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二章 7歳(ダンジョン突入!?)
国を興すって難しい・・・
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「アレッサ、クラリス、由香さん、フェアリードラゴン達が待っていると思うので、
迎えに行ってあげてもらえますか?
あ、ソフィアもかわいい子達が居るから一緒に行ってみると良いですよ」
「「判りました、では少しの間失礼します」」
「判ったわ、ちょっと行ってくるわね」
「?私はエル様の傍に・・・判りました、少しだけ席を外しますね」
アレッサがソフィアに耳打ちし、皆拠点の中に入っていきます。
私は息を整えて、お父様とお母様の方へ向き、
「あのぉ~、その国外流出とかって話にも関係するのですが・・・
そのぉ・・・前に辺境伯家は領土が大きくなったら、
国を興すという話を聞いたのですが」
「確かにそうだね。
その為に王家の血が入ってきたりするようになってるから・・・
ああ、そういうことか」
「難しいですね。
国を興すとなると、今の領土が最低でも3倍ぐらいにならないといけないでしょう。
仮に一気に領土が広がっても人口の問題もあります。
商人は利があれば動くでしょうけど、一般人の動きは鈍いでしょうね。
後は道路、家等の建築物でも問題があります。
色々問題点はありますが、やはり人が一番の問題でしょうか」
「そうですか・・・
街とか作成は私が出来るのですが、それをすると人が動かないですよね。
働き口を一つ無くしている状態ですし」
「そうですね、そういった下地があって人は徐々に動くので、
短期間で国を興すとなると難しくなると思います。
領土を増やすという事は攻略済みダンジョンが増えるので、
討伐者と商人達は動くとは思いますが、討伐者だけ増えても問題ですからね。
国に根付いてくれる人を確保しないと難しいですよ」
「討伐者だけですか・・・荒くれ者になるのでしょうか?
治安維持が難しそうですね。
歓楽街の充実とか警邏隊や騎士団の強化・・・
ああ、死亡率も高くなるでしょうから孤児院とか強化も必要なのですかね?
う~ん・・・人が居ないとダメですね」
「ええ、問題点はそれだけでは無いと思いますが、
今の想像の段階で色々問題点が見つかります。
領地が増えても、暫くは国を興すのではなく領土を安定させて、
安定したら国を興すように舵を切れば良いと思いますよ」
「そう・・・ですね。
国を興すのは難しそうです。
まあ、まだダンジョンも攻略してないので、
取らぬ狸の皮算用でしかないのですが」
「取らぬ狸の皮算用・・・ですか?
ああ、なるほど。
そうですね、ダンジョンを攻略して領土が大きくなってから
考え始めても遅くはないでしょう」
「そうだね。
その時の為に、味方を増やしていこう。
一番は女王陛下だけどね」
「そういえば、エル。
国を興すにしても王には誰を想像していたのですか?」
「え?ランハ・・・
か、考えていませんでした!
ですから、その頭に乗せた手を退けていただけると私はとっても嬉しいです!」
「全く・・・ランハートの意思も確認せずに任せようとするのは駄目ですよ。
確かにランハートは内政向きではあるのですが・・・」
「あ、そうなのですね。
ランハートは内政向きなのですか・・・」
これは良いことを聞きました。
ランハートには申し訳ないけど、お姉様は悠々自適なぁ!
「お、お母様。
頭に乗っている手に力が込められてきているのですが・・・」
「全く懲りないですね。
ランハートの意思を無視しては駄目です。
あんまりおかしなことを考えていると、エルに天災が降り注ぎますよ?」
「ど、どちらかというと人災ではないかなと思うのぉ!」
「悲しいわ、人災だなんて。
思わず手に力が入ってしまいそう」
「申し訳ございません!
ランハートの意見をきちんと聞いて決めますぅ!
頭がぁ、体が持ち上がって来てますぅ!」
「全く・・・権力争いとか起こるよりはいいですが、
押し付け合いも良くはありませんからね。
きちんと話あって決めること。
ああ、ランハートを脅すようなことがあれば・・・」
「あ、あれば・・・な、何でしょう?」
「エルはどうなってるでしょうね?」
「さ、さぁ?
