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三章 8歳(未発見ダンジョン探索開始?)

討伐ギルドに行きましょう

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え~、あれから1年ちょっと訓練を進めていき、
結局他のダンジョンとか討伐に行かず、ずっと訓練をしていました。
訓練も一通り受けたので、一応討伐に参加してもいい状態になりました。
まあ、訓練が長引いてもう少しで9歳になりそうですが。
それでアレッサ達と話した結果、まずはソフィアのレベルを上げて私と同じぐらいにし、
レベルアップで上がった身体能力に慣れてから、本格的にダンジョン探索を開始することになりました。

あ、ステータスの開示はまた今度しますね。
え?何かあったんだろって?
い、いえ?そそそそんなことはないですよ?
ただ、ソフィアのレベルが上がってから、一度にしましょう、という話です。
アレッサ達魔王ぐ・・・あぶねぇ、寒気がしたぜ・・・
まあ、数名おかしなことになってますが・・・

そして、ソフィアのレベル上げの為に討伐に行くのですが、
私達って装備をまだ整えていないのですよね。

なので、朝食後にお父様にお願いします。

「お父様、訓練も一段落しましたので、
 ソフィアのレベルを上げるために討伐に行きたいのですが、
 装備品の新調が出来ていないので、街の方へ行きたいのですがよいでしょうか?」

「ん?あ~そうだね。
 そろそろ冬になるし、そうか。
 じゃあ後で表に馬車を用意させるから、それで行ってくるといい」

「あ、あと討伐ギルドにフェアリードラゴンの登録が必要なのですよね?
 そちらもついでに一緒に行おうかと思うのですが」

「ん?ん~・・・そうだね。
 召喚魔法も含めて一応伝えてはいるけど、ギルドマスター宛てに一筆書くから、
 ちょっと待っていてもらえるかい?
 すぐ済むから、馬車の所で待っているといいよ」

「そういえば、私は討伐ギルドに加入とかしないでいいのですかね?」

「う~ん・・・討伐ギルドのクエストを受けたり、
 魔物をそこで売ったりするなら必要だけど・・・
 エル達は空間魔法の倉庫があるから、討伐ギルドに買い取ってもらえるような少量ではないだろうし。
 まあ、加入しても損がある訳じゃないから、加入してもいいよ。
 私達も一応加入しているし」

「あ~、確かに討伐ギルドに買取をお願いするような数ではないですね。
 買取は家を通して必要な分だけお願いすることにします。
 クエストは・・・まだ無理でしょうから、
 時間があれば加入だけ済ませておきます」

「判ったよ。
 じゃあ、一応加入のことについても書いておくから、
 表で待っていてもらえるかい」

「判りました。
 では、表に行きましょうか」

「エル、皆の言う事をきちんと聞いて行動するのですよ?
 あまり羽目を外さないようにね」

「わ、判っています。
 アレッサ達が居るので大丈夫です」

「・・・本当にお願いしますね?」

「はいぃ・・・」

し、信用ないわ~。
皆、もう少し信用してくれてもいいと思います。
あれ?このくだり前もあったような?気のせいですよね。
アレッサとクラリスと由香さんは苦笑してるし・・・
ソフィアは良くわからないといった顔ですね。
ソフィアはそのままでいて頂戴。

・・・
動きやすい服に着替えて・・・
私と由香さんとソフィアは簡単なワンピースにそれぞれ上着を一枚羽織った状態、
アレッサとクラリスはちょっと執事っぽいパンツルックで集まります。
表に行くと既に馬車が止まっていました。
アレッサが御者の人に少し待ってもらうよう話をして、
私達は馬車に乗り込みます。
街へ行くためだからでしょうか、森へ行ったときのより小型の馬車ですね。

流石に5人と3匹乗るとなると、ちょっと狭い感じでしょうか。
まあいいかな~と思ってると、アレッサが

「エル様、狭いようでしたら此処座りますか?
 本当はいけないのですが、今回は特別ということで」

とぽんぽんと太ももの辺りを叩きます。
そうですね、本当は危険ですしいけないことです。
ふっ、私がそんな誘惑に

「乗るマス!」

おっと・・・口が勝手に動いてしまったぜ。
アレッサが嬉しそうに私を膝の上に乗せてくれます。
ご褒美ですか!そうなんですね。
ソフィアが羨ましそうにしていますが、今此処は私の場所です。

そして、執事の方が手紙を届けてくれました。
私を見た時、なぜか苦笑していましたが。

・・・
さて、討伐ギルドに到着しました。
場所は街の入り口です。
まあ、魔物とか待ちの中まで持ち込まれても困るからでしょうかね。
建物はかなりの大きさで、市役所とかそういったレベルの大きさです。
物語に出てくるような冒険者ギルドのように、もっと小さいのを想像していました。

