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三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

余計なことを言ってしまうと、後が大変なのです

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なんか今不穏な言葉が聞こえたような?
周りのみんなも何かびっくりしたような顔でアレッサとメイド長を交互に見ています。

「えと、アレッサ?
 メイド長のこと・・・今なんて言いました?」

「あ!?
 いえ・・・その・・・な、なんのことでしょう?」

必死で誤魔化そうとしていますが、皆聞いてましたよ?
そのメイド長は何か生き生きとした顔ですね。
アレッサがメイド長に詰め寄って行きます。

「メイド長!いきなり前に出るとか困ります!」

「ふふふ、やっぱり偶には前に出ないと体が鈍りますね」

「メイド長・・・無暗に前に出ないでください。
 今回はヘルハウンドだったので問題はありませんが・・・
 もっと手ごわい相手だったら支援が難しくなりますから」

「そう言って貴方たちが抑え込むんですから。
 私は支援だけでなく、時々こうやって前に出たいのです」

メイド長は全くと言った感じで腰に手を当ててそう言います。

「あなたは基本的にですが支援職なのですよ?
 過去支援クラスのみだった時に前に出たいからと、
 無理やりメイス持って来た時は本当にどうしようかと・・・」

アレッサがげんなりしながらそう言うと

「あら、だって皆が分断された時に私だけ魔物を倒せなかったじゃないですか?
 それで何かできないかと持って行ったのです。
 十分扱えるようになったから良いではないですか」

「それは確かに十分扱えるようになっているとは思いますよ?
 ですが・・・それで時々前に出て暴走するではありませんか。
 そんな行動するから《撲殺聖女》と呼ばれるようになったんですよ?
 バーサーカーの職を得たからとはいえ、規則性のない動きをされるので、
 前に出られた後のサポートが大変なのですから、少しは自重してください!」

・・・やっぱり《撲殺聖女》は聞き間違いじゃなかった。
今回は一撃必殺でしたけど、きっと耐久ある魔物をぼこぼこにしたんでしょうね・・・
一撃だと必殺聖女でしょうし。
アレッサは一生懸命色々行ってますけど、メイド長はニコニコしてますね。
何となくだけど、昔からこんな感じだったのかな~。

「お母さん、名前が付けられるほど凄かったんだ。
 すごいね」

ソフィア、それなんか違う。
普通だったら恥ずか死するから。

「あらあら、ありがとう♪」

メイド長、それもなんか違う。
普通恥ずかしがる所だから。

「はぁ~~~・・・・。
 今回は仕方ありませんが、次からは少し自重してくださいね。
 昔と違ってサポートできるメンバーが少ないのですから」

「判っています。
 今回は早々に倒さないと面倒だから前に出ただけですから」

「確かに・・・ヘルハウンドは俊敏ですから、
 人数が多いと難しい敵になりますね・・・。
 ふぅ・・・仕方りませんね」

やれやれといった感じでアレッサが笑います。
アレッサも落ち着いてきましたね。
メイド長はアレッサに向かって頷いた後、ソフィアと話始めました。
私はアレッサの傍に行き、

「あの大きさで俊敏な動きをされると、
 難しかったでしょうね。
 私とか対応が出来ないから、アレッサ達頼みになるでしょうし、
 私の守りで皆大変になりそうです」

「あ~、エル様の守りの話だけではないのですが・・・
 それにエル様でしたら、恐らく放置しても問題無いかと思われます」

「え?流石に無理があるのではないですか?
 あの大きさの魔物が相手ですと、体当たりであっという間に吹き飛ばされたり、
 齧られたりして終わると思いますが」

どう考えても、直接やりあって勝てるビジョンが見えないのです。

「確かにそうかもしれませんが、
 ヘルハウンド程度がエル様のマジックガードを抜けるとは思えません。
 エル様ならMPが無くなることはありませんから、
 マジックガードを張り続ければ、時間は掛かるでしょうが倒せるでしょう。
 見えないところからなら、直ぐでしょうが」

「いや、丸呑みされたら終わりでしょ?
 物語みたいにお腹の中から~とかは無理でしょうし」

「流石にそうなってしまうと難しいでしょうが、
 倉庫に大量に物があるのですから、どうにか出来るのでは?」

「・・・考えつきませんでした。
 というか、考えられてないという時点で呑まれたら終わってますね」

「確かに・・・では、丸呑みにされないように気を付けないとですね。
 まあ、エル様も動きは良くなってきてますから、大丈夫だと思いますよ。
 ですが、最近まで力をつけるのは嫌だみたいでしたけど、
 急に力で後れを取ると落ち込むようになりましたね。
 どうされたのですか?」

「ああ、それですか。
 嫌だったのは私の年齢といいますか、身長ですね。
 あのまま力をつけて成長し無くなってロリババアになるとかが嫌だったのです。
 去年に比べて身長が3cm伸びてたので、力をつけても問題ないことが判ったので、
 それなら皆に後れを取らないように力が欲しいとなりまして」

「ああ、そう言う事ですか。
 成長することが確認できたからと・・・でしたら、前衛訓練のレベルをもう少し上げますか?
 もしかしたら前衛職が出て来て、何か力が増えるかもしれませんよ?」

「う・・・前衛訓練ですかぁ・・・
 時間が取られると内職出来る時間が少なくなるのかな~。
 う~ん・・・」

「・・・エル様、懲りてませんね?
 まだお説教が足りませんでしたか?」

アレッサの頭にバッテンマークが・・・え?あ、あれ?なぜ?
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