ど、どうなっているんでしょうか・・・」
お母様はにっこり笑って
「そうですねぇ・・・無事だと良いですね?」
「・・・はいぃ」
さっきから寒気が止まりません。
震えが止まりません。
直感が言ってます、絶対に逆らってはいけないと。
・・・
とりあえず、今はダンジョン攻略のことについてだけ考えましょうか。
「相談を聞いていただいてありがとうございます。
ダンジョン攻略を優先して考えますね」
「いいえ、困った事があれば、直ぐに相談してください。
それとダンジョン攻略ですが、ソフィアを待ってあげてください。
あの子、今回かなり無理したみたいですから、
次はきちんと連れて行ってあげなさい」
「そうだね、エルと連絡が取れるとはいえ、
一人此方に残った状態だからね。
かなり無理をしているのが判ったからね」
「判りました。
アレッサ達からも言われていますし、
私も鍛えた方が良いでしょうから、
暫くはダンジョン攻略はいかないようにします。
ただ、国境付近での魔物討伐だけは許可をいただけませんか?
ソフィアに私達の戦い方を教えるというのもありますが、
殆ど私達だけレベルが上がっている状態ですので、
ソフィアのレベルも上げておきたいです」
「う~ん・・・防壁より向こうのダンジョンへ行かないことが約束できるなら許可しよう」
「はい、それで大丈夫です。
アレッサは接近もできますが、
基本的に私達は超長距離からの攻撃が主ですので。
あ、防壁を移動するとか言ってましたけど、
移動はしても良いでしょうか?」
「そうだね・・・アレッサ達が居るから大丈夫かな。
ただ、移動前に防壁傍に居る人を退避させないといけないから、
移動するときは皆に言うんだよ?」
「はい、判りました」
そういう話をしていると、
建物の中からアレッサ達が戻ってきました。
防壁を移動するというやり取りからお母様がじーっと此方を見ている気がします。
絶対にそちらに顔を向けてはいけません。
やらかすつもりなんてこれっぽっちも無いんですから、
何が何でもこのままやり過ごすんです。
迎えに行ってあげてもらえますか?
あ、ソフィアもかわいい子達が居るから一緒に行ってみると良いですよ」
「「判りました、では少しの間失礼します」」
「判ったわ、ちょっと行ってくるわね」
「?私はエル様の傍に・・・判りました、少しだけ席を外しますね」
アレッサがソフィアに耳打ちし、皆拠点の中に入っていきます。
私は息を整えて、お父様とお母様の方へ向き、
「あのぉ~、その国外流出とかって話にも関係するのですが・・・
そのぉ・・・前に辺境伯家は領土が大きくなったら、
国を興すという話を聞いたのですが」
「確かにそうだね。
その為に王家の血が入ってきたりするようになってるから・・・
ああ、そういうことか」
「難しいですね。
国を興すとなると、今の領土が最低でも3倍ぐらいにならないといけないでしょう。
仮に一気に領土が広がっても人口の問題もあります。
商人は利があれば動くでしょうけど、一般人の動きは鈍いでしょうね。
後は道路、家等の建築物でも問題があります。
色々問題点はありますが、やはり人が一番の問題でしょうか」
「そうですか・・・
街とか作成は私が出来るのですが、それをすると人が動かないですよね。
働き口を一つ無くしている状態ですし」
「そうですね、そういった下地があって人は徐々に動くので、
短期間で国を興すとなると難しくなると思います。
領土を増やすという事は攻略済みダンジョンが増えるので、
討伐者と商人達は動くとは思いますが、討伐者だけ増えても問題ですからね。
国に根付いてくれる人を確保しないと難しいですよ」
「討伐者だけですか・・・荒くれ者になるのでしょうか?
治安維持が難しそうですね。
歓楽街の充実とか警邏隊や騎士団の強化・・・
ああ、死亡率も高くなるでしょうから孤児院とか強化も必要なのですかね?
