魂つなぐ転移世界 ~私の平穏は何処なのでしょう?~

蒼劉

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二章 7歳(ダンジョン突入!?)

本当の報告会ですよ

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「さて・・・人払いもしたし、
 本当は家族の時間にしたいところだけど、
 先に本当の報告を受けようか。
 と言っても、また順に話すのも面倒だろうし、
 順にこちらから聞いていくよ」

「はい、お父様、大丈夫です。
 何から行きましょうか」

「そうだね・・・まず、最初の階層に居たエルダートレントについて行こうか。
 倒したって言ってたけど、本体は持ち帰っているのかな?」

「はい、持ち帰っています。
 一部由香さんの銃に使いましたが、ほんのわずかなので、
 本体ほぼそのまま残っています」

「それはそれは・・・
 後でエルが掘ったりしている広場に行って見せてもらおう。
 買い取ろうかと思うけど、高価すぎるんだよね・・・」

「私は武器の扱いが苦手ですから、
 アレッサとソフィアはいらないでしょうし、クラリスと由香さんの武器を作っていただければ、
 残りは差し上げますよ。
 売るってなると目立つでしょうし」

「なんか娘に貢がれてる感じだけど、ありがたいよ。
 魔物の襲撃に備えるために、屋敷の人間の武具のランクを上げたいからね。
 これだけで民を守れる力が増すから。
 代わりにエル、アレッサ、ソフィアの武具も別で用意しよう」

「ありがとうございます。
 ダンジョンで色々魔物の素材も手に入れているので、必要な分提供します。
 これで魔物に対抗できる力が増すなら安いものです」

「わが娘ながら欲が無いな~。
 キーに似たのかな」

「旦那様も同じでしょう?
 国の為、領地の為の投資は惜しまないではないですか」

「なら二人に似たのかな」

さりげなく、イチャイチャ混ざてきますね~。
流石お父様とお母様です。

「次も魔物関係で、未発見の魔物が居たそうだけど、
 そちらも提供をお願いできるかい?
 此方は研究所の方に渡して色々調べて貰わないといけないから」

「はい、それも大丈夫です。
 数匹居たら大丈夫ですか?」

「そうだね・・・2匹ぐらい貰えるかな」

「判りました、ではそちらも広場に移動したときにお渡ししますね。
 お父様もお母様も時空魔法の倉庫は使用できると思ってよいでしょうか?」

「ああ、大丈夫だよ。
 二人とも使えるようになってる」

「でしたら、広場に移動した時に、少しだけ時間をいただけますか?
 時空魔法関連で少しだけお話といいますか、着いてきて欲しいところがあるので」

「ん?着いて行く・・・かい?」

お父様とお母様が顔を見合わせます。

「はい、時空魔法に関係することですので内密に。
 あ、ついてきて欲しいと言っても、広場から大きく移動するわけではありませんので。
 受け渡しもそちらで行います」

お父様とお母様が顔を見合わせて頷いた後、
私の方に向いて頷いてくれます。

「判った。
 ついて行けば判るんだね?」

「はい、そこで説明させていただきます」

「じゃあ、それは広場に行ったときに。
 次は・・・召喚魔法か・・・エルはどれぐらい呼べるんだい?」

「召喚魔法で呼べるのは
 ファイアドラゴン、アイスドラゴン、アースドラゴン、
 ファイアバード、ファイアラット、ファイアリザード
 フロストウルフ、フロストラビット、フロストリザードと呼ばれる未発見のトカゲ、
 ラヴァアリゲータと呼ばれるマグマの中に居たワニ、
 ワイルドボア、ジャイアントスパイダー、シャドースネーク、クリスタルリザードですね」

「・・・ドラゴン三種だけだと思っていたけど、随分増やしたね。
 という事は召喚できる魔物の取り込み方が判ったのかな?」

「大まかに検証した感じですが、
 魔物は魔石が残った状態のもので、多少なら傷が入っていても問題はありませんでした。
 魔石が無い状態の魔物は取り込めませんでしたので、魔石が関係するのだと思います。
 魔力は血管を血が巡るように、魔石を心臓に見立てて魔力を流すと
 魔物が光ってひれ伏した状態で現れて、その後、光の玉になって取り込まれます。
 その際に体の中に魔石が取り込まれるのか、召喚した魔物は魔石を持ちません。
 倒されても体の中に魔石を取り込んでいる為なのか、復活するそうです。
 ただ、此方については試していませんので、本当なのかどうかは判っていません。
 あと、召喚していない状態で魔力を与えると、魔物のレベルが上がるみたいです」

「・・・良く調べたね。
 そうか、エルは前の世界で研究者って言ってたっけ」

「はい、最近忘れられがちですが、
 前の世界では研究者の卵でした!
 色々調べたのは何れモフモフ出来る魔物が居ればとおも・・・なんでもありません!」

お母様の目が少し細くなったのが見えたので急停止します。
あぶねぇ。

「そ、そうかい。
 召喚魔法か・・・特別何か条件があるように感じ無いし、
 適正があれば召喚士以外も取り込めそうだね。
 やっぱり自分で倒さないとダメなのかな?」

「そこまでは検証出来ていませんが、
 魔力を通した際、ひれ伏した状態で現れるので恐らくそうではないかと思います。
 数体魔石が残った状態の魔物を用意しますので、
 そちらで検証していただければと思います。
 あと、私が召喚魔法を使えるというのは公にしても別にいいのですが、
 出来れば私が召喚魔法成功の一人目というのは伏せていただけると・・・」

「う~ん・・・なかなか難しいことを言うね。
 私とキーが試して、取り込めれば私達が盾になれるが・・・
 ダメならクロウとマーガレットにも試してもらうか」

「そうですね。
 その二人なら信用できますので、ダメなら・・・
 いえ、やはり二人には召喚魔法を試してもらいましょう。
 そして騎士団やメイド達にも広めて、何れは討伐ギルドにも情報を提供しましょう。
 家の戦力強化にもなりますし、純粋に数が増えるのは何か起こったとき有利になります」

「ふむ・・・今後を見据えてか。
 召喚魔法については召喚士にも広めるから、その方がいいか。
 よし、私達がダメなら屋敷の誰かにお願いしようか。
 確か召喚士のクラスを持ったメイドが居た気がするし」

「では、お父様とお母様でダメそうであれば、
 その方には申し訳ないですが、第一成功者となっていただけるよう交渉をお願いいたします」

「判りました。
 私の方から伝えておきましょう」

「この場で聞くことはこんなところかな。
 じゃあ、広場の方に移動しようか」

「そうですね。
 では移動するので、エルいらっしゃい」

「ほえ?なんでしょう?」

私はお母様に抱きかかえられ、
広場に着くまで至近距離で色々と聞かされる羽目に・・・
久しぶりで油断してました・・・
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