上 下
110 / 221
三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

ようやく朝の部の討伐開始です

しおりを挟む
え~、皆が返ってくるのを待って、召喚できる魔物の説明をしていきます。
護衛はドラゴンと足が遅そうなトカゲ類は除外しています。
説明をしたら召喚した魔物は一度戻って貰って、門を通って外に移動します。
あ、クラリスと由香さんは防壁上に陣取ってもらってます。

外に出たらドラゴン以外の魔物を再度召喚して
識別の為の名札を下げていきます。

「では、各パーティーに一匹護衛として召喚します。
 討伐した魔物まではその召喚した魔物に案内させますので、
 魔物を探さなくても着いて行ってもらえれば大丈夫です。
 後、ある程度の命令は聞くようにしていますので、
 魔物を荷台に乗せる等は命令してもらって構いません。
 ただ、荷台を引く等は護衛に支障が出る為、命令は聞かないようにします」

こんなところかな?
おっちゃんの方を見ると、おっちゃんが頷いて討伐者の方々に指示を出し始めました。

「とりあえず、お昼までは練習と思って無理ない範囲でお願いします。
 お昼に一度休憩を取って、何かあればその時報告をお願いします。
 クラリス!由香さん!はじめて問題ありません!」

防壁の上に陣取っているクラリスと由香さんに指示を出すと、
銃声が聞こえたので討伐が始まったのでしょう。

私はアレッサとソフィアを連れて防壁の上へ移動します。

「では、周りの状況とか確認をしましょう。
 そろそろ討伐者の方が動き始めるので、その付近に魔物が寄らないか確認してきます。
 クラリスと由香さんも討伐者の方の近くにいる魔物を優先的に倒してください」

「「「判りました」」」「判ったわ」

私も魔力を伸ばして周りを確認します。
防壁を移動したといっても、すぐそばに魔物は居なさそうですね。
最低でも500mぐらい離れてるかな?
じゃ、私は召喚した魔物に倒した魔物の位置を伝えて観察しますか。
何かこれ、戦国系のシミュレーションみたいですね。

さて・・・魔物の位置とかを把握しながら、
指示を出していきますか。

・・・
お昼になる30分前になりましたので、
そろそろ討伐をやめましょうか。

「お昼前になりましたので、クラリス、由香さんそこまでとしてください」

「判りました」「判ったわ」

「討伐者の方はどうですか?
 此方で確認した感じでは問題無さそうですが」

アレッサとソフィアの方を向いて確認します。

「此方で確認した限り、特に問題は無さそうでした。
 ベテランの方の指示が良く機能しています。
 魔物を荷台に乗せるのをエル様が召喚した魔物が手伝っているので、
 かなり素早く動けているようで、
 魔物の血に寄せられて魔物が寄って来るという事は無さそうですね」

アレッサがそう答えると、ソフィアが

「わ、私の方から見ても問題は無さそうでした。
 皆さん警戒しながらベテランの方に従って進んでいて、
 上から見ていると色々勉強になりました」

と、ちょっと興奮気味に報告してくれます。

「ありがとうございます。
 では、お昼まであと少しですが、もう暫く討伐者の方を見守りましょう。
 クラリス、由香さんは討伐者の方の傍に魔物が行かないよう確認して、
 もし危なそうなら討伐してください」

「「「判りました」」」「判ったわ」

さ~て、魔物の数は大分減って来てますね。
狼タイプで群れで行動するのが多かったからか、
一カ所にまとまってたりしましたからね~。
あと縄張りとかあるのか判りませんが、
傍に同じような魔物は寄ってきませんでしたし。

しっかし・・・奥の方に大物がいる感じなのですよね~・・・
反応的にはエルダートレントよりは小さい感じではあるのですけど。

「クラリス、あの森の奥に何が居ると思います?」

クラリスなら見えるかもと思って
反応がある方向に指さして聞いてみます。
暫く目を凝らしていましたが、

「・・・蛇・・・ですね。
 あの大きさですと、グランドスネークでしょうか。
 中級の上位といったところでしょうか。
 まだ動いていませんが、動き始めると面倒ですね」

