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二章 7歳(ダンジョン突入!?)

目の前の人参に飛びつくのは仕方無いことですよね

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泣き落としでどうにか倒された場合の検証は止めてもらいました。
まあ、召喚魔法を鑑定したらやられても大丈夫という情報が得られたからなのですが。
召喚した魔物を確認したのですが、どうも魔石が体内に無いようなのです。
おかしいなと思ったら、私との繋がりがあるので
私が魔石を取り込んだ状態という事なのでしょう。

「え~、検証はこのぐらいでしょうか。
 後は、これからどうするかですよね。
 下層の先に進むか、草原側の調査をするか。
 ネズミさん、何か進展ありましたか?」

ネズミさんに聞いてみると、紙に色々書き始めます。
下層側ですが転移装置はあったようなのですけど、
それ以外にも色々遺跡にあったものとかが発見されたようです。
草原側にも転移装置のようなものが見つかったそうです。

「ふむ・・・両方転移装置という事ですか。
 どちらを先に確認しましょうか」

「私は下層の先が気になるわね。
 うまくいけば、ダンジョン攻略になるかもしれないでしょ?」

「そうですね。
 フロアボスを倒した状態でしょうから、
 あの先に転移装置があってもおかしくはないでしょうから、
 先を見てから草原側を確認で良いかと思います」

「遺跡と同じような・・・ですか。
 私も下層の先が気になりますね」

由香さん、アレッサ、クラリスが下層の先を勧めてきます。

「では、下層の先を確認しましょうか」

そう言い、下層の奥の祭壇前に移動します。
・・・

「特に魔物も増えて無さそうでしたね。
 他のフロアは確認してませんけど、
 祭壇に捧げたことが何かあるのですかね」

「地形も特に変化はなかったですよね。
 むしろ落ち着いてきている・・・でしょうか。
 各層のドラゴンが環境に影響していたのかもしれませんね」

「なるほど・・・
 クラリスの言う通りドラゴンが環境に影響するというのはありそうですね」

そんな話をしながらネズミさん先導で進みます。
・・・

「う~ん・・・確かに何か整理できない人の研究所って感じですね」

「エル様の部屋を思い出させるような部屋ですね」

クラリスの感想にアレッサが乗っかります。

「・・・そんなことないもん。
 キチンと片付け出来てるし」

「では、床に置いてある本や、
 机の上にある書きかけの紙は?」

「え?片付けてるじゃない。
 移動させたら判らなくなっちゃいますよ?」

「それ出しっぱなしという事よね?
 エルちゃんって典型的な片付けできない子?」

「な!?ちゃ、ちゃんと片付けられますよ。
 良いでしょう、戻ったら綺麗な部屋を見せてあげましょう」

「倉庫の利用は駄目ですよ?」

ビクンッ

「そ、そんなの使うわけないじゃないですか。
 嫌ですね~アレッサ。
 あは、あはは」

「楽しみにしてるわ。
 エルちゃん」

由香さんがニヤニヤしながら言ってきます。

「お、おほほぉ・・・ちょ~っとだけ待っててくださいね」

帰ったら急いで

「見栄を張っても付き合いは長くなるのですから、
 最初良く見せてもダメだと思いますよ?」

クラリスのド正論が私の胸を抉ります。
ネズミさんが「まあ、あきらめろ」って感じで足をポンポンと叩きます。

いいもん、いいもん。
私出来る子だもん。
いじけていると、皆の前の空間に何かが映し出されました。
あれ?気づいたら私の足元が光ってる。

『初めまして、私の後継』

そう映し出された男の人が言い始めます。
え?後継?

『これは録画したものなので、一方的に説明するような形となってしまって申し訳ない。
 どこから説明するか・・・すまんな、一方的に話すというのに慣れて無くてな。

 え~、そうだな・・・此処が何処なのか?から行くか。
 まず、此処は私が最初に攻略したダンジョンで、
 時空魔法・・・正確には異世界への転移等を研究していた場所になる。

 そして、私が何者か?だが、転移者というのは聞いたことがあるだろう?
 その転移者の一人で研究者になる。

 では、なぜ異世界への転移を研究しているか・・・だが、
 転移者を元の世界に帰る為の通路を作りたかっただけだな。

 私は前の世界に未練とか無かったのだが、
 私と同じ転移者で出来れば戻りたいと言う人が居たのでな。
 私の方も一つの研究に区切りがついて、
 次の研究テーマを求めていたこともあって研究を進めていた。
 まあ、研究成果については私の後を継いでくれるという意思がある場合に伝えようと思う。

 なぜ後継なのかだが、ちょっとダンジョンに細工をさせて貰ってな。
 時空魔法が使える、魔力量が一定以上という条件でこのダンジョンに引き込むようになっている。

 ああ、今更だろうが攻略済みダンジョンである為、死ぬことは無い。
 元居た場所に戻されるだけだ。
 で、此処まで来ることが出来たという事は、外の竜種をどうにかできる実力者という事で、
 実力も問題ないことになる。

 なぜ実力を測る必要があるかだが、ダンジョンを攻略してもらおうと思ってな。
 それでよければだが、そこに水晶柱があると思うが、そこに手を置いて欲しい。
 そうすることで、私が研究してきた内容等を伝えることが出来る。
 要は私の後継となるというところだな』

え~、なんか面倒そうだな~と
私が渋い顔で皆を見回していると

『おっと、一方的に要求だけ伝えてしまったな。
 もしやってくれるなら、このダンジョンの権限を全て渡すことになる。
 このダンジョン・・・私はポケットダンジョンと呼んでいるが、
 通常のダンジョンとは違って何時でも中に入ることが出来るダンジョンになる。
 入ることが出来るのは後継が認めた者なので、
 外部の者が入ることは出来な』

「やるます!」

思わずバーンと水晶柱に手を置いてしまいました。
皆の目が「こいつやりやがったな」と語っているような気がしましたが、
・・・気のせいでありますように。
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