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三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

ついにダンジョン攻略ですよ!

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恐らく鎧武者がフロアボスなのでしょうね。
いきなり出て来ましたし。

「う~ん・・・これ倒したけど、何か変わりありますかね?」

そう言って、中身のなくなった鎧武具一式を指さします。
ヒドラが足を上げると武具一式に変化したんですね。

「え?ど、どうでしょうか。
 見た感じ特に変化は無いですが・・・
 恐らくこの先に転移門があるのだとは思います・・・」

アレッサが呆然と武具一式を見ながらそう答えます。
というか、アレッサだけではなく皆が呆然と武具一式を見てますね。
ほ、欲しいのかな?
・・・いえ、判ってますよ?
でも、これって召喚場所に突っ込んでくるのが悪くないですか?
こんなの想像できないですし私は何も悪くないですよね?

「あ、あのぉ~・・・
 確かに少しだけかわいそうだとは思いますけど・・・
 で、でも仕方ないですよね。
 私が召喚している所に出てくるんですもの、
 事故・・・そう!事故なんですから!
 それに危険な目に合わなかったのですから問題ないではないですか!」

「ああ、それについてはどうこう言うつもりはないさ。
 ただ・・・哀れだなと」

周りの目が何とも言えない感じです。
わ、判りはしますが私にそんな訴える目をしても困ります。
私は悪くねぇ!

「ふぅ・・・皆さん切り替えましょう。
 エル様の言う通り危険は無かったのですから。
 それに、この武具と奥の状況が気になります」

アレッサがそう言うと皆の目が変わりました。
・・・私が言ってもダメだったのに、何が違うのだろうか。

「それで、クラリスこういった武具について知っていたりしますか?
 これもスケルトンとかが落とす武具と同じようなものですか?」

クラリスが少し悩みながら

「極まれにですが、こういった武具が残ることは知ってはいます。
 実際に見るのは初めてですが・・・先ほどの鎧武者が纏っていた武具となると
 呪いか何か掛かってそうな気もしますね。
 一度何処かできちんと鑑定か解呪をして貰った方がいいかと思います」

「あ~、確かにそうですね。
 鑑定はともかく解呪ってどこでするのです?
 教会とか神社ですか?」

「はい、そこで受けれます。
 呪いが掛かっているかの鑑定も受けることが出来るので、
 戻ったときに行ってみましょう」

なるほど、そこはゲームとかと同じなのですね。

「いえ、私の方で出来るので大丈夫ですよ。
 これから試してみましょう」

メイド長がそう言って前に出ます。
聖女って呼ばれることはあるという事ですか。
聖女の前に色々つくようでなんでもないですから、こっち見ないで。

「で、ではメイド長にお願いしましゅ」

動揺して噛んでしまいました。
おっちゃんのパーティーの女性陣とソフィアは生暖かい目で見てくれますが、
私の考えが読めているアレッサとクラリスの目は若干冷たいです。

「では、行きます」

そう言ってメイド長が武具の前に跪いて祈り始めます。
そうすると前の武具が白く光始め、
暫くすると武具の方から怨霊?のような黒い靄が抜けて消えていきました。
これはやっぱり呪いが掛かってたという事でしょうか?

「終わりました。
 そこまで強い呪いという訳ではありませんが、
 戦闘を求める思考に誘導されるような物が掛かっていました。
 これで安全ではありますが、どなたか使いますか?」

そう言いながら立ち上がり、此方を振り返ります。

「そうですね・・・
 とりあえず先に進んで、落ち着ける所で決めましょう。
 使うにしても慣らしは必要ですし」

「そうですか。
 では、此方は討伐したお嬢様が持っていてもらえますか?
 使わないにしても旦那様方にお見せする必要が在るかとおもいますので」

「あぇ?ひっ!?
 こほん・・・判りました。
 では私が一応保管しておきます」

メイド長が保管するのかと思っていたので、
いきなり振られて思わず変な声が出てしまいました。
一瞬クラリスの目が光ったのが怖かったです・・・。
武具を倉庫に保管して召喚獣を先頭に先に進みます。

・・・
少し進んだ所にちょっとした遺跡風の部屋があり、
その部屋の中央にポケットダンジョンのような水晶柱がありました。

「これで攻略したという事でしょうか?」

「そうですね。
 此処は他のダンジョンとあまり変わり無いようです」

「はい、私が見たダンジョンと変わりありません」

アレッサとメイド長がそう言います。
二人ともお母様と一緒だったから攻略とか色々してるのでしょうね~。

「小規模ダンジョンだったという事ですかね。
 スタンピードもありませんでしたし、よかったです」

「え~っと、これはスタンピードが無かった・・・と言ってよいのでしょうか?
 最初のかなりの数いましたけど・・・」

ソフィアが苦笑しながらそう言うと、皆が確かにと苦笑します。

「では、あの水晶柱の所に行きましょうか。
 大丈夫だとは思いますが、警戒しながら進みましょう」

アレッサがそう言いながら水晶柱の方へ進みます。
それに続いて皆も移動します。

アレッサが水晶柱の前で振り返って

「では、エル様。
 水晶柱に触れてダンジョンを攻略状態にしてもらえますか?」

「え?アレッサでもいいのでは?」

「いえ、恐らくポケットダンジョンに此処を
 取り込むことが出来るのではないでしょうか?
 だとしたら、ポケットダンジョンの管理者である
 エル様が触れるほうが良いかと思います」

なるほど~、確かにそういったことあるかもしれませんね。

「判りました、では私が触れてみますね」

そう言いながら水晶柱に近づいて

「あ、エル様足元!」

「へ?ぶべっ!?」

ソフィアの注意もむなしく、
私は足元の少し大きめの丸石の上に乗り、
体制を崩すというか前に滑るような感じで顔面から水晶柱に突っ込み、
顔が当たって時間差で水晶柱が強烈な光りを放ちます。
顔面強打後に私は何が起こったのか確認するために目を開けてしまい

「目がぁ!?目がぁ!?」

目を押さえて転げまわります。
おろおろする私の従者達と、呆然とするおっちゃん達・・・
こうやって転げまわるのは何度目でしょう。
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