「お昼からも討伐は続けますから、
 注意喚起はしておきましょうか。
 問題はどう倒すかですよね・・・」

「そうですね・・・
 私でも行けますが、討伐者の方々の所に来るまでに倒せるか?
 となると無理ですね。
 由香と一緒に対応となっても難しいかと思います。
 アレッサはどうです?」

「私の場合は近接となってしまいますので、
 倒すとなると魔物が攻撃に移る際になってしまいます。
 そうなる状態ということは、誰かが襲われるという事になってしまいますので、
 同じく今の状態で倒すというのは無理ですね」

「何れ私が前に出てガード出来れば、アレッサさん達が対応できるという事でしょうか?」

ソフィアが疑問を口にします。

「その盾の性能や、ソフィア自身のスキル等にもよりますが、
 あそこまで大きいと一飲みの可能性も捨てきれません。
 ただ、ガードする場所を考えるか、シールドチャージ等で怯ませる等してくれるなら
 私達が倒しきることが出来るでしょうから、間違いではありませんね」

「なるほど、状況判断が難しそうですが対応次第ではという事ですね。
 頑張って前に立てるよう訓練します」

「ソフィアの守りのタイプは中々いませんからね。
 どなたか同じタイプで教えてくれるような方が居ればいいのですが。
 あなたのお父様である騎士団長も私と同じように、
 魔物の攻撃を躱して攻撃がメインなので難しいでしょうし」

「お父さんもアレッサさんと同じなのですね。
 となるとお母さんはどうなんだろう?
 あ、ガルフ様が盾を持っているようですが、
 どういうスタイルか気になりますね」

「メイド長は基本的に後方ですが、
 メイン武器がロングメイスでしたので、メイスの重量を利用しての叩き潰しで前衛も可能でしたね。
 躱す前に叩き潰す、もしくは躱して背後から叩き潰すといった感じでしょうか。
 遠距離ではクロスボウを利用されていましたが、威力はありませんので牽制を期待しての物ですね。
 武器を持っての攻撃等はほぼなく、基本的に支援魔法というのでしょうか、
 周りの人のコンディション等をコントロールする魔法を利用されていました。
 回復魔法も得意でしたね。
 あと、ガルフ様の戦闘スタイルは判りませんね。
 後程聞いてみて、ガードメインなのであれば、今度訓練も依頼をしてみましょうか」

「はい、お願いします!」

アレッサとソフィアのやり取りを聞いてましたけど、
・・・何かメイド長って聖女とかのクラスありそうじゃないです?
そういえば、あの若さでメイド長っておかしいよね。
お母様との関係とか気になるし。
まあいっか。

「お昼に討伐者の方を此方の方に退避させて、
 私がちょっかいかけてみましょうか?
 あれがいきなり動き出すと、ちょっと不安ですし」

そう提案すると、アレッサが乗ってくれます。

「そうですね・・・
 エル様が手を出されるなら、エル様だけでも大丈夫そうですが。
 そういえばネズミさんはどうされたのです?
 お昼に偵察とかされてはどうでしょう?」

「・・・え?」

「ですから、ネズミさんはどうされましたか?」

「・・・わ・・・忘れてました。
 屋敷に居ます・・・」

あちゃーという感じでアレッサとクラリスが顔に手を当ててます。
由香さんとソフィアは判っていないみたいですが。

だ、大丈夫ですよね?
内緒にしておけば大丈夫ですよね?ね?
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

悪役転生〜主人公に全てを奪われて追放される踏み台悪役貴族に転生した〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:3,608pt お気に入り:23

異世界領地経営記

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:12

視えるのに祓えない~九条尚久の心霊調査ファイル~

ホラー / 完結 24h.ポイント:3,237pt お気に入り:513

処理中です...