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三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

目が覚めると・・・私の思っている世界が壊れていきます

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朝日で目が覚め、何時寝たのか判らなかったので昨日の事を思い出そうとします。
えっと・・・屋敷に帰る前に一時的におっちゃん達と別れ、
屋敷に到着したら屋敷の皆がそろってお出迎えしてくれていて・・・
そして屋敷の中に入って・・・ランハートに会ってから、
思わずランハートに抱き着いた・・・までは覚えているのですが、
そこからの記憶が無いですね。
う~ん、何があったんだろう。

「エル様、朝ですよ。
 そろそろ起きてください」

アレッサに声を掛けられたので、上半身を起こします。

「一応・・・起きてます。
 ただ、昨日の記憶が曖昧で・・・」

「・・・ランハート様に抱き着かれたのは覚えていらっしゃいますか?」

「ええ、そこまでは何となくですが」

「その後、ランハート様を抱き上げて、
 ぐるぐると振り回し始めたことは覚えていらっしゃいますか?」

「え?そんな事してましたか?
 おかしいですね、私そっと抱きしめて帰りの挨拶をしていませんでした?」

「さらっと記憶を改竄しないでください。
 そんな真面目な状態ではありませんでした。
 これが貴族令嬢かと疑いたくなるような顔でした。
 モザイク処理ものです。
 痴女のそれです。
 見せられないよ状態です」

そ、そこまで言いますか。
モザイクに見せられないよって・・・一応こっちにもあるんですね。
それにしても、痴女・・・酷いんじゃなかろうか?

「あまりにも・・・でしたので、
 ランハート様に見えないよう早々に処理させていただきました」

「う~ん、覚えているような覚えてないような?
 まあ、ランハートに抱き着いたまでは覚えています。
 さ、起きて朝食を頂きに行きましょう」

これ以上、この話はしない方がいいでしょう。

「奥様報告案件ですからね?」

「あ゛れ゛っざ~、お願いだからやべで~」

止めてください、死んでしまいますと必死に縋り付いて止めます。

「ダメです!あれほど奥様に言われていたではありませんか!
 もっと自制してください!」

「アレッサの鬼!悪魔!お母様!ヒッ」

顔は笑顔ですが、目が笑ってない・・・

「そうですか、そうですか。
 では私は心を鬼にしてエル様を躾けなければなりませんね。
 お母様・・・なのですよね?」

「あ、いえ、その・・・。
 アレッサは鬼や悪魔ではなく天使ですよ?
 お母様というのもアレッサが私のお母様という訳ではなくてですね?
 そのぉ・・・」

「エル様?天罰ってご存じです?」

「えと・・・こ、言葉は知ってますよ?
 実際にはないんじゃないかな~と思ってますけど」

「私は天使なのですよね?
 でしたら私からの罰は天罰となると思いませんか?」

「えと・・・申し訳ございませんでした~!」

縋り付いていた手を離し、土下座をします。
私はいったい何をしているのでしょう。

「まったく・・・余計なことをするから、話が大きくなったりするのです。
 素直に認め、直していくことが重要ですよ?」

「ごもっともですぅ。
 以後気を付けますぅ」

「では、しっかり報告させていただきます」

「・・・」

縋り付きたいのを我慢です。
目から汗が滝のように流れてますが我慢です。

・・・

ぐったりした私はアレッサに身支度を整えられ、
荷物のように腰辺りで抱えられてランハートと朝食を取るために移動し、
食堂に入ります。

「お、お姉様?
 えと・・・おはようございます」

「はっ!?
 お、おはおうございます。
 ら、ランハート、これは違うのですよ!
 えと・・・違うのですよ!」

ランハートがちょっとびっくりした感じで挨拶してきます。
クラリスとソフィアは先に此方に来て準備していたようで、
私を見てあちゃーって顔をしてます。
焦って上手い言い訳が見つかりません。
慌てている私を席に座らせ、何事も無かったように

「では、お二人とも朝食にいたしましょう」

とアレッサが言います。

「そ、そうですね。
 お姉様、頂きましょう」

「ぐ・・・申し訳ありません。
 ふぅ~~・・・取り乱しました。
 お父様とお母様は暫くお仕事でいらっしゃいませんので、
 いただいてしまいましょう」

・・・

ランハートと今日の予定や、
ダンジョンでどう過ごしていたか等を話しながら
ゆっくり食事を取り、食事が終わった後
頑張るように伝えて判れました。

そして後片付けをメイド長とソフィアに任せ、
アレッサとクラリスを連れて部屋に戻ります。

「あああ~絶対ランハートに変な奴だって思われましたよ~」

「「え?今更ですか?」」

アレッサ、クラリスがびっくりした顔で返してきました。

「え?」

え?今更?
呆然としてたたずんでいると、客間で食事を取った由香さんが部屋に来ました。
そして、私がなぜ呆然としているのかアレッサ達に聞くと呆れながら

「え?今更?」

え?
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