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三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

早く着いても、やることやってないと意味ないですよ?

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え~・・・皆の視線を集めながらゲートをくぐり、かなり広い道路に出ます。
緊急用の馬車は・・・ゲートの隣にかなり大きな倉庫があるので、
そちらで管理しているのですかね。

私達は走っていくので、そちらは見ずに合流用の道路に出ます。
なんかまんま高速道路みたいですね。

「さて、これから出発しますが、
 急加速で頭が持っていかれないように徐々に速度を上げます。
 念のため前へ体重をかけて私にくっつくようにしてください」

「わ、わかりました。
 ちょ、ちょっと怖いですが、大丈夫です」

「では、行きます」

そう言うとアレッサが徐々に速度を上げていきます。
あっという間に先ほどの速度を超えて、さらに速度が上がります。

「あまり前傾姿勢は取れないので、
 とりあえず、この辺りの速度で走りますね。
 エル様大丈夫ですか?」

そう言ってアレッサは速度を固定します。
風景の流れ方から電車と同じぐらいかそれ以上出てる気がします。
アレッサが壁になってくれて風は直接受けてませんが、
直接風受けてたら息がちゃんとできたか不安ですね。

「大丈夫です。
 これだけの速度が出ていて、まだ速度上げれるんですね・・・」

「そうですね、今が7割ぐらいの速度でしょうか。
 ですが、旦那様や奥様は私の全力より早いですよ?」

「こ、これで7割・・・
 お母様はもっと上・・・やっぱり・・・」

「エル様?」

「な、何でもないですよ!?
 魔王様ぱねぇなんて考えてないんですから!」

「何も言ってませんが、墓穴を掘っていますよ。
 それはともかく、この速度でしたら後数分で付きます。
 最後の方だけ本気で走りますので、加速するとき連絡しますね。
 その時、少しだけ呼吸がしづらくなるかもしれません。
 30秒ぐらいですので、焦ったりしないようにお願いします」

「わ、判りました。
 覚悟しておきます」

そう答えて周りを見ると、遠くに防壁が見えてきました。
馬車より早いどころの話ではないですね。

・・・

「もうすぐ着きますので、
 そろそろ加速しようかと思います」

「判りました、ひと思いにやっちゃってください」

「では、行きます」

そう言うと、アレッサはどんどん加速していきます。
前傾姿勢になることで、私に風がもろに来るようになって
息がしづらくなったので下を向いて風を避けます。
目を動かして周りを見ると、さっきまでの速度が全然違います。

高速道路を走ってるスポーツカーとかをイメージさせる速度ですね。
下を向いているので地面に近いところしか見れないからかもしれませんが。

そう思っていると、アレッサが速度を緩め始めました。
そしてゲートに到着してゲートをくぐり、私を降ろしてくれて
縄をほどきながら(まだ括られていた)話をします。

「エル様、お疲れ様でした」

「お、お疲れ様でした・・・
 凄い体験でした。
 あれだけの速度で走ってアレッサは疲れてないのですか?」

「そうですね、セーブして走りましたから
 息が切れるまでは無いですね。
 一般の方ですと小走りで少し走ったぐらいでしょうか」

「はは・・・私もレベルが上がったりしたら
 追いつけるのでしょうか」

「そうですねぇ・・・先ほどの私の全力までは遠いかもしれませんが、
 追いつけると思いますよ。
 まあ、エル様の場合ですと転移魔法とかで移動しそうですけど」

「なるほど、転移魔法ですか・・・
 使えそうではあるのですけど、そこに居るイメージをしないといけないのですが、
 今一つそのイメージが出来ないのですよね。
 下手したら壁の中とか地面の中に居そうな気がして・・・
 だからと言って、空中にとなると今度は大空を舞ってそうで」

「ちょっとでもミスをしてしまうと、
 とんでもないところに出てしまう可能性ですか。
 過去に使われていた転移者の方はどうやっていたんでしょうね」

「イメージ力というのでしょうか?空間把握能力?
 そういったのがとんでもないのでしょうね。
 戦闘で使うとかどれだけ凄かったのでしょうか。
 私も使えたらいいのですけど、練習しようにも怖くて・・・」

「確かに練習はできませんね。
 何かあってはいけないので、私達も全力で止めます。
 そういえばポケットダンジョンから得た知識で、
 転送ゲートのようなものがありましたが」

「ああ、ありましたね。
 でも、あれって場所が固定されるし、
 不特定多数が利用できてしまうからあまり良くないんですよね」

「エル様がその都度繋げればいいのではないですか?
 確かにゲートを作成するのに膨大なMPが必要になるようですけど、
 エル様なら問題が無さそうな気がしますが」

「・・・おぉ、なるほど。
 ただ、そのゲートを作るにも開き先をイメージするのと、
 そこに人とか障害物が無いようにしないといけないですね。
 ゲート用に拠点を色々作っていけば大丈夫なのですかね~、う~ん」

「あと、その都度ゲートを開く形となりますから、
 場所を固定できるような何かがあればいいですね。
 由香辺りに依頼してはいかがですか?」

「あ~、ポイントが判ればそこにゲート開けばいいですね。
 遠くからでも感知できるような何かが無いとダメですから、
 ん~・・・ダンジョンのゲートってどうやってるんでしょうね」

「ゲートは門の形をしているので、そこに何かありそうですよね。
 ダンジョンのゲートを調査してみる必要が在りますね」

そんな話をしながら防壁の宿前に移動しました。

・・・

そうして他のメンバが到着し、私達の方にクラリスが近寄ってきて

「お待たせしました。
 皆さんのステータスとか確認されました?」

「「あ」」
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