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二章 7歳(ダンジョン突入!?)

帰還!久しぶりの我家です

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「さて、忘れ物はないですかね?
 まあ、あってもすぐに取りに戻れますが」

「はい、大丈夫です。
 では、向こうでソフィアや騎士団長が待っているようなので、
 向かいましょう」

「じゃあ、皆で手を繋いで外に出ましょうか」

クスクスとクラリスが笑いながらアレッサに言います。

「う、そうですね。
 エル様、よろしいですか?」

そうアレッサが少し恥ずかしそうにしながら、言ってきます。

「ええ、皆で手を繋いで脱出しましょう」

皆で手を繋ぎ、転移装置を作動させます。
すると、ダンジョンに入る前に居た場所に立っていました。

「帰れましたね。
 では、森の外に出ましょうか。
 皆そこで待ってるでしょうし」

そして皆で外へ向かいます。
・・・

森の外へ出ると、ソフィアと騎士団の方々が居ました。
ソフィアが此方に気付いて、駆け寄ってきました。

「ただいま、ソフィア。
 心配かけましたね」

そう言うと、ボロボロ泣きながら抱き着いてきました。

「エル様・・・無事でよかったです・・・」

そう、パーティーで話をしている時、ソフィアだけお嬢様呼びだったので、
名前で呼ぶことを許可したのです。
ステータスの公開はまだですが。

泣いてるソフィアを見ながら
相当心配かけたんだな~と思い、ソフィアの頭を撫でます。
暫くして騎士団長が此方に寄ってきたので、騎士団長の方へ向きます。

「ソフィアの護衛、ご苦労様でした。
 ダンジョンに取り込まれるような事態となり、
 色々ご心配をおかけしたようですが、
 無事帰ることが出来ました。
 色々ダンジョン等探索されたと聞いています。
 苦労を掛けました」

「いいえ、ご無事で何よりです。
 娘のソフィアを気にかけていただき、ありがとうございます。
 お屋敷で当主様、奥様がお待ちですので、
 あちらの馬車へ移動をお願いできますか」

騎士団長ってソフィアの父親なんだ・・・
という事はメイド長の旦那様って騎士団長なんですね。
お父様とは違った、寡黙そうな顔つきの美形ですね。

私達は馬車に乗り込み、屋敷に向かいます。
ソフィアは私にしがみついた状態ですね。
アレッサとクラリスが笑っています。
由香さんはちょっと緊張気味ですかね。
まあ、これからお父様とお母様に会う訳ですから、緊張しますか。

「由香さん、大丈夫ですよ。
 お父様とお母様は少々言葉が崩れたりしたりしても、
 無体を働くような人ではありませんから。
 まあ、お母様はちょっと厳しい気がしますが」

「それはエル様が原因ではないかと思いますが」

「ま、まあ、アレッサが言う通りの時も少しはありますが」

「「・・・」」

「な、何ですかアレッサもクラリスも。
 その「え~、少しでしたっけ?」という目は」

「「その通りの目です」」

・・・酷いんじゃなかろうか・・・

「ふふ、あなた達のやり取り見てると、主従のやり取りに全く見えないわ。
 何だろう、仲のいい姉妹って感じ?
 そんな風に見えるわね」

「ふふん、もちろん私が長女ですよね?」

「え?末っ子でしょう?」

納得がいかないのです・・・

・・・
お屋敷につくとすぐに応接間の方へ通されます。
そこにお父様とお母様が立って待っていました。

「エルフリーナ、只今帰りました。
 お父様とお母様にはご心配をおかけしました」

そう言うと、お母様が駆け寄って抱きかかえてくれます。

「おかえりなさい、エル。
 一杯心配しましたけど、本当に無事に帰ってきてくれてよかった」

私もお母様を抱きしめ、二人でちょっとだけ泣きました。
ちょっとだけですよ?

「おかえり、エル。
 無事で本当に良かった。
 アレッサ、クラリス二人とも良くやってくれた。
 ありがとう」

お父様がアレッサとクラリス二人にお礼を言い、頭を下げています。
そして、お母様ごと私を抱きしめました。
・・・

暫くして、皆で席に着きます。

「さて、疲れている所申し訳ないけど、報告を聞こうかな」

「そうですね。
 あ、報告の前に紹介しますね。
 彼女は転移者の方で笹木 由香さんと言います。
 由香の方が名前ですね」

「只今お嬢様に紹介されました、笹木 由香と申します。
 此処とは別の世界で研究者をしておりました。
 此方の世界での作法は判っていませんので、無礼を働くことがあるかもしれませんが、
 良しなにお願いいたします」

「ああ、そこまで畏まらなくていいよ。
 うちは貴族と言っても辺境伯家は他の貴族との繋がりは少ないからね。
 それに転移者の方は手厚くもてなすというのが国の方針だから・・・
 まあ、例外的な転移者の方もいるけど」

「あ、はい、例外に該当する転移者というのも、なんとなく想像できます」

「理解が早くて助かるよ。
 じゃあ、エル、続けてくれるかい?」

「はい、では・・・」

ダンジョンであったことを説明していきます。
ソフィアに報告していた内容ほぼそのままですが、
騎士団長が居るので時空魔法、パーティー会話、召喚魔法、
ダンジョンの遺跡等は伏せ、表向きの報告だけします。

なのでダンジョンも草原だけ説明し、
転移装置を見つけたので帰ってこれたので
式紙で連絡を入れたとしています。

「エル、ありがとう。
 じゃあ、クロウ。
 この報告で問題ないかな?
 問題無ければ、家族の時間にしたいんだけど」

「はっお嬢様、報告ありがとうございます。
 此方を報告内容として保管させていただきます」

騎士団長が私に礼を取ると、少し恰好を崩して手をおでこに当てながら

「はぁ、クラウス、問題無いという事にしておくから大丈夫だ。
 家族の時間を邪魔するつもりはないが、もうちょっとどうにかならんのか。
 キーカも大変だな」

「大丈夫ですよ、クロウ。
 何より家族を大事にしてくれますし、
 やるときはきちんとする人ですから」

「ま、そう言う事にしておく。
 教えて貰えるようになったら教えてくれ。
 じゃあ、ソフィア粗相のないようにな。
 頑張れよ」

「うん、ありがとう、お父さん」

「では、失礼します」

ほわぁ・・・何ですかこのやり取り。

「エル様、お口空きっぱなしですよ」

クラリスがこっそり教えてくれた。
あ、危ない危ない、危うくお母様の餌食になると・・・
あれ?お母様の目が一瞬光ったような・・・気のせいですよね。
ちょっと寒気がするけど気のせいですよね。
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