミリオ陛下とお話をして欲しいだなんてどういうつもりなの!?」
「無礼だって分かってるさ…。だけど…だけど…!もう限界なんだ!このままじゃ、国全体が機能しなくなるのも時間の問題なんだ!」


なんだかすごく話が大きくなってきたぞ?国全体が機能しなくなるほどの事って余程のことだと思うのだけれど…。


私が皇帝の話を聞けばそれが回避出来るってこと?そんなことってあるの?てか、私が皇帝の話を聞かないせいで国の機能がストップしようとしてるの?


ちょっと待って、話があるって言われたのは今が初めてと思うんですけど…。あれ?言われてたっけ?ん~…思い出せない。多分なかったと思うんだけど…。


「おい、何を言っている!仕事ならして…」
「無いから言っているんです!書類の前に座って、ペンを動かしたかと思うとため息を着いては手を止めての繰り返しじゃないですか!」

「いや、そんなことは…」
「あります!皇后陛下に会えなくなってから顕著に仕事の手が進んでいません!おかげで俺が周りからどんだけ急かされてると思っているんですか!」


ブチ切れる皇帝の補佐官に、この人も苦労してるんだな…と同情してしまう。上司しか出来ない仕事を止められると本当にストレス溜まるよね。わかる、凄くわかるよ、その気持ち。


でも、その原因が私ってどういうこと…?もしかして、私に嫌味を言うのが皇帝のストレス発散方法だったとか?それならちょっとストレス発散方法を変えていただきたいんだけど…。


「その…仕事ならする」
「していないから俺が今言ってるんですよ!もう思春期の子供でも無いんですから言いたいこと言って早くスッキリさせて下さい!見ていてほんっっっっとうに!鬱陶しいです!」

「なっ、」
「うじうじうじうじ、今日も皇后と会えなかった、話ができなかった…って聞かされるこっちの身にもなってください!ホント、乳兄弟じゃなきゃ今頃辞表を叩きつけてる所ですよ!」


へぇ、あの人は皇帝の乳兄弟なんだ。なら、マーガレットの実の息子…?だから、マーガレットに対してタメ口だったのか。


「お願いです!早く皇后陛下に言いたいことを言って、仕事を片付けて下さい!」
「いや、私は別に話したいことなど…」
「ありますよね?無いと言ったら本気で辞表を提出しますから」


あの目は本気だ。あれはもう退職しようと思い始めている人の顔だ…!


「というか、皇帝陛下は何をそんなに私に言いたいことがあるのですか?大勢の人に迷惑をかけるくらいなら話くらいは聞きますので、言ってください」


皇帝とはあまり話なんてしたくはないけど、国が関わっているなら話は別だ。私が我慢するだけで沢山の人が救われるなら話くらいはいくらでも聞く。


「ここで話すのが嫌なのでしたら、また後日改めて聞かせていただきますが?」
「いや、その……」


何故か皇帝は黙り込んでしまった。


どうすればいいんだこの空気。私としては早く部屋に戻ってアイリのオムツを変えてリアム様とお茶をしたいんだけど…。


「父上。今から私はルビア様とお茶をするのですが、父上もご一緒にいかがですか?」


微妙な空気を破るかの如く、リアム様が皇帝をお茶に誘う。正直、リアム様とのお茶を楽しみたかったのに皇帝が参加するとか絶対拒否したいけど、このなんとも言えない空気を変えてくれるなら何でもいい。


ありがとうリアム様。おかげでこの後すぐにお茶をする事が出来たよ。皇帝付きで…。



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