上 下
62 / 221
二章 7歳(ダンジョン突入!?)

遺跡探索は新たな出会い?

しおりを挟む
しっかり休息を取ったという事で、本日は遺跡探索となります。
クレーターだらけになった森だった場所を整地しながら進みます。
倒した魔物はあらかたアレッサとクラリスが倉庫に入れているみたいですが、
倒した魔物が残っていたら魔石を取りながら進みます。

お昼前に遺跡に到着し、簡単な陣地作成を行います。
と言っても、ちょっと土を盛り上げて、見通しを良くしただけですが。
そこで昼食を軽く取り、遺跡を観察してみます。

かなり古い建造物のようで、大きなアーチ状のゲートのような門があります。
ただ、そこからは魔力とかは感じず、
次のフロアへ進むゲートでは無さそうな感じです。
奥に大きな建物があるのですが、白ネズミさん曰く魔物が居て入れなかったようです。
私の魔法だと建物に被害が出そうなので、アレッサかクラリスに任せましょう。
こういう時、魔法って使い勝手悪いですよね。

昼食を取り終え、一息入れた後、
何かあってはいけないので、アーチはくぐらないようにして建物の方に向かいます。

「アレッサ、建物の中に魔物が居るという話なのですが、
 何か居そうですか?」

「そうですね。
 見た感じ蜘蛛が居そうな感じではありますが・・・
 狐火で軽く燃やしてみますので、
 何か出て来ても良いように準備してください」

「「判りました」」

私とクラリスは返事をして準備します。
と言っても、私は魔法が使えないので、刀を抜くだけですが・・・
白ネズミさんはシャドーボクシングをしてますが、
貴方は役に立たないので下がってくださいね。
クラリスも準備出来たようなので、アレッサに向かって頷きます。

「では、行きますね」

そう言うと、小さい青色の火の玉を5つ出し、
ゆっくり建物内部に移動させていきます。
暫くすると
ギュー
という音がしましたが、何か出てくるという感じはありませんでした。

「恐らく今ので蜘蛛は倒せたと思うのですが・・・
 流石に内部を探ることまではできませんので、
 白ネズミさんお願いできますか?」

アレッサが白ネズミさんにお願いします。
白ネズミさんが了解ポーズを取ると、
灰色ネズミさんが2匹ほど遺跡に入ってきます。

暫くしたら1匹ほど外に出て来て、問題無しと〇印を作ります。
それを確認して私達は警戒しながら建物の中に入っていきました。
蜘蛛の巣を焼きながら、周りを見ていきます。
長机があり、何かの研究?をしていたのか、
フラスコのようなものや書類だったものが机の上と床に散乱しています。
床の物はさっきの攻撃で落ちたのかな?ちょっと歪んでますね。

後は・・・ステータス見れるようにした時の鍵に見えますが、
バラバラにされてますね。
鍵の研究でもしていたのでしょうか。
書類は時間が相当経過しているのか、文字は読むことは出来ませんでした。

う~ん・・・よくわかりませんね。
研究していた場所がダンジョンに取り込まれたのでしょうか?
そうなると、このダンジョンはかなり古いものなのでしょうか。

そう思いながら周りを確認していると、
白ネズミさんが地下への道だと思われるものを見つけてました。
木で蓋をされているようなので、
蓋を蹴ってどかし、内部に発光する魔石を数個投入すると、
灰色ネズミさんが2匹内部確認の為、入っていきます。

暫くすると1匹上がってきて、問題無しと〇印を作ります。

「エル様、私が先に入って様子を見てみます」

アレッサがそう言い、先に内部を確認しに降ります。
暫くするとアレッサから

「問題無いようですので、降りてきても大丈夫です」

と連絡があったので、私、クラリスの順に降りていきます。
発光する魔石を設置してくれたのか、内部は明るく見渡せます。
内部は20畳ぐらいでしょうか、ちょっとした図書室となっていました。
上の階でかなり時間経過しているようだったのですが、
本はかなり綺麗な状態で残っています。

「これは・・・ダンジョン内部にあるという事は異世界の本!?
 ちょ、ちょっと中身を見てみてもよろしいでしょうか!?」

クラリスが興奮気味に中身を見てみたいと言い始めます。

「罠とかはありませんでしたし、大丈夫ですよ」

そうアレッサが返すと、クラリスが本をそっと取り出し、
中身を確認します。

「う~ん・・・言語が違うのか読めませんね」

そう言いながら、ページを捲ってます。
私も手近な本を取り、中身を確認します。
ミミズが這ったような字で書かれていますね・・・
ん~・・・英語かも?

