魂つなぐ転移世界 ~私の平穏は何処なのでしょう?~

蒼劉

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三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

騎士達って意外と魔力ないんですね

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はぁ~間に合ってよかったです。
とりあえず、ぐちゃぐちゃになった円卓の部屋に戻ってきました。
まあ、ぐちゃぐちゃなのは私が原因なのですけどね。
皆の慌てようが凄かったとだけ言っておきます。

「すみません、戻りました。
 では、今持っている私達が試した武器を出しますね」

そう言って、作った武器を出します。
出した瞬間、皆の雰囲気が変わって静まり返ります。

「これは・・・なるほど。
 元の武器の性能は判らないけど、どれも魔力が籠ってるね。
 属性付きの魔石が入ったものは属性も付くのか・・・。
 これを見ると属性付きの魔石をもっと確保しておけばと思わされるね。
 属性の方は後で試させてもらうとして、
 通常の魔石が付いたものでもゴーストとかもスキルや魔法使わず問題無く切れそうだ」

お父様がさっきまでの貴族というか責任者の口調ではなく、
何時もの調子で評価をしてくれます。
それを聞いた周りの騎士達がざわめき始めます。

「幾つか魔物を倒したときに得られる武具を確保していると伺ってます。
 魔石をはめ込む窪みの数次第ですが、
 色々強化は出来るかと思います。
 武器の数がそこまで無くて、魔石の大きさとかで試しては無いので、
 その辺りはもっと検証する必要はあるかと思います。
 属性の魔石についても純度とかあるなら、その辺りも要確認ですね。
 後は作る人の魔力量にもよるかもしれません。
 私達に着いてきていただいたパーティーのメンバーで、
 魔力量がそこまで多くない方ですと、魔石一つ埋め込まれた武器でもかなり辛そうでしたし」

私がそう言うと、皆が考え込むように黙り
「魔力か・・・」
とか呟きが聞こえます。

「魔石が少々多くなったとしても、
 私が知る人ですと、
 お父様とお母様、メイド長、アレッサ、クラリス、由香さんでしたら
 問題無く作成できるはずです。
 同じぐらいの魔力量でしたら問題無いかと思います」

そう言うとさらに考え始めます。
お父様が苦笑しながら

「そのメンバーと同じぐらいの魔力量となると、
 魔法使う人が少ないから、騎士団だと厳しいだろうね。
 騎士団長が何とかなるかもしれないぐらいかな。
 屋敷に居るメイド達の方が魔力はあるかもしれないな」

あ~騎士団に魔法士っていないのか。
私みたいに魔法で攻撃とかって少ないからなのかな。

「とりあえず、エル。
 この武器は買い取らせてもらってもいいかい?」

「はい、大丈夫です。
 ただ、私達以外にも作成してもらっているので、
 そちらについては少し買取価格を考えていただけるとありがたいです」

「判ったよ。
 ではそちらは後で相談だね。
 さて、これで屋敷にある武器を加工できれば、
 今回ダンジョン攻略に携わった騎士達ぐらいなら分配できそうだ。
 もちろん他を希望するのであれば、そちらを優先するが・・・
 まあ、希望を聞いて纏めておいてくれ」

お父様が騎士団長の方を向いてそう言うと

「はっ判りました。
 作成された武器を確認してから希望を取ることになるかとは思いますが、
 纏めて提出いたします」

姿勢を正して答えます。

「では、悪いがダンジョンは辺境伯家で管理させていただく。
 あと、今回得た魔石については此方で買い取らせた貰う。
 騎士団の方に今回の臨時報酬に加えておくので、
 後方で守護していた騎士達にもいきわたるようにしてくれ」

「はっ
 では、後程魔石は集めて提出しておきます」

「うむ。
 では、そちらの武器の性能を確認させてもらおうか。
 エル、まだこっちの武器は試してないんだろう?」

「はい、作成はしましたが、扱えるものが居ませんでしたので置いていました。
 利用できるものとしては、お・・・えと・・・」

「ガルフ様です、エル様」

アレッサが耳打ちしてくれます。
おっちゃんが呆れていて、他のメンバは笑いを堪えてます。
お母様が頭を抱えています・・・うう、後が怖い。

「ガルフ様とウルザ様がお持ちです。
 ただ、まだ魔力がそこまで高くありませんので、
 どこまで性能を引き出せるかは判りませんが」

「そうか・・・なら魔力の高い者にも色々試してもらおう。
 では、試すために一度外にでようか」

そうして皆で一度外に出ます。
私は外に出る途中、お母様に掴まりクマの人形状態です。
その人形は少し悲壮感を漂わせていますが・・・

・・・

外に出て私達は騎士団の方々の演武というか、武器の試しを見てます。
何というか・・・凄いですね。

作成したのはナイフ、剣、大剣、斧、弓、槍だったのですが皆普通に扱ってます。
騎士団の人たちは武器を選ばず何でも出来るのでしょうか。

「これは凄いですね。
 炎を纏わせた直後に氷への切り替えも容易ですし、直ぐに切り替わります。
 さらに炎と氷を交互に切り替えてみましたが刀身に歪みも出て無いようですし、
 重力等特殊な物も意外と簡単に制御できます。
 これから作成するものについては、
 希望する魔石を利用して作成して貰えるようお願いしましょう」

そう副団長が団長に話をしているのが聞こえてきます。
おお、簡単に制御できるのですか。
私も後で試してみましょう。

しっかし・・・流石辺境伯家の騎士達ですね。
これも魔王様はいぃ!?

「ふぐぁ!?」

「エル?」

今の私の状態を忘れてましたぁ!
ああぁ、それ以上締めあげられると何かでちゃうぅ!?
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