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三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

私頑張ったんです!頑張ったんです・・・

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その後、おっちゃん達が訪ねてきたので客間に通し、
執事の人に護衛任務の報酬と報酬の上乗せをお願いして客間に移動しました。
執事の人が来るまで、おっちゃん達にポケットダンジョンへ入ることが出来るよう
権限を付与して軽く説明をしました。

「なるほど、そこで育成をしていけばいいんだな。
 でも権限とか勝手につけていいものではないだろう?」

「はい、それについては何処かに入り口のゲートを設置しようかと思っています。
 どこがいいかはまだ検討中ですが、屋敷の敷地内になるかと思います。
 と言っても敷地のはずれの方でしょうから、
 一々此方に連絡してとかは必要なく、
 常駐している騎士の方に連絡して入るようになりますかね」

「なるほど、それなら特に問題は無さそうだな。
 後は中に拠点を作ったりだが、
 これは任せてもいいんだな?」

「はい、今回私達が使ったものになりますが、
 そちらを配置しようかと思います」

「それなら問題無さそうだな。
 じゃあ、後はゲート配置されてから考え始めるか。
 とりあえず、今決められるのはこれぐらいか?」

「はい、今はこれぐらいだと思います。
 また進展がありましたら連絡しますね。
 あ、素材とかの買取はお父様達が帰って来てからになるので、
 もう暫く待ってください」

「了解。
 買取とかは信用してるから、少しぐらい遅れても問題はないぞ。
 生活に困るようなことは無いからな」

「それならよかったです。
 ああ、護衛任務の方は完了になるので、
 そちらの報酬はもらっていってくださいね」

そう言うと、執事の人が丁度報酬を持ってきてくれました。

「そういえば護衛任務だったな。
 護衛が必要だったのか疑問だが」

そう言って報酬を受け取りながら、
おっちゃん達は皆苦笑してます。

「そうでしょうか?
 私達は非常に助かりましたから、少しですが報酬上乗せをしています。
 新人育成が始まると、なかなか時間取れないかもしれませんし、
 私は行動制限が掛かって当分無理ですが、
 また一緒に行きたいですね」

「そう言ってもらえると助かるよ。
 じゃあ、俺らは一度戻るわ。
 暫くは休みを取るが、その後は普通に活動するから、
 何かあれば討伐ギルドに言づけておいてくれ」

そう言っておっちゃん達が此方に礼をして出ていきます。

「ふぅ、これで進展があるまで依頼することは終わりですかね。
 後はお父様とお母様が戻るまでゆっくり待ちましょうか」

「そうですね、ではエル様行きますよ。
 早速勉強です」

「え?ちょ!?何で襟首を持ってあ~~~~!」

クラリスに引きずられて自室に戻り、
メイド長含め皆に文字通りビシバシとしごかれました。
ハリセンは痛みは無いですが衝撃が来るので、
意外と辛いのですよ・・・

・・・

そしてお父様とお母様が屋敷に戻ってきました。
私は弟と一緒にお迎えです。

「お父様、お母様。
 お疲れ様でした。
 あれから何事も無かったようで安心しました」

「お父様、お母様。
 おかえりなさい。
 無事で何よりです」

私とランハートがそう言うとお父様とお母様がびっくりしています。
ふふ、何故か?
私がドレスを纏い、きちんと礼を取っているからです。

「エル・・・どうしたんだい?」

お父様がそう聞いてきます。

「クラリス達に色々習って、今回きちんとできるかテストを受けてます」

そう言うと、お父様が納得したような顔になり、

「うん、よくできているよ」

そう言ってくれました。
良かった~ってお母様がまだ呆然としています。
ふふん、私だって偶にはちゃんとするのですよ。

「エル・・・何かおかしなものでも食べました?」

失礼なんじゃなかろうか?

「私もやる時はきちんとやります!
 全くお母様酷いです!」

「ごめんなさい、そうですね。
 エルもちゃんとする時はちゃんとできるものね。
 ランハートもきちんと出来ていますよ。
 二人ともこう着飾った姿を見るのは誕生日ぐらいですから新鮮ですね。
 他の家ですとこういった服装は日常的だったりするのですが、
 此処は辺境伯家ですしね」

お母様はそう言うと、ちょっと申し訳なさそうな、悲しそうな顔をします。

「そうなのですね。
 でも私はこういった姿は苦手なので、辺境伯家で良かったと思いますよ。
 という事はお母様は日常的にこういったドレスを纏っていたのですか?」

「そうですね。
 私の場合は少し特殊ではありますが、
 普通にドレスを纏っていましたね」

「ああ、王族ですものね」

そう言うとお母様が苦笑します。
ん?何かあるのかな?

「まあ、それはまた。
 今日はエルもランハートもちゃんと正装していますし、
 エスコートをお願いしましょうか」

「任せてください!
 では、こち!?ぶべっ!」

屋敷前のちょっとした段差を登ろうとして、
スカートの裾を踏み、顔面から倒れ込みます。
うう、皆が呆れてるのと、お母様が額に手を当てているのが何となく判る・・・
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