魂つなぐ転移世界 ~私の平穏は何処なのでしょう?~

蒼劉

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三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

花火はお好きですか?見るのは好きですが・・・

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うう、頭がぐわんぐわんする。
前後ハリセンからの頭鷲掴みからの片手持ち上げで左右からお説教。
お母様が容赦なくやってしまいなさいとか言ったせいですよね、これって。
ちょ~っと魔王様発言しただけな・・・なんでもないです。
奥様に対する発言として淑女にあるまじきって・・・討伐者やってる時点で、
その辺り大目に見てもらいたいものです。
それにお母様があんなにおかしな強さ持って無かったら私だってきっと・・・
あれ?か、変わらないかも?
そ、そんなことないよね。

・・・

今日はフロアボスを倒したか確認した後、
次のフロアへの転移門を探すことになりました。
と言っても、歩いて転移門を探すという訳ではなく、
ドラゴンで探索し、見つかるまでは昨日と同じように木の確保とかを進めます。
空飛ぶ魔物が居ないのは楽ですよね~、雨が多いからでしょうか?

これで判ったと思いますが、今日も雨です。
というか、土砂降りです。
まあ、だから式紙が探索に参加出来ないんですよね。
まだ普通の鳥しか出せないですし。
式紙あれから増えたのって、何故かトカゲなんですよね。
トカゲとか使いどころがない・・・猫とかじゃないのって何故でしょう?

さて、ドラゴン召喚して探索させますか。
木を伐採して広くなったところに召喚しますか。

「じゃあ、そこにドラゴン召喚するので、
 皆下がっていてください」

そう言って皆が私の後ろに下がったのを確認して飛べるドラゴン1体召喚します。
うん、やっぱりでかい・・・何でこうなっちゃったんだろう?
進化ってやつですよね、これって。
やっぱり魔力一杯上げたから進化したのかな?
ヒドラもだし、くしゃみでやらかしたのもあるし。

もしかして召喚獣として取り込むとき、過剰に魔力流すと進化するのかも。
でも、どれ位流せばいいかは判んないですよね。
次取り込むとき皆に言って試してみましょうか。

「ここ以外の転移門を見つけたら教えてください。
 では、探索お願いします」

そう言うと、ドラゴンは飛び立ち、
一度旋回してから飛び立っていきました。

もう一体も召喚して、同じようにお願いすると、
さっきとは別の方向に飛び立っていきます。

「さて、これで転移門はそのうち見つかるでしょう。
 それまで此処で討伐とか木の伐採とか進めましょう」

「普通は探索ってこんなに楽じゃないはずなんだがな・・・
 まあ、安全なのは良いことなんだがな。
 レベルは上がるが、感覚とか鈍りそうだな」

あ、確かに。
そう言う事考えてませんでした。

「はっ!?まさか、それで私の筋力が成長しなかったのかも!?」

きっとそうよ!それで成長しなかったのよ!

「あ~そうですね~、そうかもしれませんね~」

アレッサが明後日の方向を見ながら棒読みで同意してきます。
何かやる気も全く無さそうな感じですが?

「何ですかアレッサ。
 私の筋力が成長しなかったのは別の理由だというのですか?」

「エル様、普段訓練で小太刀とか色々振り回してますよね?
 腕力という点では成長しそうではありますが、変化有りませんよね?
 感覚が鈍るという事で関係は無さそうな気がしますが?」

ズバッとアレッサが切り込んできます。

「うぐっ。
 そ、それはそうなのですが・・・
 では何ですか?私の筋力が全然上がらないのは他に原因があると?」

「恐らくですが、エル様の魔力が異常なのは筋力とか色々犠牲にしている気がします。
 あと、エル様の魔力ですがステータス数値はあまり参考にならないかもしれません」

「え?数値って正しいのではないのですか?」

「私達はエル様の過去の数値は既に追い越しているはずですが、
 エル様と同じことが出来るかと言われると、出来ないと断言が出来ます。
 これは何かしらの補正が掛かっているように思われます。
 これが種族でなのか、称号でなのかは分かりませんし、
 ステータスでは見えない何かがあるのかもしれません」

「・・・私の魔力というか、魔法ってそこまで異常ですか?」

「私もおかしいと思うよ?
 だって、転移者だからか判らないけど、
 私のステータスの上がり方っておかしいじゃない?
 まあ、アレッサやクラリス、ソフィアちゃんもおかしいと言えばおかしいんだけど、
 そのステータスを持って、同じような思考を持ってる私でも
 エルちゃんと同じこと出来ないからね」

由香さんがちょっと考えながらそう言います。

「そうですね。
 今なら昔作成されていた防壁の作成等出来るかと思いましたが、
 ダンジョン内では全くできそうにありません。
 外でなら何とか出来るか?といった所でしょうか」

今度はクラリスが同じことはできそうにないと言ってきます。
ん~、そういえばダンジョンに取り込まれた時も私は普通に出来てたな。
土移動させるだけだと思ってましたけど、
そんなに難しい・・・いえ、魔力が足りなくて出来ないですね。

「私の最初のステータスって魔力は高かったですけど、
 今のクラリス達を思うとそこまでではないですよね?
 魔力が数値以上・・・MPは正しそうだから、
 魔力だけがおかしい感じですか。
 一体魔力数値の何倍あるんだって感じですね・・・」

「その辺りは旦那様と奥様も含めて、
 一度考える必要がありますね。
 このまま魔力が増えて、体を壊すようではいけませんから。
 もしかしたら魔力を抑えるための道具の用意が必要になる可能性もあります」

アレッサが考えるように顎に手を当てて言ってきます。
う、魔力を抑えるか~、それで魔力制御とか色々クラリス達が話をしてたのですね。

「となると、身体強化とかも控えた方が良さそうですね。
 筋肉痛が怖くて少しだけしかやってませんでしたけど、
 もし全力でやったら一瞬で肉離れか何か起こして動けなくなりそうです」

「確かに、身体強化はしない方が良いでしょう。
 魔力調整間違えると、良くてベッドから動けない生活になりそうですね」

ぐげ、最終手段として身体強化で筋力つけようかと思ってましたけど、
絶対にやらない方がいいですね。
というか、私の魔力で身体強化したら、体パーン案件?
良かった、やらなくて良かった。
変な未来というか、花火を想像して、さっきから汗が止まりません。
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