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三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

防壁移動の前準備をしますよ

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目的の場所に着き、馬車を降ります。
あ、今度は子ドラゴン達も一緒におりますよ。
おっちゃん達は装備の確認とか、討伐した魔物を移動させるための荷車やロープの確認をしていますね。
全部で30人ぐらいでしょうか。
女性が少し多めですかね~、これは私達が女だけなので考慮してくれた感じかな?

「お、依頼主が来たみたいだ・・・な?」

おっちゃんが此方に振り向き、私を見て何か渋い顔をしています。

「?どうしました?」

「あ、いや・・・どういう状況なんだ?」

「え~・・・私についてはちょっとポカをしてしまい、ソフィアの好きにさせています」

今の私の状況は、ソフィアに腋の下に手を通され、抱きかかえられている状態です。
そう、クマの人形の変わりに私が抱きかかえられている感じです。
ソフィア・・・力付けましたねぇ。

同じように子ドラゴンをアレッサ、クラリス、由香さんが抱えているので、
何とも言えない集団に見えたのかもしれませんね。

「ま、まあいいか。
 とりあえず、依頼された通り討伐された魔物を回収するための人員揃えたぜ。
 これから荷物を防壁辺りに移動させるところだが、直ぐに討伐を開始するか?」

「あ、いえ。
 一度周りの状況を確認して、防壁の移動を先にするかどうか判断してからですね。
 防壁の移動が可能なようでしたら、先に防壁を移動させます」

「防壁の移動って・・・そんな直ぐには出来ないと思うが・・・
 まあいい、じゃあ俺らはこれから荷物を移動させるから、先に行っておいてくれ。
 もしそっちも移動させる荷物とかあるなら、一緒に移動させるから
 此処に置いておいてくれ」

「ありがとうございます。
 私達は今の装備以外には持っていくもの特に無いですし、
 必要なものは魔法のバッグに入ってますから大丈夫です。
 じゃあ、私達は先に行って、魔物の状況とか確認してきますね」

「ああ、荷物の移動が終わって、準備が出来たら言いに行く。
 そっちも状況が変わったり、何かあるようなら教えてくれ」

「判りました。
 では、防壁の方へ行きましょうか・・・
 すみません、魔物の状況を確認するので、ソフィア一度降ろしてもらえますか?」

「判りました」

すっごく残念そうな顔ですね・・・ちょっと罪悪感が・・・
アレッサに案内してもらって防壁に移動しながら魔物の状況を確認します。

「ん~・・・1km範囲にはあまりいないようですね・・・
 アレッサ、どうしましょうか?
 数百mぐらいなら軽く処理した後移動できそうですけど」

「そうですね・・・先に防壁を移動させましょう。
 討伐に誰も出ていないことを確認した後、
 1km範囲内の魔物の処理をクラリスと由香にお願いします。
 エル様には移動するための準備として木の排除をお願いします」

「では、此処の責任者の方に確認してやっちゃいましょう」

この辺りの責任者の方と門番の方に確認し、
討伐に出ている人がいないことを確認します。
そして責任者の方の案内で防壁の上に上がって周りを確認すると、
目の前は左側に森、右側が草原といった風景でした。

「どの程度防壁を移動させるのですか?」

責任者の方に確認すると、

「そうですね・・・最低でも200m、
 出来れば400mぐらいは移動させたいと考えております。
 可能であれば、彼方の方に突出した防壁があると思いますが、
 その横に並べれられればと」

なるほど、凸って感じで突き出してるのが見えますね。
それに合わせればいいのか。

「判りました。
 あと木とかは何処に置いたらいいですか?
 防壁内部まで移動させる必要があります?」

「いえ、防壁内部への移動はこちらで行います。
 門の左側辺りにおいて貰えるとありがたいです」

ふ~む・・・移動後の門は・・・あの辺りかな。
目印に石柱生やしときましょうか。

ズドン!

「では、移動後の門が来る辺りとして、あの石柱の奥辺りに木を置いていきますね」

・・・あれ?責任者の反応がない?
アレッサとクラリスがあちゃ~ってやってる。
ソフィアと由香さんは判って無さそうだけど。

「あ、は、はい、あの辺りで大丈夫です」

あ、戻ってきましたね。

「では、クラリスと由香さんは魔物の処理をお願いします。
 私は左側の森を移動範囲分処理していきます」

「判りました、では由香やりましょうか」

「ええ、じゃあ右側から処理していくわね」

そう話しながら子ドラゴンを足元に降ろし、討伐開始されました。
私は木を処理しましょうか。
一本一本地魔法で移動させるの面倒だな~・・・そうだ!
え~と・・・角度的にはこんなもんかな~えい!

ズドン!・・・ズズン!

う~ん・・・少しずれた。
ずりずり移動させてっと・・・次こそ!

スパーン!

「あだっ」

なにや・・・いえ何でもありません。
振り返ったらハリセンをパシパシしてるアレッサが居ました。

「そう言う事をするのであれば、前もって教えてください。
 魔物が移動してしまいますし、この子達も怯えてます」

「う、すみません。
 クラリス、由香さん申し訳ありません。
 もし魔物が此方に移動するようであれば、
 その魔物を優先して倒してください。
 ドラゴン達も怖がらせてごめんなさい」

「はい、判りました」
「仕方ないわね」

二人とも苦笑しながら了解してくれました。
ドラゴンは二人の足の陰からこちらを覗いてます。
怖くないですよ~。

あ!良いこと思いついた。
防壁の前にドラゴン3種召喚しとけばいいんじゃない?

「ねぇ、アレッサ」

「ダメです」

「ちょ、まだ何も言ってないじゃないですか」

「エル様の事です、城門前にドラゴン達を召喚するか、
 ドラゴン達で木を移動するとか、そんなところだと思うのですが違いましたか?」

「・・・あってますぅ」

「流石に他の皆さんがいらっしゃる場所で、
 今回集めてもらった討伐者の方は強い方とは限りませんので、
 ドラゴンを召喚すると怯えさせてしまいます。
 ですので、説明もなしに召喚はダメです」

「ですかぁ・・・」

いい案だと思ったのになぁ・・・

「仕方ありません、では、さっきと同じようにしていきます」

「あまり飛ばし過ぎないように気を付けてくださいね。
 少し手前ぐらいで落としてもらえれば、移動は私も出来るようになっていますので」

「あ、ダンジョンでやってましたね。
 では、やっていきます」

力加減と角度に注意してポンポン木を飛ばしていきます。
かなり派手に音が鳴っていますが、魔物が此方に向かってくるようなことはありませんでした。
ただ・・・

「お嬢・・・何かするんだったら教えてほしかったな・・・
 こっちの討伐者は新人もいるんで、流石にあの音はびっくりする。
 アレッサさんが直ぐに説明に来てくれたんで良かったが・・・」

おっちゃんが頭を掻きながら困った顔で伝えてくる。
アレッサいつの間に説明しに行ったんだろう?
それよりも

「ほんっと、申し訳ありません!」

報連相って大事だよね・・・
おかしいな~・・・何か今日は謝ってばかりな気がするよぅ・・・
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