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三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

落ち込む人を見ると、思わずいろいろ言ってしまいますよね

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んん?・・・朝・・・ですか?
少し身じろきをすると

「お目覚めですか?エル様」

アレッサの声が聞こえてきました。

「ううん・・・アレッサ?
 あれ?此処は?」

そう言いながら上半身を起こすと、
隣にソフィアが寝てる・・・と言いますか、お腹の辺りに抱き着いてました。
私今まで気づかなかったのか。

「此処はダンジョンの拠点としている家ですよ。
 昨日はそのぉ・・・クラリスの作ったお茶菓子を食べて・・・ですね?
 食卓で倒れられたのですが、覚えていませんか?」

そういえば、ソフィアが出してくれたお茶菓子食べて・・・

「思い出しました。
 ソフィアが出してくれたお茶菓子を食べて・・・
 まさか、クラリスの作ったものだとは思いませんでした。
 ソフィアを介して盛りに来るとは、クラリス恐ろしい」

「あ~・・・あの後ソフィアも大変でしたね。
 エル様になんてものを、かくなる上は私もとか錯乱してしまったりして、
 止めるのが大変でした」

「あ~、ソフィアからしたら私に毒を盛ったような感じですからね。
 クラリスの料理のことを良く知らなければ、仕方ありませんよ。
 ソフィアを止めてくれて、ありがとうございます」

「はい、ですがお体は大丈夫ですか?
 今日はお休みにされますか?」

「いえ、体調に問題はありません。
 クラリスの料理のある意味凄いところは、
 その後に後遺症等が残らないことでしょうか」

アレッサの目線が上に向いて困った感じで

「え?あ~・・・た、確かにそうでしたね。
 倒れた後、体調が悪い等はありませんでしたね・・・
 良かったという覚えもありませんが」

「不思議ですよね。
 毒耐性もさらに上がってるし・・・あれって何なんでしょう」

そう言いながら、ソフィアの頭を撫でます。

「そうですね・・・一度由香にサンプルを
 取ってもらって研究してもらった方が・・・
 これ、もしかしたら魔物討伐のサポートアイテムで使えるかも・・・
 速攻性ですが、口の中に入れないと効果が無いから難しいですか」

アレッサが、そうぶつぶつ言いながら考え込んでますね。
確かに魔物相手に使えるならかなり有効ですよね。
私が生きてるから即死性の毒物ではないですが、
昏倒出来たら倒しやすくなりますし。

う~ん・・・確かに研究してみる価値はあるのかな~。
そう考えていると、ソフィアが起きました。

「あ、エル様・・・おはようござい・・・
 エル様!大丈夫ですか!?」

眠そうにしてましたが、昨日のことを思い出したのか、
慌てて私に詰め寄ります。

「大丈夫ですよ。
 ソフィア、クラリスの料理には気を付けなさい。
 あれは・・・」

「あれは何でしょう?」

「あれはど・・・・え?」

ソフィアじゃない声で聞かれたような・・・

「エル様、おはようございます。
 それで、私の料理があれというのは?」

クラリスが不思議そうな顔をして此方を見ていました。
・・・いつの間に・・・

「え・・・えっとですね」

困ってアレッサの方に目を向けると、
アレッサは顔を逸らしてます。
は、薄情者~!

「えとえと・・・何故かクラリスの料理を食べると
 昏倒してしまうんですよね。
 な、何故でしょうね、あははは」

そっとクラリスの表情を伺うと、困った表情ですね。
うあ、まずったか!?

「それはやっぱりおいしくないのでしょうか?」

そう悲しそうに言うので思わず

「そ、そんなことありませんよ!?
 全然問題ないですよ!」

「あ、そうですか?
 では、また作りますね♪」

ああ・・・終わった・・・
アレッサはあちゃ~という感じで顔に手を当ててますね。
はは、私・・・間もなく終了のお知らせ。
いっそ今殺せ。

・・・
とりあえず、昨日お風呂に入れてないので軽く入ってさっぱりた後、
着替えてリビングに向かいます。

「おはよう、お嬢体大丈夫か?
 疲れが貯まってたのか?」

おっちゃん達が心配そうにこっちを見てきます。

「ご心配をおかけしました。
 体調に問題はありませんよ。
 疲れて倒れたという訳ではありませんし」

「お、お嬢?目が死んでるが・・・大丈夫か?」

「はい、起きるまでは大丈夫でした・・・いえ、大丈夫です。
 午前中は拠点をフロアボスが居た部屋に移動するだけにしようかと思いますので、
 午前中はゆっくりさせて貰います」

「まあ、午前中それだけなら、ゆっくりならお嬢も休めるか。
 でも無理だけはするなよ?」

「はい、判ってます。
 何かあってはいけませんから、
 少しでも体調に問題があるようでしたらきちんと言います」

「人数が多いし、戦力も十分だから、
 無理は絶対しちゃダメだからな。
 お嬢はまだ子供なんだし」

そうでした、この体まだ子供なんでした。
前の世界の記憶があるし、皆と一緒に行動してるから、
子供だという事をすっかり忘れてました。

「そうですね、子供でした・・・
 あ、いえ、スタンピードになりそうな魔物は処理しましたので、
 皆無理しないよう、のんびり行きましょう」

「おう」

「食事の準備が出来ましたので、席にどうぞ」

メイド長に呼ばれたので席に着きます。

「では、いただきま~す。
 ・・・げふぅ!?」

ガシャーン!
一口食べ、顔からお皿に倒れ込みました。
皆が私を呼んでいるのが、かすかに聞こえました。
まさか、いきなり仕込んでくるとは・・・
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