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四章 9歳(色々制限中・・・)

これがお嬢様!・・・ですよ?

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あと少しだったのですが、淑女テスト赤点を貰ったエルフリーナです。
赤点なのにあと少しとは?ですって?
ちょ~っとミスしただけで減点が大きかったのですよ。
そこだけ良ければ、きっと満点だったのです。

どうやったらそんな減点がって?
・・・事故の連鎖が発生したのです。
最初はドレスの裾を踏んで転びそうになったのです。
それから、無理して姿勢を正そうとしたら滑ってしまって転びそうになり、
此方を助けようとしたソフィアを巻き込み、
さらに何故か近くにあったキャスター付きワゴンを・・・
全ての連鎖が終わった頃、
部屋の中は誰かが魔物と戦ったのかというぐらい荒れに荒れていました。
私達の姿はあられもない状態に・・・
特に私とソフィアのスカートは腰のあたりで破れて脱げる寸前にまでなってました。
何故かソフィアは私の腰にしがみついて嬉しそうに見えましたが、気のせいですかね。
その後、様子を見に来たお母様達の引きつった顔は忘れられません。

・・・

そして地獄の日々が続き、私は少しはできる子になりました!
が!来週辺りに令嬢が来るとの連絡が届いたこと、
来月におっちゃん達の結婚式が行われるということにより、さらに厳しくなりました。
これ以上は無いと思っていたのに、さらにですよ!?
し、死ぬぅ・・・

・・・

気が付けば先触れが到着し、
明日辺り令嬢が到着するとのことでした。
この一週間、記憶が曖昧です。

とりあえず最終テストではミスなくこなせて、合格を貰えました!
「まあ、前回を考えれば・・・」
「これぐらいなら・・・まあ・・・?」
「時間がありませんし・・・今はこれぐらいで許してあげましょう・・・不本意ですが・・・」
「そうですね・・・結婚式は無理でも、王都へ移動するまでにはもう少し・・・」
というヒソヒソ話がアレッサ達講師陣+お母様とメイド長の方から聞こえてきましたが・・・
合格を貰えました!
うん、私は完璧でした!

でも、おかしいな~もっと小さいころは前の世界の記憶でかなりできる方だったはずなのに・・・
何処で間違えた?
はっ!きっと体に精神が引っ張られてこうなったのですよ。
そう!きっと!

・・・

そして翌日のお昼前・・・お客様が到着しました。
屋敷の人間でお出迎えです。
ただ、由香さんは一応お客様なので、自室に待機しています。
後で合流して一緒にお茶する予定です。

表に停車した馬車から出てきたのは、真っ白な長い髪、透き通るような肌に大きな青い瞳の
雪の妖精のような、可愛いというより綺麗というようなエルフの少女です。
ドレスも水色と白で腰にはレイピアを刺していました。
違和感はありませんが、やっぱり辺境伯家だと外出時は武器装備が普通なのかな。
その子の傍仕えのメイドでしょうか?に手を引かれてお父様とお母様の前で綺麗な礼を取り、
挨拶を始めます。

「クラウス様、キーカ様、お久しぶりで御座います。
 暫くの間お世話になります」

「ああ、久しぶりだね。
 遠くからよく来てくれた。
 あちらの気候と此方は違うから、慣れないことが多いかもしれないので、
 何かあればすぐに言ってほしい」

「そうですね。
 両親がいない状態で心細いかもしれませんが、
 ここを自分の家だと思って過ごしてください。
 幸い我家にもあなたと同じ年の娘、少し下の息子がいますので、
 仲良くしてもらえると嬉しいわ。
 エル、ランハート此方へ」

「「はい」」

此処でお姉ちゃんとしてランハートにいいところ見せないと。
ドレスのスカートの裾を踏まないよう気を付けながら
お母様の傍に移動します。
ちなみに私のドレスは髪の色に合わせた深い青を基調としたもので、
え?興味ない?あ・・・そですか・・・。

「この子がエルフリーナ、此方がランハートです。
 エル、ランハート、此方は北の辺境伯家の
 アレスフィア・スノーデン様です」

「アレスフィア・スノーデン様、お初にお目にかかります、
 エルフリーナ・ヴァルグラントと申します。
 よろしくお願いいたします」

「ランハート・ヴァルグラントです。
 よろしくお願いいたします」

くぁ~!!ランハート可愛い~!!

