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三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

皆の成長がうらやましいです

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うん、気を取り直しましょう。

「で、では、討伐開始しましょう。
 転移門まで一直線で10kmぐらいですか?
 出来れば明日とかには転移門辺りに着きたいですが、
 木々を確保しながらだと流石に距離ありますよね・・・。
 ゆっくりでも良いので安全に、確実に進みましょう」

その言葉に皆が返事をすると、討伐が開始されました。
と言っても何時もの光景に加えて、メイド長の一撃が含まれますけど。
さて、私はヒドラ達が抜いた木を確保していきますか。

・・・
その後、暫くして木の格納はおっちゃん達に任せて、
一生懸命防壁を伸ばしています。
どうしてって?
魔物の討伐速度がおかしいんです。
メイド長の一撃もおかしいですし、
クラリスも由香さんも撃つ速度がおかしいです。
上空で待機していたドラゴンも一匹降ろして必死に木を抜く作業、
抜いたところから私は防壁を移動させていくって皆が必死です。
おかしいな、もっとゆっくりだと思ってたのに。

「ちょ、ちょっと、魔物の討伐早すぎませんか?
 いえ、早いのは良いんですけど、
 今日で目的地まで着きそうな感じですけど」

「討伐が早いかどうかは判らないけど、
 なんか魔物の位置が良くわかるようになってるんだよね。
 あ、あと良く見える気がするし。
 それもあって、ちょっと楽しくなって来ちゃって」

由香さん・・・またチート成長発揮してませんか?

「あ、由香もですか?
 魔物の位置が何となくわかるんですよね。
 あと魔物のここを射れば良いというのが判るんですよね」

あ、こっちにもおかしいのが居た。
クラリスも最初に会った頃は普通だったのに、
何時のまにかこんなになるとは。
やっぱり辺境伯家がおかしいのかな?
ん~・・・由香さんと一緒に討伐してるから?

「あ、私も苦無の射程距離がかなり伸びているのと、
 魔物の弱点という点が判るようになっています。
 索敵、看破が増えてますから、それでなのでしょうね」

あれ?遠距離討伐参加してなかったアレッサも参加できるようになってる?
アレッサ万能型というより、何でも出来るようになってません?

はっ、まさかソフィアも?
そう思ってソフィアを見ると

「いえ、私は無理ですよ?」

ほっ、置いていかれるかと思いました。
あからさまにほっとしている私を見てかどうかは判りませんが、
アレッサが爆弾を落としてきます。

「確かにソフィアは遠距離は未だですが、
 ソフィアも索敵と看破は増えてましたよね?
 後は遠距離を頑張れば、私達の進み方がさらに強化されるでしょうね」

「え゛?」

私が慌ててソフィアを見ると

「ええ、確かにその二つは増えましたが、
 まだまだアレッサさんほどではありませんし。
 遠距離攻撃手段がない状態ですので、
 何かを増やしたいですね。
 何がいいのか悩みますね」

「あら、ソフィアは盾を持っているじゃない。
 その盾を投げるのは?
 専用武具だから投げても帰ってくるでしょう?」

メイド長がそう提案します。
え?何それ面白い。

「確かに投げれるだろうけど、
 流石に投げた後少しの間でも盾が無いのは怖いよ。
 お母さんじゃないから、そこまで威力ないだろうし」

ソフィアがメイド長に呆れたような感じで返します。
まあ、普通はそうですよね。
ブーメランとか?でも盾が無い時間があるのは変わらないか。

まあ、それはともかく・・・私置いてけぼりじゃね?
いえ、遠距離という点では私も参加できますよ?
でも魔物の弱点というか何処攻撃したらいいとか判りませんし、
遠い魔物は魔力で探知出来ても肉眼では見えません。

でも近距離ですと防御だけ。
地形変化出来るなら四足歩行タイプなら動けないようにして倒せるけど、
スケルトンとかみたいな二足歩行だと手が自由に動くから近寄れない。
地形変化出来ないようなダンジョンだと四足歩行も無理。

・・・私一人だと詰んでね?
頑丈な壁とかを倉庫から出して、籠っていようかな。
召喚魔法があるから、周りは全部任せておけば・・・
あれ?召喚した後ってやっぱり私要らない子じゃね?

「エル様、どうされました?
 先ほどからずっと何かを考えているようですが」

アレッサが心配そうに私を覗きこみます。

「あ~、皆成長凄いですけど、
 私はどうなんだろうかな~とか考えてました」

「エル様の魔力成長は異常を通り越した成長だとは思いますが?」

う、やっぱりそうですかね・・・

「はは、まあ、魔力は成長しているのですけど・・・
 悩んでいたのは私の攻撃手段なのですよね。
 前々からの課題にしてる近距離はどうしようとか、
 地形操作が出来れば遠距離はどうにかなりますけど、
 この前の階層のように地形操作が出来なかったら遠距離はどうしたら良いだろうとか、
 時間があれば考えて状況に合わせて対応できるかもしれませんが、
 前みたいにいきなり一人になったらちょっと危ないかなと。
 なので引きこもれるドーム状の建物とか入れておいて、
 そこに引きこもって召喚獣に後を任せるか?とか」

「そうですね。
 エル様一人で討伐という事はありませんから、
 安全を確保することを第一に考えていただけると、私は安心できます。
 まあ、学園に行き始めると我々がついて行くという事はできませんが、
 それでも召喚獣でどうにもならないことは無いでしょうし、
 学園でそこまでの事は起こらな・・・」

え?何でそこで言葉を止める!?
そして何で私をチラチラ見ながら考え込み始める!?
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