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三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

許可はあくまで許可であって・・・ぱーとつー

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どういうことか色々クラリスに問い詰めてみましたが、
「普段の行いを思い返しながら胸に手を当てて考えてみてください」
と言われました。
・・・判らん。

「・・・それよりも、レール等の設置をお願いできますか?
 アレッサ達もそろそろ討伐を開始しているでしょうから、
 此方も討伐を進めましょう」

ちょっと白い目で見られた気がしましたが、気のせいですよね。
え?気のせいですよね?

「ご、ごほん。
 そ、そうですね、直ぐにやってしまいます」

クラリスの目が鋭くなってきたので、慌てて2本目の通路に取り掛かります。
奥の方は大分魔物が集まっているようで、もう少しで壁まで到達しそうです。
レールを付けて、溝を掘って、移動させる用の・・・少しだけ奥に押して、新たな壁を用意して・・・
中央の壁と同じ処理をしていきます。

「で、出来ました。
 少し下り坂気味になっているので、上の方を壁に貼り付けているので、
 動かすときそこに気を付けてください」

「ありがとうございます。
 なるほど、最初の壁はその貼り付けを忘れて、
 無理やり移動させて吹き飛んだという感じですか。
 私も似たようにして吹き飛ばしましょう。
 アレッサに一応連絡をしてやってみますね。
 エル様は3本目の通路をお願いできますか?
 あ、実施する前にアレッサに連絡を入れてくださいね。
 くれぐれも連絡は忘れないようにしてください?
 他の皆は余裕がない可能性があるので、アレッサにですよ?」

そう言いながら、私に顔を近づけてジト目で見てきます。

「わ、判りました!
 ちゃ、ちゃんとアレッサに連絡入れますから、
 そんなに顔を近づけなくても大丈夫です!」

「・・・お願いしますね?
 では、私はアレッサに連絡を入れて実行しますので、
 そちらはお願いします」

そう言ってクラリスがレールを付けた右側の通路に移動してきます。
ふぅ・・・流石魔王様そっき・・・何でもないですから、振り向かないでください。
あまりぐずぐずしてると、また色々言われちゃいますね。
左側の通路に移動して同じように処理していきます。
・・・

さて、用意できました。
クラリスの方も上手くやってるみたいですね。
私がやったように玉にして転がしているみたいです。
討伐数は・・・どうだろう?三分の一ぐらいになっている気はしますが。
火とか使えれば楽なんですけどね~、
流石にこのタイプのダンジョンで火は危険ですよね・・・

まあいいです、準備が出来たのでアレッサに連絡してやっちゃいますか。

『アレッサ、左側の通路の準備が出来ましたので、魔物の処理開始しますね』

『判りました、お願いします』

さて、連絡もしたし・・・忘れてること無いですよね?
では、行きますか~。

・・・

壁を突っ込ませて魔物を引き潰した後、玉にして転がして三分の二ぐらい倒しましたが、
中々当たらないですね。
何かいい方法ないかな・・・

玉・・・細い通路なら良いんでしょうけど、当たる範囲が狭いのが難点ですか。
他に何かいいトラップ無いかな~。

爆発はダメだし、棘も玉を変化させるので範囲が狭い。
ん~・・・回転・・・扇風機?
おお、扇風機の羽みたいに横に伸ばして回転させればいいのか。
扇風機の羽を刃物みたいにしたらさらに効果的に!?
んふふ・・・とりあえず変化させてそこで回転させてみましょう。

ん~・・・動かないから判んないですね。
減ってるような気はするんですが、吹き飛ばしているのかな?
機能してるのか良くわからない・・・

困ったな~いい案だと思ったんだけどな~。
効果があるか全くわからない。

動かしてみたい、動かしてみたい、動かしてみたい・・・
誘惑が・・・

悪魔「やっちまえよ、ばれねぇって」
天使「ダメですよ、先ほど注意されたばかりではありませんか」
悪魔「それなら、アレッサとクラリスに連絡入れれば大丈夫だって」
天使「ですが注意されていますし」
悪魔「大丈夫大丈夫、一言伝えれば問題ねぇって」
天使「そうでしょうか・・・」
悪魔「なぁ、それより気にならねぇのか?」
天使「それは・・・気になりますが・・・」
悪魔「だろ?やっちまおうぜ」
天使「そ、そうですね、伝えたら大丈夫ですよね」

私の天使弱!
ま、まあアレッサとクラリスに伝えたら大丈夫ですよね?

『アレッサ、クラリス、今大丈夫ですか?』

『・・・なんでしょう?』

アレッサから何かやらかしましたかって雰囲気の声が聞こえてきました。

『アレッサ、大丈夫でしょ。
 私も傍に居ますし、今の所おかしなことはされていません』

『あのぉ、何かする体で話すのは止めてもらっていいですか?』

『『これまでのことを思い返してください』』

『うぐはぁ・・・』

二人の言葉が胸に突き刺さります。

『それで、どうされましたか?』

『えとですね・・・あのぉ、今壁を玉にして動かしてるじゃないですか?
 それを扇風機の羽みたいにして動かしたいのですが・・・いいですか?』

『『せんぷうき?』』

あ、扇風機無いのか。
そうですよね、風魔法とかでどうとでもなりますし、
エアコンのような魔道具あるから・・・

『え~と・・・中心軸があって、そこに羽が付いていて、回転して風を起こす道具でしょうか。
 うまく説明できませんが、
 やろうとしているのは円柱の周りに刃物をくっつけて回転させる感じで伝わるでしょうか?』

『・・・何となくは判りますが・・・大丈夫ですか?
 何となく嫌な予感がするのですが』

『そうですか?私の直感は特に反応していませんが』

『エル様の直感はあまりあてにならないですからね』

『そうですね・・・アレッサの言う通り、
 こういう時のエル様の直感は働くことがありませんから』

酷いんではなかろうか?

『で、でも、反応していないという事は危険はないってことですよね?ね?』

『『まあ・・・確かに』』

『そ、それならやってもいいですよね?』

『危険そうなら直ぐにやめてくださいね?』

『判りました、ではやってみます』

ふふん、許可を貰いました。
では早速!うりゃ~・・・ってこれ動かすのムズ!
魔物に当たる度にバランスがって・・・おお・・・おぉ・・・おおぉお!?
た、倒れる!

ギャリギャリギャリ!バキバキ!ガンガン!ドガン!!!

・・・えと・・・
う、後ろから物凄い威圧、パーティー会話が物凄い賑わってますね・・・
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