「判らないですが、もしかしたら前の世界の英語?という言語かもしれません。
 ただ、ちょっと字に癖があるせいか読めませんね」

「そうですか・・・残念です。
 解析スキルを持っている方に依頼でしょうかね・・・。
 今は仕方ありません。
 ダンジョン攻略後に持ち出しましょう」

「倉庫に入れないのです?」

「私にもしものことがあったとき、この本が失われてしまうのは・・・
 流石に今は持ち出せないです」

確かに・・・何が起こるか判らないダンジョンですものね。
他には・・・新品同様の鍵が幾つかありますね。

「上にもありましたけど、
 これはステータスを見れるようにした時に利用した鍵・・・でしょうか?」

クラリスが鍵を一つ取り、確認します。

「そうですね。
 エル様の言う通り、ステータスキーですね」

「う~ん・・・それなりに数ありそうですし、
 これは幾つか貰っておきましょうか」

一人一つの鍵を倉庫に格納して、さらに確認を進めます。
・・・

「他には特に無いようですし、
 此処はダンジョン攻略後にまた見に来ましょう」

外に出て周りの様子を確認すると、
アーチが少し光っている気がしました。

「ねぇ、アレッサ、クラリス。
 アーチがちょっと光ってないですか?」

「いえ、私からは光っているようには見えませんが」

「私も光っているようには見えないですね。
 ですが、エル様には光っているように見えるのであれば、
 警戒しておいた方がよいでしょう」

クラリスの言葉に私とアレッサは頷きます。
白ネズミさんが慌てて私の肩に登り、足元を指しています。
足元を見ても特に何もないですが・・・

「足元がどうしたのですか?」

白ネズミさんが何で判らないと足元を必死に指してます。
う~ん、足元を見ても特に変化は無いですが・・・

「もしかして白ネズミさんだけが見えてる?」

そう思っていると、白ネズミさんが足を指し、
私の肩に足を置くと、うう・・助けて~という感じでジェスチャーしてます。

「足から何か吸われて苦しくなる?」

そうそう!と必死で頷きます。
それを聞いて、アレッサとクラリスが私の足元に目を向けると

「「エル様!もしかしてMP吸われてませんか!?」」

「え?」

特に何も感じ無いのですけど?と首を傾げてると
アーチの光が強くなり、その光がアーチと私達の中間に集まり始めます。
皆が警戒すると、光は収まり、20代ぐらいの白衣を着た女の人が倒れていました。
その後、アーチが崩れ始め中央部分は完全に崩れ落ちました。

え~と・・・
「転移者・・・でしょうか?」

「そう・・・かもしれませんね」

アレッサも初めて見るのか、あいまいな回答が返ってきます。

「ですが、エル様。
 私達はMP吸われていないようですが、
 白ネズミさんの慌てようからエル様は相当MPを吸われたのではないですか?」

クラリスからそう言われますけど、特に何も変化無かったのですよね。

「う~ん・・・ステータス見ても特に減ってないのですよね。
 なんででしょう?」

白ネズミさんが顔に手を当てて、あちゃーという感じでいます。

「「あぁ、エル様って魔力無尽蔵でしたね」」

私だけという事は、私の魔力が問題で発動したという事なのでしょうね。
MP量、MP回復力の勝利ってことでいいですよね。
・・・私はそろそろ泣いて良いと思います。
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

悪役転生〜主人公に全てを奪われて追放される踏み台悪役貴族に転生した〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:4,085pt お気に入り:20

異世界領地経営記

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:12

視えるのに祓えない~九条尚久の心霊調査ファイル~

ホラー / 完結 24h.ポイント:3,109pt お気に入り:511

処理中です...