う~ん・・・人が居ないとダメですね」
「ええ、問題点はそれだけでは無いと思いますが、
今の想像の段階で色々問題点が見つかります。
領地が増えても、暫くは国を興すのではなく領土を安定させて、
安定したら国を興すように舵を切れば良いと思いますよ」
「そう・・・ですね。
国を興すのは難しそうです。
まあ、まだダンジョンも攻略してないので、
取らぬ狸の皮算用でしかないのですが」
「取らぬ狸の皮算用・・・ですか?
ああ、なるほど。
そうですね、ダンジョンを攻略して領土が大きくなってから
考え始めても遅くはないでしょう」
「そうだね。
その時の為に、味方を増やしていこう。
一番は女王陛下だけどね」
「そういえば、エル。
国を興すにしても王には誰を想像していたのですか?」
「え?ランハ・・・
か、考えていませんでした!
ですから、その頭に乗せた手を退けていただけると私はとっても嬉しいです!」
「全く・・・ランハートの意思も確認せずに任せようとするのは駄目ですよ。
確かにランハートは内政向きではあるのですが・・・」
「あ、そうなのですね。
ランハートは内政向きなのですか・・・」
これは良いことを聞きました。
ランハートには申し訳ないけど、お姉様は悠々自適なぁ!
「お、お母様。
頭に乗っている手に力が込められてきているのですが・・・」
「全く懲りないですね。
ランハートの意思を無視しては駄目です。
あんまりおかしなことを考えていると、エルに天災が降り注ぎますよ?」
「ど、どちらかというと人災ではないかなと思うのぉ!」
「悲しいわ、人災だなんて。
思わず手に力が入ってしまいそう」
「申し訳ございません!
ランハートの意見をきちんと聞いて決めますぅ!
頭がぁ、体が持ち上がって来てますぅ!」
「全く・・・権力争いとか起こるよりはいいですが、
押し付け合いも良くはありませんからね。
きちんと話あって決めること。
ああ、ランハートを脅すようなことがあれば・・・」
「あ、あれば・・・な、何でしょう?」
「エルはどうなってるでしょうね?」
「さ、さぁ?
ど、どうなっているんでしょうか・・・」
お母様はにっこり笑って
「そうですねぇ・・・無事だと良いですね?」
「・・・はいぃ」
さっきから寒気が止まりません。
震えが止まりません。
直感が言ってます、絶対に逆らってはいけないと。
・・・
とりあえず、今はダンジョン攻略のことについてだけ考えましょうか。
「相談を聞いていただいてありがとうございます。
ダンジョン攻略を優先して考えますね」
「いいえ、困った事があれば、直ぐに相談してください。
それとダンジョン攻略ですが、ソフィアを待ってあげてください。
あの子、今回かなり無理したみたいですから、
次はきちんと連れて行ってあげなさい」
「そうだね、エルと連絡が取れるとはいえ、
一人此方に残った状態だからね。
かなり無理をしているのが判ったからね」
「判りました。
アレッサ達からも言われていますし、
私も鍛えた方が良いでしょうから、
暫くはダンジョン攻略はいかないようにします。
ただ、国境付近での魔物討伐だけは許可をいただけませんか?
ソフィアに私達の戦い方を教えるというのもありますが、
殆ど私達だけレベルが上がっている状態ですので、
ソフィアのレベルも上げておきたいです」
「う~ん・・・防壁より向こうのダンジョンへ行かないことが約束できるなら許可しよう」
「はい、それで大丈夫です。
アレッサは接近もできますが、
基本的に私達は超長距離からの攻撃が主ですので。
あ、防壁を移動するとか言ってましたけど、
移動はしても良いでしょうか?」
「そうだね・・・アレッサ達が居るから大丈夫かな。
ただ、移動前に防壁傍に居る人を退避させないといけないから、
移動するときは皆に言うんだよ?」
「はい、判りました」
そういう話をしていると、
建物の中からアレッサ達が戻ってきました。
防壁を移動するというやり取りからお母様がじーっと此方を見ている気がします。
絶対にそちらに顔を向けてはいけません。
やらかすつもりなんてこれっぽっちも無いんですから、
何が何でもこのままやり過ごすんです。
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