中に入ると案内板があったので確認すると、
正面の受付で左側から、クエスト受付、相談、総合、クエスト報告みたいですね。
右側の通路を進むと、魔物の解体場に繋がってるみたいです。
あ、解体場へは裏口から直接行けるようですね。

で、左側に依頼ボートでしょうか。
紙が色々張ってあるボートが一杯あります。

「あそこからクエストを選んでいくのですか?」

「そうですね。
 自分が出来そうなクエストを選んで、紙に書いてある番号を控えます。
 そして受付でその番号を伝えて、依頼を受けることが可能かどうか判断され、
 可能であれば受けることが出来ます。
 可能かどうかの判断ですが、その人がその魔物が討伐出来るかどうか、ですね。
 実績があまりないようでしたら、相談の受付に回されてどのようなクエストが良いかが確認できます」

そうクラリスが説明してくれます。
はぁ~もっと殺伐とした所を想像していたのですが、
本当に役所のようですね。

左側の奥には大きな広場があるみたいですね。
訓練とか試験で使うのでしょうか。
あ、スケジュール表があるみたいですね・・・訓練が多いですね。
なるほど、未来の討伐者を育成も兼ねてるのかな。
自動車の免許センターを想像してしまいました。

二階は図書室、ミーティングコーナーが沢山、後は相談室、教室とかですね。
三階は職員用なのかな?特に何も書かれてませんね。

とりあえず、私達はギルドマスターに用事なので、総合受付に行きます。

「おはようございます。
 どういったご用件でしょうか?」

おお、私みたいな子供でも受付の人は普通に接してくれる。
きちんと教育出来ているのですね。

「おはようございます。
 ギルドマスターに用事がありまして伺いました。
 辺境伯家より手紙を預かっておりますので、お時間を頂きたいのですがと
 連絡をお願いできますか?」

「はい、承りました。
 今連絡いたしますので、そちらの席でお待ち頂けますか」

私達が席に座ると電話のようなもので連絡を取っているようです。

「ねぇ、エルちゃん。
 あれ見て思い出したんだけど、この世界に電話ってあるの?」

「あれは私も初めて見ました。
 有線で無線では無さそうですが・・・」

「あれは内線っぽいよね。
 魔物が居るから電線這わすとか鉄塔立てるとか色々無理があるか・・・
 違うか、発電施設が作れないから電線とかが無いかな。
 とすると線で通しているのは魔力?」

「なるほど。
 魔力を流して通話するわけですね。
 パーティー会話の有線版みたいなものですかね。
 ああいった通話できるものは重要施設間は繋いでそうですから、
 家にもあるのかもしれませんね」

「私も見たことはありませんが、騎士団の詰め所にありますよ。
 緊急連絡用としてですが、国境付近、討伐ギルド、各辺境伯家、王城を結ぶように線が通っています」

「私もアレッサと同じく見たことは無いですね。
 あるという事は知っていますが、何処にあるかはわかってなかったです」

「私はお父さ・・・父から緊急時の対応で聞かされているので、
 詰め所にあることは知っています。
 ただ、緊急連絡用の連絡出来るものがあるという事を知っているという程度で
 何処と繋がっているかまでは知らなかったです」

なるほど、皆あることは知っているという程度ですか。

「ふむ、緊急連絡用ですか・・・もっとあってもいい気はしますが」

「あの通話するための機械と魔力を通す線が高価みたいですよ。
 魔力を通す線を作る為の鉱石があまり取れないのだとか。
 ただ、どのような鉱石なのかは私も解りません」

そうクラリスが教えてくれます。

「クラリスが知らないという事は、情報規制が掛かってそうですね。
 単純に鉱石が不足しているというのであれば、
 ダンジョンで取れないかな?とかは思いましたが
 それだと無理そうですね」

そんなことを話しながら待っていると、
奥の方からちょっと厳しそうな感じのイケメンが出て来ました。
体つきは普通ですね。

「お待たせしました」

「えと、貴方がギルドマスターですか?」

「え?はい、そうですが?」

「・・・討伐ギルドのギルドマスターだから厳つい強面のおじさんか、
 何か凄いおじいさんだと思ったのにぃ・・・私の期待を返せぇ」

私が嘆いていると

「えと・・・あの・・・大丈夫でしょうか?」

ギルドマスターがアレッサ達を見て言いますが

「「何時ものことですので大丈夫です」」

そうアレッサとクラリスが返し、
由香さんはうんうんと頷いていて、
ソフィアは困った顔をしています。
・・・皆酷くない?
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