「アレスフィア・スノーデンです。
 エルフリーナ様、ランハート様、よろしくお願いいたします」

うひょ~、アレスフィア様も可愛い~!!

「エルと一緒にいると色々迷惑を掛けるかもしれませんが、
 何かあれば遠慮なく私に言ってくださいね?
 きちんと言って聞かせますから」

そういって、お母様が私の頭に手を置きます。
お、お母様さりげなく締め上げるのやめてもらえませんか?
落ち着きますから。
ドレスで見えませんが、体軽く浮いてますから。

「では、私達はアレスフィア譲や周りの方の部屋とか案内してくるから、
 エル達にアレスフィア譲のお世話をお願いしようかな。
 ただ、長距離の移動しているから、無理はさせないように。
 少しお茶をするぐらいで、後はゆっくり休みなさい」

「わかりました。
 では、アレスフィア様、お疲れだとは思いますが、
 荷物整理等が終わるまで、私の部屋でお茶をしましょう。
 ランハートはどうしますか?」

「あ、私はお父様について少しだけやることがありますので、
 また次回お願いします。
 アレスフィア様、申し訳ございませんが、
 また晩餐の時にご一緒させてください」

「はい、晩餐でお話できるのを楽しみにしています」

お互いに礼をして、ランハートはお父様の方へ行ってしまいました。
むぅ、一緒にお茶できればよかったのに・・・仕方ありません。

「では、アレスフィア様とお付きの方々。
 私の部屋へ移動しましょう。
 アレッサ、クラリスお願いします」

「「はい。
 では、皆様此方へ」」

・・・

私の部屋でお茶を入れてもらい、皆に座ってもらいます。
あ、今日は私の部屋に大きなテーブルを入れてもらっているので、
お付きの方含めてみんな座れるようになってます。

アレスフィア様のお付きの方は3名で2名はメイド服のみですが、
1名は胸当てに剣を装備しています。
やっぱり辺境伯家だと傍仕えは3名なのですね。

「後ほど転移者の方もいらっしゃいますが、
 アレスフィア様もお付きの方々も長距離移動してお疲れでしょうから、
 先にゆっくりしましょう」

アレスフィア様のお付きの方々は遠慮されていましたが、
無礼講だと伝えてからは、皆のんびりとくつろぎ始めます。
結構みんなノリのいい方々っぽいです。

「エルフリーナ様、ありがとうございます。
 私はともかく、皆疲れているようでしたので、
 こうしてゆっくりできる場を提供して頂けて、とてもうれしく思います」

そう上品に笑います。
これが本物のお嬢様か~。

「いえいえ、この後も荷物整理等で色々あるでしょうし、
 今ぐらいは休まないと倒れてしまいます。
 あと、私のことは是非エルと呼んで欲しいです」

「わかりました。
 ではエルさんと呼ばせていただきますね。
 私のことはフィアと呼んで頂ければ嬉しいです。」

う~ん、かわええの~。

「呼び捨てでもいいのですが・・・まあそれは追々ということで。
 私はフィアさんと呼ばせていただきますね。
 あと畏まった話し方もお互いやめませんか?
 フィアさんとは仲良くしたいですから」

あ、なんかフィアさんはちょっとビックリした後、安堵した感じ?
お付きのメイド達はちょっと大丈夫かな?という感じ?でフィアさんを見てます。
なんだろう?

「ありがとうございます。
 では、言葉崩させていただきますね・・・
 は~エルっちありがて~。
 かでぐるじい言葉っちゃおっがねぐてな~ほんにありがてんさ~」

・・・なんて?
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