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三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

討伐者との出会いですよ

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厳つい30代ぐらいのマッチョなヒューマンのおじさんが立ち上がり、
此方に近づいてきます。

「ワイルドボアと比べるのはどうかと思うぞ?
 それで命を落とす奴らが多いから、
 誤解は与えちゃいけねぇよ」

・・・あれ?むっちゃいい人じゃないですか?

「ああ、失礼しました。
 私達の基準ですとそこまで大きな差ではありませんでしたので。
 そうですね・・・そのグレイトボアを買い取らせていただけませんか?
 解体後に売った場合の金額を教えていただけますか」

「え?あ、おう。
 あ~、50万ぐらいかな?
 在庫によって変化するからおおよそだが」

と、後ろの仲間に確認しながら伝えてきます。
50万か~物価が判んないけど、結構いい値段ですね。

「では、60万で買いましょう。
 丁度一人10万の取り分になりますし」

そう言って500円玉サイズの金貨を数枚取り出して渡します。
そういえば、お金のこと全然聞いてないですね。
今度聞いておきましょう。

「え?いや、60って一番高いときでもそんなにしないぞ?
 こんなに受け取れねぇよ」

いい人過ぎますね、このおっちゃん。
後ろのパーティーの人も頷いてるので、皆いい人なんですね。

「いえ、先ほどの注意は我々には当てはまりませんが、
 普通の討伐者ですと何よりもありがたいものだと思われます。
 その注意喚起は中々出来るものではありませんので、
 これからもお願いしますという事での追加分と思ってください」

「いや、別に貰わなくてもするつもりでいるけどよ・・・」

「でしたら、辺境伯家よりの褒章という事で受け取ってください。
 エル様、お願いします」

「は?え?・・・ごほん、そうですね。
 これからも若手の動向に注意して、
 無謀なことをされる人に注意喚起していただけると嬉しいです。
 今回は私達へ注意してくれたという事のお礼だと思って受け取ってください」

「お、おう?え?辺境伯家?」

「はい、辺境伯令嬢 エルフリーナ・ヴァルグラントと申します。
 よろしくお願いいたします」

「あ、え・・・ガルフ・アドラだ、です?
 よ、よろしくお願いします?」

「とまあ、堅苦しいのは此処までで、
 よろしくね!おっちゃん!」

「お、おっちゃん?これでも20代前半だ!」

「そうそう、格式ばった場所じゃないし、普通でいいのよ、普通で。
 で、アレッサ。
 買い取ったこれどうするの?」

アレッサの目が光った気がしたので、焦りながらアレッサに問いかけます。
ふ~仕方ありませんねという感じで教えてくれました。

「いえ、先ほどの注意は装甲の厚さだと思われますので、
 解体作業をお見せすることで問題ないことを示そうかと思いまして」

そう言いながら、アレッサが猪に向かいます。

「あ、なるほど。
 通常だと毛皮に阻まれて刃が通らないのですね」

「はい、その通りです。
 それで解体作業をお見せしようかと思いまして、
 買い取らせていただきました」

そう言うと、猪を蹴って広場の方へ移動させます。
あれ?クレーン使わないのですかね?

そう思ってると、いつの間にか後ろ足が縛られていて、
土魔法で作った大型のぶら下り健康機のような物で吊るしてました。

「さて、それでは始めますね」

そう言いながら腕まくりをして・・・
解体の説明をされながら見ていましたが、
5分程度できれいにバラされた猪だったものがありました。

「と、こんな感じで猪のような獣タイプは解体します。
 後、此処で解体した後は、きちんと綺麗にしておかないといけないです」

そう言って先ほど作ったぶら下り健康機を解体し、
周りの汚れを水魔法で流したり、服の汚れとかを落としてました。
やっぱり魔法って日常生活では便利ですよね。

おっちゃん達がポカーンと眺めてますね。
やっぱり解体速度がかなり早いという事でしょうか。

「さて、解体終わりましたが・・・此方どうしましょうか?
 流石にこの量は消費しきれませんし」

「ん~、普通は解体したお肉とか皮は何処に持っていくのですか?」

「討伐ギルドの受付に話して、値段を決めていきますね。
 この大きさですと、商業ギルドに卸すでしょうから、
 暫く時間が掛かってしまいますね」

「そうなのですね・・・あ、私たちが国境で討伐して
 倒した魔物とかってやっぱりギルドに持ってこないといけないのですよね?」

「はい、そうなります。
 まあ、旦那様に相談したら引き取ってもらえそうではありますが、
 国境付近の魔物ですと、あまりいい値段にはならないかと思います」

「そうですか・・・とすると私達からすると面倒が増える感じですかね・・・」

あ、国境付近での討伐で倒した魔物を回収してもらえるよう依頼しましょうか。
ダンジョンでやったように空間魔法の倉庫に収めていくわけにはいかないし。

「ん~・・・ねえ、国境での討伐した魔物の回収を依頼してもいいですか?
 回収した魔物もある程度依頼料として含める形で」

「ああ、なるほど。
 それはいいですね」

「よし、ねえ、おっちゃん」

「いや、だから俺まだ20代だって・・・」

「このお肉とか、おっちゃん処理してくれませんか?
 で、そのお金を前金にして依頼したいことがあるのだけど」

「え?ああ?まあ・・・それならいいのか?
 とりあえず聞いてみるが、何を依頼したいんだ?
 護衛とかか?」

「えっと・・・あ、此処のミーティングコーナーって使っていいのですか?」

「ああ、ミーティングコーナーなら空いてるところ使っても問題はないが」

「じゃあ、とりあえずそちらに移動・・・
 猪だった物を処理しないといけないですね」

「解体場の受付に持っていくだけだから、時間は掛からないぜ。
 ミーティングコーナーへ移動しよう」

そう言って、猪だった物を運んでいきます。
マッチョなだけあって、力持ちですね。
他の人もかなりの量を余裕で持ってますね。

あ、おっちゃん達のパーティーですが、
男3人、女3人でおっちゃん以外同年代っぽいパーティーです。
おっちゃんも20代って言ってたから皆同い年なのかも。
男二人は優しそうなエルフと、ちょっとチャラそうな感じの狼タイプの獣人。
女の人はしっかり者という雰囲気のヒューマン、ちょっと小さくて可愛い感じのエルフ、
綺麗なんだけどがっちりとした体つきのライオンタイプ?の獣人ですね。
ん~・・・どういう関係で組んでるのか気になりますが、
詮索はしない方向で行きましょう。
おっちゃんと可愛い感じの人がペアだと面白いんだけどな。

そんなことを考えてると、全部受付に移動が終わったみたい。

「じゃあ、ミーティングコーナーへ移動しようぜ」

そう言って、おっちゃんは先に進み始めます。
あ、おっちゃんと話してると言葉が崩れちゃうんだけど、大丈夫かな・・・
そんなことを考えながらおっちゃんに着いて行くのでした。
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