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三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

報告は正確な情報すべて上げないとダメですよ?

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え~、ご想像通りまた正座させられ、説教されました。

「えぐ・・・ふぐ・・・まだ・・・なんにもじでないのにぃ・・・」

「まだ・・・ですよね?
 これからやる気ですよね?」

アレッサが目を細めながら顔を近づけてきます。

「わかりました!わかりましたからぁ!
 そ、そんなに顔近づけないでください~」

「全く、駄目ですよ?
 何か物を作成したいときは言っていただければ、
 ある程度は融通できますので、
 夜更かしせずにきちんと言ってください。
 それに、夜更かししてたりするとちゃんと成長できませんよ?」

「はい・・・ちゃんと相談します。
 体成長できないと困りますし・・・」

反省して今度からはちゃんと相談します。
決して成長に反応したのではありません。

・・・

さて、次のフロアへの転移門の前でこうやって休憩しているのは、
ネズミさんの報告を待っている状態です。

説教が始まる前に次のフロアの偵察に出てくれてるのですが、まだ戻って来ていません。
やられたとかそういう感じではなく、まだ調査している状態のようですが・・・
白ネズミさんが何か書いてますね。

次のフロアの情報ですかね・・・森か~・・・

「次のフロアは森みたいですね。
 出たところが開けているわけではないので、
 拠点を作る為に伐採とか必要そうですね」

「森か・・・視界が開けて無いと色々困るだろうな。
 今から行ってもあまり作業はできそうにないが、どうする?」

おっちゃんが周りの皆に確認します。

「向こうはまだ日が高いのですか?」

アレッサが白ネズミさんに聞くと、少し悩んだ感じで、
恐らくお昼過ぎた辺りだと思われるという回答が書き出されました。

「でしたら、少し伐採しませんか?
 周りの監視と伐採で分けてしまいましょう。
 ガルフ様方は伐採で倉庫に木々を収めて行ってもらえればと思います。
 木の方はエル様が防壁周辺でやったように木を持ち上げて貰いましょう。
 周りの監視は最初エル様に感知してもらって、
 付近の討伐を完了させた後、私達で監視しましょう」

「そうですね。
 エル様が最初に反映索敵してくださるなら、
 周りは問題無くなるでしょうから、後は私達でどうにかなりそうです。
 ガルフ様方でもエル様を真似て伐採を進めてもらえたら、
 魔力を鍛えるのに丁度いいのではないでしょうか?
 あ、ソフィアもそちらに加わる?」

クラリスがそう言うとソフィアは頷きながら

「はい、エル様の傍でお手伝いします」

「じゃあ、最初はお嬢頼みだな。
 入ってすぐに脅威はあるのか?」

おっちゃんが白ネズミさんに問いかけると、
大丈夫問題無しと書いてサムズアップしてます。

「ねぇ、アレッサ。
 私も伐採側に回った方がいいですか?」

「メイド長は自重しましょう。
 木材として取っておきたいので、メイド長がやってしまうと、
 伐採ではなく粉砕になってしまいます」

アレッサがメイド長を止めると、
仕方ありませんねという感じで引き下がります。

「ただ、周りの魔物の脅威度によりますが、
 周りの支援の届く範囲で前に出てくださって構いませんから」

そう言うと、メイド長は嬉しそうというか、
恍惚な表情をしてありがとうとアレッサに伝えてます。
・・・メイド長ってやべぇ・・・
あれ?お母様メイド長にハリセン渡してるって言ってたような?
・・・叩かれた時、私の頭残ってるかしら。

「と、とりあえず、問題無しという事であれば、早速行きましょう。
 森での行動になりますし、あと此方も魔物が出てこないとも限らないですから
 早めに切り上げるという事で、日が傾き始めたらやめましょう。
 食料等も十分以上にありますし急ぐ必要はないので、確実に進めましょう。
 では、行きましょうか」

そう言って入ろうとすると、アレッサが慌てて手を繋いできました。

「いきなり入ろうとしないでください。
 また、何かあったらいけませんから、
 一緒に入りましょう」

あのポケットダンジョンに取り込まれた時から、
転移門とかくぐる時、アレッサが手を繋いでくるんですよね。
どうにもトラウマっぽくなってるんですよね。
まあ、私も嬉しいからいいんですけど。

そんなことを考えていると、反対側の手をソフィアに握られます。

「そうですよ、置いて行かれるのはもう嫌ですからね」

ああ、この子ともはぐれたというか、私が放り出したから・・・
この子が一番きつかったかもな~。

「じゃあ、行きましょう」

そう言って3人で揃って入ります。
後ろ数名がニヤニヤした目で見てる気がします。
あれ?何処かで同じこと無かったっけ?
ん~・・・まあいいか。

転移門をくぐった先は確かに森と言えば森でした。
ですが、これってジャングルって表現の方があってないですかね?
そして・・・土砂降りの雨・・・私達は一瞬でずぶ濡れになります。
3人通る時前を向いていたのに、今は3人とも下を向いてます。
ちらりと白ネズミさんを見ると、サッと顔を背けます。
ふ~ん、知ってたんだ・・・
パーティー会話で大丈夫だけどちょっと待つように伝えると
私達をというより転移門を中心に屋根だけの建物を倉庫から取り出します。
今の状態で襲われたりしたらいけませんし、やることがありますから。

「ねぇ、白ネズミさん?
 ちょ~っとお話しましょうか?」

私達は白ネズミさんを取り囲み、見下ろすとガタガタ震え始めました。
おかしいですねぇ、ちょっとお話するだけなのに、どうしたのでしょうね?
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