魂つなぐ転移世界 ~私の平穏は何処なのでしょう?~

蒼劉

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三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

言い逃れできない状況というのは自分で作ってしまうのです

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身体強化怖いという事で、魔力制御の練習を進めるという事になりました。
まあ、今直ぐどうこうなるわけではないので、
少しずつという事ですが。

さて、飛び立ったドラゴン達ですが、転移門っぽいものを亀が居た奥の方で見つけました。
やっぱりフロアボスだったみたいですね。

今日は雨ですし、明日晴れていたら向かう事になりました。
ただ、どうやって移動するかですよね。
森の中を集団で行動って危険ですから、
どう動くか考えないとですよね。

「森の中を集団で行動することの注意点とかありますか?
 それでもし事前に対処というか、
 魔法で何か出来るならしておこうかと思いまして」

「ん?そうだな・・・
 出来るだけ武器が扱える場所を通るとか、
 武器が振りまわせないところだったら、
 周りに魔物が居ないか偵察して武器が扱える所に誘導するとかか?」

「武器が扱えないような場所なら、無理やり振って切り開けばいいのですよ」

「メイド長、脳筋発言は止めてください。
 私は格闘ですから武器は気にしませんし・・・クラリスはどうです?」

「私は木の上を移動したり、魔物を見つけたら遠距離で倒すか迂回するかですね。
 集団行動ですととにかく早く魔物を見つけて倒してましたが・・・
 此処ですと壁の上から倒して移動したほうがいいかもしれませんね」

「そうね、この上から倒していって拠点というか防壁拡張していくでもいいんじゃない?
 急いではないでしょ?」

「なるほど、クラリスと由香さんの言う通り、
 壁の上から魔物倒して進むのはありですね。
 空から襲われることは無さそうですし、
 一応ドラゴン上空に待機させてればいいですかね?」

「それなら安全に防壁の上で行動出来そうですね。
 なら遠距離で攻撃できる人で討伐をしましょうか」

「そうですね、では明日から少しずつ進めますか。
 遠距離攻撃できる方は・・・」

私達以外だと長距離は厳しいみたい。

「どうしますかね~、何か攻撃手段があればいいんですが・・・
 あ!魔弓使ってみます?
 今1つしかありませんし、今晩試しに戦利品の弓試してみましょう」

「そうですね、魔弓なら威力も飛距離も伸びますから、良いと思います。
 問題はMPでしょうけど、防壁の上ですからMP切れても危険はありませんから」

クラリスが同意してくれます。

「では、それで進めましょう。
 あと、雨が多いなら防壁に屋根を作らないといけないですね」

う~ん、防壁として作ると防壁全部を対応しないといけないから面倒ですね。
今回は転移門側だけだし、傘というかちょっとした屋根があればいいかな?
土で作ると雨が染み込んで崩れそうですし、ん~・・・晴れてればな~。
乾燥できないからな~。

「仕方ありません。
 今日は木材加工して屋根付けましょうか」

木材加工苦手なのですけど、そうも言ってられないですね。
あれ?何か引っかかるような?
・・・

私の目の前に無残な姿になった、板達が並んでいました。
まあ、ちょ~っと歪ですが屋根に見えなくもないな~って感じです。
雨は凌げそうにないですが。
おかしいな、どうしてこうなった・・・

アレッサ達も私の作った屋根をじっと見てます。

「お嬢様?拠点としている建物の屋根ってお嬢様が作られたのですよね?」

メイド長が私の作った屋根を見ながらそう呟きます。
しまった!忘れてた!さっき引っ掛かってたのは此れだ!

「ええ、そうですよ。
 と、当然じゃないですか」

やべ、動揺してどもってしまった。
当然じゃないですかって顔で此処はやり過ごさないと。
だ、大丈夫かな?

「エル様?」

「あ、アレッサ、なんでしょう?」

「本当のことを言ってくれないと」

アレッサが目を細めてそう言います。
あ、やべ、疑われてる。

「え?
 そ、その・・・言ってくれないと?」

ごくり・・・

「こうですよ?」

倉庫からスイカを取り出して片手で握り
ばしゃっ
と簡単につぶれました。
アレッサは物凄く良い笑顔です。

えと、これが私の頭の未来・・・という事でしょうか?
少しの間呆然とつぶれてぼたぼたと落ちるスイカを見ていると

「エル様?」

「ひぃ!?屋敷の専属庭師の方々に手伝ってもらいました!」

「そう言う事でしたか。
 いけませんね、きちんと私達に報告していなかったという事ですか。
 これはきちんと言っておかないといけませんね。
 次からはエル様から依頼や相談事があった場合、
 一度止めて私達にきちんと伝えて貰わないと」

「えと・・・私がこっそりお願いしたわけですし、
 そこまでは必要ないんじゃないかな~と
 わ、私は思うのですが~」

そう言うとアレッサは良い笑顔になり、
今度は倉庫からカボチャを取り出し、同じように片手で
ばきゃっ
と潰します。
た、食べ物は大事にした方がいいかな~と思いますよ~

「エル様?何か言いましたか?」

「にゃ、何でもありましぇん・・・」

ごめんなさい!トム爺さん!
私の御願いを聞いてこっそり手伝ってもらったのに・・・不甲斐ない私を許して!
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