上 下
50 / 221
二章 7歳(ダンジョン突入!?)

拠点強化!はいいけど、何か忘れてる?

しおりを挟む
取ってきた木はばらしてクラリスの倉庫に収めました。
え?どうやってばらしたって?
とりあえず取ってきた木の枝を手分けして落とし、
そこからはアレッサとクラリスに任せましたよ。
だって、やりかた知らないですもん。
前の世界の知識?はっ、役に立つとお思いですか?

ざっと言うと、アレッサがあっという間に木の皮を剥がし、
クラリスが水分を抜きながら2mぐらいの間隔で印を打っていき、
アレッサがその印の周りにナイフを拳で打ち込み、
幹の半ばまでえぐり取ったら妖術の鎌鼬かな?サクッと切ってました。
切った木材をクラリスが確認しながら倉庫に収め
あっという間に作業終了・・・
木ってこんなに早く処理できるんだ~すごいな~・・・と呆然としながら眺めていました。
あ、矢は魔力浸透させるとかで時間かかるから、夜に作成するみたいです。

「お待たせしました。
 では拠点強化として内部を整えましょう。
 少なくとも解体場は欲しいです。
 倉庫に入れているとはいえ、何時でも食料として利用できるようにはしておきたいです」

「そうですね。
 エル様が食料をどの程度確保されているか判りませんが、
 可能な限り増やしておきたいです。
 後回しにすると、毎食同じ肉を食べることになってしまいますし」

「う、それはきついかも知れませんね。
 判りました、部屋は作っていくので内装をお願いしていいですか?
 必要なものがあれば言ってくれれば出しますので」

そう話ながら地下に進みます。
解体場・・・寝室からは話した方がいいですね。
いっそ作業場として色々纏めましょうか。

トイレとお風呂の横辺りでいいかな。
水源と繋がることは無さそうなので、さくっと部屋を作っていく。

「解体場ってどれぐらいの広さあったらいいですか?」

「そうですね・・・アレッサ。
 これまで狩った魔物で最大のものはどれぐらいですか?」

「そうですね・・・参考になるか判りませんが・・・
 横幅はじゅ「ちょっと待ったー!」・・・エル様、どうされました?」

「多分それは参考にならないです。
 ダンジョンから出れないから、その場で解体してませんか?」

「そうですが、私たちは今時空魔法での倉庫を持っていますので、
 持ち帰って解体は可能ですよ?」

「う・・・そうですね。
 ちなみにどれぐらいの大きさでしょう?」

「横幅は10mぐらいで、高さは15mぐらいのヒドラですね。
 尾の長さまで入れたら20mぐらいはあるでしょうか」

「・・・そんな怪獣どうやって倒すのですか・・・
 3分間ヒーローとかが戦うサイズじゃないですかね」

「え?3分間?・・・
 え~・・・そうですね、簡単に言うと
 気づかれる前に一斉攻撃で尻尾、首全てを一度に落としたという感じでしょうか。
 大型の敵の場合、居るのはすぐ判りますから作戦立てて、
 気づかれる前に攻撃したり、隠れながらでどうにかなる感じですね」

「アレッサ、どうにかなるって・・・
 そもそも攻撃が通らなければ倒すこともできないでしょう」

クラリスが呆れながら言います。

「大型の敵ですか・・・確かに自分が大型の魔物とたとえた時、
 小さいものはやりづらいですね。
 なるほど・・・思いつく限りの罠を張って・・・」

「エル様、とりあえず物騒な考えは置いておきましょう。
 先に解体場を用意しないと、時間だけが過ぎてしまいます」

「そ、そうですね。
 では、一段低くして・・・天井高い方がいいのか・・・
 あ、崩落とかしないようにガンガンに固めて・・・
 レンガとか欲しいな~・・・石切り出すか・・・
 粘土入れて・・・結合させて・・・
 部屋の形の一枚の岩のように変化させて・・・
 あ、空気の流れ作るための穴開けて・・・
 これでどうよ!」

スパーン!

「うぶっ」

「エル様、言葉遣いがどんどん崩れていますよ?
 流石に見逃せないレベルになりつつあるので、
 これからきちんと指摘していきますね」

「おぉぉ・・・わ、忘れてたわ。
 でも顔面に叩き込むのは酷いのではないでしょうか?」

「ハリセンなので大丈夫です」

「叩くものの話なんてしてな」

アレッサがハリセンを手で「パシッパシッ」とさせながら
何時でも叩けるんだぜ?とでもいうように此方を見ています。

「ふぅふぅ・・・何でもありません。
 わ、わかってますよ・・・きちんとします」

スッとハリセンがアレッサの手から消えました。
助かった・・・

「では、私は昼食の準備をしてきます。
 クラリスお願いしますね」

「はい、判りました。
 暫くしたら食堂へ向かいますね」

アレッサが食堂へ移動していきます。
私とクラリスは解体場の中に入って広さを確認します。
おおよそ20畳ぐらいでしょうか。

「これぐらいの広さがあったらいいでしょうか?」

「はい、これぐらい広ければ問題無いかと思います。
 ゴミは・・・一旦倉庫に入れておきましょうか」

「では、此処で解体するという事で。
 後は何が必要ですかね?」

「そうですね~工作室とかあってもいい気はしますが、
 此方はそこまで広く無くていいので、
 解体場に入って横に部屋を作りましょうか。
 それなら解体場で出来たものを加工できますし」

「ふむ~・・・
 では、解体場の入り口近くがいいですかね。
 この辺りに作っておきましょう」

「はい、ですがそれは昼食をいただいてからです。
 それでは食堂の方へ移動しましょう」

食事をいただいた後、少しお茶をして
解体場と同じように6畳ぐらいの部屋を作っていきます。

「こんなもんですかね?」

「そうですね、問題無いかと思います。
 後で構いませんので、余っている鉄材とかありましたら、
 何処かに置いておいて貰えるとありがたいのですが」

「あ、そうですね。
 材料とか置ける部屋も用意しておきましょうか」

四畳半ぐらいの部屋でいいですかね。
同じように部屋を作っちゃいましょう。
部屋づくりも大分慣れてきましたね。
消費MPもどんどん減ってる気がしますし。
やっぱり魔法系についてはかなりの適性があるみたいです。

え?スキル?
・・・適正全くないですね。
レベルが低いから上がってる感じでしょうか。
まあ、良いんです。
周りがおかしすぎるんです。

材料とか置く部屋に、鉄、銅、魔石を幾つかを置いていきます。
これで良し!
良い時間になりましたし、ソフィアに連絡入れて夕食に向かいましょうか。
でも、何か忘れてるような?

そして夜・・・食事をいただいた後
私は不機嫌な白いネズミさんの前で土下座をしていました・・・
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

第2回空色杯【500文字未満の部】

SF / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

ドリンクバーにおける場合の数  24C3

キャラ文芸 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

光と影はいつも側に

BL / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:15

守るべきモノ

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:10

鉄の心

SF / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

処理中です...