魂つなぐ転移世界 ～私の平穏は何処なのでしょう？～

三章 ８歳（未発見ダンジョン探索開始？）

さあ、祝勝会ですよ

その後、屋敷に入り今後の予定について話を聞きます。
どうやら明後日に祝勝会という事で、宴会を開くとのことです。
騎士達が主なので宴会なのですね。

宴会の際に数本武器を作って、それを授けるようなイベントもやるとのこと。
なるほど？
という事は準備はその武器の作成という事になるのですね。
私頑張り・・・え？
大人しくしてろ？
え～やだやだ私もやりたいやりたあぁあぁ～～～！

うう、お母様酷いです。
お母様の手の形に頭がへこむかと思いました。
まったく私が何をし・・・何でもありませんから、
その手を引っ込めていただけると。

・・・

そして武器類はお父様とお母様が作成したそうで、
十分な物が出来たようです。
私？関わらせてもらえませんでした。

ムカついたので私が戦利品としてもらった刀に魔力を流しまくったら
刀身が赤黒く変化し、青白い炎を纏った刀に変化しました。
物凄く禍々しいですが・・・なんかもう少しでまた変化しそうなんですよね。
何というか、刀の表面を何かでコーティングしているような？
カバーがあるような感じがします。

え？バレたらやばいんじゃって？
ふふん、私の隠蔽力をなめないでください。

・・・

既に私の足は限界に来ています。
宴会だから顔に跡が残るのは・・・という事で、
かれこれ２時間は正座させられています。
さらに私の横には万が一の為の尿瓶が鎮座しています。
もうお母様ったら容赦ないんだから。
可愛く言ってもダメ？延長？申し訳ございません、やめてください。
これまでの経験から、私は成長しているのです。
天丼なんてひっくり返してやるのです。
ダムだって危険水域ま・・・え？・・・えと・・・ぁ

・・・

さて、色々ありましたが、宴会開始です。
お父様が乾杯の合図をすると、よくある冒険者の酒場って感じで皆盛り上がってます。
まさに宴会ですね。

お父様は騎士団長と一緒に回りを見ながらお酒を飲んでいますね。
パーティーの時はお母様と一緒なので、やっぱりパーティーと宴会は違うのでしょう。

お母様は・・・ランハートと一緒に挨拶して回ってるのかな？
あ、ランハートも訓練とか始める頃だからかな。
クラスとか内政向きだって言ってたけど、
やっぱり訓練は必要なんだろうな～。

私はソフィアと一緒に料理長の所へ行って
お勧めとか色々貰ってます。
今回は宴会だからお酒にあうおつまみばかりで、
きちんとした食事ってあまり置いてないのでしょね。

「そういえば、アレッサ達はお酒飲まないのです？
　見たこと無いですけど」

「私は飲みませんね。
　あまり強くありませんし、酒癖が良いわけではありませんから」

アレッサが少し困った顔でそう言います。

「私は嗜む程度にですね。
　ワインを少しだけいただく程度でしょうか」

クラリスはアレッサを見て少し笑いながら答えます。
気になるな～。
でもクラリスにワインって何か似合いますね。
ワインを片手に優雅に過ごすという絵が浮かび上がります。

「私はお酒が好きってわけじゃないけど、あれば飲むってぐらいかな？
　酒癖はどうだろう？
　でも正気を失うまで飲んだことは無いよ」

由香さんがお酒片手にそう言います。
あ、これ絶対底なしだ。

お父様は結構好きっぽい飲み方ですね。
あれ？でも普段は飲んでないから、こういう時だけなのかな？
お母様は特に飲んでないような・・・

「そういえば、お母様もあまり飲んでるところ見てないですね。
　ワインを少し飲むってぐらいでしょうか」

「そうですね、奥様はあまり飲まれませんね。
　と言っても、弱いわけではありませんよ。
　良し悪しは判っても、あまりおいしいとは思わないそうです」

アレッサがそう答えてくれます。
む～ん、そうなのですか～。
好きでもないのにパーティーで飲むって飲まないといけないのかな？

「もしかして、パーティーとかって大人になるとお酒飲めないといけなかったりします？」

「いえ、そんなことはありませんよ。
　奥様が口にされるのは付き合いですね。
　え～・・・何と言いますか」

アレッサが答え辛そうにしていると

「お母さんが物凄く飲むんです。
　奥様はそれに付き合わされているといった所ではないかと」

ソフィアがさらっと答えてくれました。
なるほど？
メイド長は・・・パッと見だとグラスは持っていますが、
飲んでいるように・・・は？
あれ？目の錯覚かな？グラスの中身が一瞬増えたような？

「私の見間違いでしょうか？
　メイド長が持っているグラスの中身が増えたり減ったりしているように見えるのですが」

「見間違いではありませんよ。
　物凄い速さで継ぎ足してます。
　テーブルの下、空瓶が見えますか？」

アレッサがちょっと呆れながらそう言います。

「あ～・・・あれ全部です？」

テーブルの下に１０本以上詰みあがってる空瓶が見えます。

「流石に全部・・・とは言いませんが、
　まあ、ほぼほぼそうでしょう」

うは～、凄いわ・・・
近寄りたくないな～

・・・

「エルしゃま～、ひゅっと此処に居ないといけまひぇんよ～」

案の定私達はメイド長に絡まれ・・・何故か私はアレッサのヌイグルミ状態です。
お母様とクラリスは苦笑、由香さんは此方を指さして大笑い、
ソフィアは一生懸命私をアレッサから引きはがそうとしていますが、
どうにもならないようでちょっと涙目。

あ～・・・どうしてこうなった？