役目を終えて現代に戻ってきた聖女の同窓会

しあ

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参加なんてしたくない!

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家に帰って改めて同窓会の添付写真を見てみる。


げ、開催される場所って、ウチの会社の支社が入ってるビルじゃん!
しかもその日、私がヘルプで入ることになってるし…。
うわぁ…最悪。


時間は…。


就業時間より30分遅い…。
エレベーターで1階に降りた時にフロントで同級生と会う可能性あるじゃん!


それなら、残業して…いや、この日はノー残業デーで定時退社が義務付けられてる日じゃん!
いつもは嬉しいけど今回に限っては恨みたくなるノー残業デー!


むー。
これは定時で速攻1階に行って帰るしかない!
いくら私のメンタルが異世界で鍛えられたからと言っても、虐めて来た人に会うとか面倒!
仕事終わりになんで嫌な人たちの顔を見なきゃいけないのよ。


あんな人達には二度と会いたくない。


そう思っていた時期もありました。


「あれ?佐藤さんじゃない?」


げ、同窓会の日だから直帰しようとしたら、私を虐めていたA子(名前忘れた)に話しかけられてしまった!
てか、なんで私だってわかったの。マスクしてるし眼鏡もかけてますよね?


「え~スーツで同窓会に出るの?相変わらず変わってるね」


年甲斐もなくキャッキャとバカにしながら話しかけられちゃった。
私達、今年で25…あ、私は早生まれだから皆は26歳か。
26際が未だに高校の時みたいにキャッキャウフフ…痛くない?


いや、26歳って言っても、まだまだ若いと思うよ?思うけど、高校の時のキャラのままで行くのってキツくない?
流石にこの歳になるとある程度落ち着いているものだと思うのだけど。


「ねぇ、もしかして私が佐藤さんに高校の時ちょっとイタズラしちゃったりしたの、根に持ってるの?流石に引きずり過ぎじゃない?」


私が相手をしたくなくて黙っているのをどう勘違いしたのか、そんなことを言ってくる。


いや、あれはイタズラの域超えてたでしょ。
教科書破られるし、お弁当は床に投げ捨てられるし、机もほとんど毎日どこかに捨てられてたし。
今思えば、この人たち暇だったんだな。よく毎日続けられたよ。逆になんか感心しちゃう。


でも、引きずり過ぎって、虐められたら普通に覚えてるに決まってるじゃん。あんなに苦しかった記憶をそう簡単に忘れられるわけもないし、許せるわけもないよね。


というか、こんな人と話してるなんて時間の無駄だから帰ろ。


「ちょっと、ちょっと~どこ行くの?同窓会はこの上でしょ?」
「あの、急いでいるので離してください」
「は?私が優しく話しかけてあげたのに何なのその態度?」


別に頼んでませんが?
話しかけてあげたとか、ありがた迷惑…いや、ただの迷惑でしかないですし。


「ここのビル、私の旦那が働いてる会社の持ち物なの。あんたここのビルで働いてるって言ってたけど、旦那に言って貸さないようにしてあげようか?」


貸さないようにって、ただ会社で働いてる人がそんな権限無いでしょうが。


「私の旦那、重役だからね」


だからなんですか?
むしろ何の問題も起こしていない会社を、重役の一言で貸さないとかなったら会社のイメージ悪くなると思うけどな。


「あれ?宮ちゃんもう来てたの~?」
「あ!みっちゃん!久しぶり~。ねぇ、ねぇ、私今誰と一緒にいると思う?」


うわぁ…新たないじめっ子が来ちゃったよ。
名前が分からないからB子でいいか。


「え?だれだれ?え、マジで?佐藤さん?同窓会とかよく来れたね」


B子めっちゃ笑ってるね。
よく来れたね、とか言われても来てませんし。退社しようとしたらA子に捕まったただけですし。


「今さぁ、私が同窓会に一緒に行ってあげるって言ったのに、佐藤さんのくせに断るの」
「ええ、マジで?」


おいA子あんた一度も一緒に行こうなんて言ってないでしょうが捏造するな。


「ちょっと佐藤さぁん、高校の時の事まだ根に持ってんの?せっかく宮ちゃんが仲良くしてあげようとしてるのに断るとかないんじゃない?」


根に持つと言うか、忘れられるとでも思ってるのかこの人達?人として頭悪そうと思ったけど、末期ですね。
私が聖女の力をまだ使えてたら頭にヒールかけてあげたくなるわ。


いや、聖女のヒールでもあの頭の悪さは治らないか。


「ねぇ、なんで黙りなの?」
「もういいから連れてこ」
「ちょっと、止めてください」


無理やり2人で脇を固めて連れて行こうとしないでよ。
私は同窓会になんて絶対に行かないから。


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