上 下
42 / 221
二章 7歳(ダンジョン突入!?)

合流できました!私は気づかず危ない橋を渡っていたみたいです

しおりを挟む
太郎さんがアレッサ達の元へ到着しました。
近づくとまた同じように叩かれるので、
アレッサ達の近くにある倒木に止まってジェスチャーで無害だと伝えます。
最初は警戒されていた・・・と思うのですが・・・私だとすぐにわかってもらえました。
ジェスチャーで笑いを堪えてたとかじゃないはず・・・はず・・・

・・・最初は此方をかなり警戒して見ていましたし、
やっぱり森とかに居る小型の虫とかが危険なんだろうな。
いつの間にか刺されて毒に掛かってたりするのでしょうし。

でも傍から見たらシュールでしょうね。
太郎さんがジェスチャーで何かを伝えようとしているのですよ?
私が見たら・・・
いけません、きちんと私の居る方向を伝えないと。

そして・・・太郎さんの犠牲もあり、私達は合流できました。
ありがとう太郎19世、あなた達の犠牲、忘れません。
18世じゃないのかって?
煙が見える所まで案内できず18世は殉職しました。

「「エル様!無事でよかったです」」

再開したとき、二人に抱きつかれました。
アレッサがあそこまで取り乱しているのは初めて見ましたね。
でも皆無事でよかった。

「二人とも無事で何よりです。
 私は草原に居たので運が良かったですね。
 二人と同じように森に居たとすると、
 どう対処してよいのか判らず、こうやって合流できなかったかもしれません」

「そうですね。
 森で行動する場合の注意等は今回の野営でお教えする予定でしたから・・・
 本当に良かったです」

「式紙と視覚を共有して森に入りましたけど、
 何度もやられましたからね・・・
 本当に森で魔物に襲われたらと思うとぞっとします。
 見通しがいいので魔物にも対処できましたが、
 これが森だと対処出来たかどうか・・・」

「え?エル様?魔物に襲われたのですか?」

「ええ、狼の魔物に襲われましたよ?」

「「・・・え?」」

「え?私の周りをゆっくり警戒しながら回っていたので、
 地魔法で拘束したり、相手が落とし穴に落ちたりして対応できました」

二人とも完全に固まってます。
アレッサがすぐ回復すると質問してきました。

「・・・その狼の大きさはどれぐらいでしょう?」

「そうですね・・・群れのボス以外の体長は1.5mぐらいでしょうか。
 ボスは・・・2mちょっとぐらいですかね~」

「・・・すみません、その狼の魔物を見せていただけますか?」

「いいですよ。
 ん~・・・3人だとこの拠点も狭いですね。
 中だとちょっと出し辛いので、外で出しましょうか。
 後で拠点を広くしましょう」

「あ、そうですね。
 空からの魔物も居る可能性がありますから、もっと頑丈な地下室を作って、
 そこを拠点として過ごす方が良いかと思います。
 地中に魔物が居る可能性も0ではありませんが、
 エル様がこの範囲制御下に置いているので問題は無いでしょう」

「おお、なるほど。
 空ですか・・・どう対処しましょう・・・罠とか考え直さないとダメですね・・・まあいいです。
 とりあえず魔物を確認してもらいましょうか」

外に出て、ボス的なやつと子分を1匹ほど外に出します。

「とりあえず、ボスとその他の1匹ですね。
 その他は後11匹ほど倉庫にあります」

「・・・これは・・・クラリス、この大きな狼判りますか?」

「毛の感じから、シルバーウルフではないかと思います。
 シルバーウルフでも小さいほう・・・ではありますが、
 エル様、よく無事で倒せましたね」

「え?
 この狼ってそんなに危険なのですか?
 確かに足を拘束したのですが、拘束を外されましたけど。
 でも、その後私を警戒してゆっくり移動している所で
 落とし穴に落ちたので棘を生やして倒しましたが」

「なるほど、拘束している時に近づかなくて正解ですね。
 近づいていたら、もしかしたら危なかったかもしれません」

「う、他の狼を薙刀で頭を潰して回っていたので、
 もしボスが拘束されたままだったら、近づいていました」

「それは・・・危なかったですね。
 まあ、エル様のマジックガードでしたら食いちぎられるという事は無いと思いますが、
 それでも重症に近い傷を負っていた可能性がありますね」

うぇ、安全に対応していたつもりでしたが、危なかったみたいですね・・・
もっと安全に倒せるよう考えないといけないですね。

「エル様、シルバーウルフは中位の魔物になります。
 この大きさですと、中位と言っても下の方ではありますが、
 それでも初めてダンジョンに入るような方が倒せるような魔物ではありません。
 まして、シルバーウルフをリーダーとする群れを退治など・・・」

「えと・・・かなり運が良かったという事ですね」

「そうかもしれませんね。
 今後は私が前に出ることにしますので、クラリスとエル様は拠点を背に支援していただけると。
 なので、拠点傍で立ち回れるように、拠点から半径5mぐらいは罠は無しにして、
 落とし穴は5m以上向こう側に作成しましょうか。
 そうすれば落とし穴の向こう側に魔物が居る場合は皆で遠距離攻撃できますし、
 罠の効果が無くて接近されても私が前に出て対応ができます。
 あと、この辺りで中位の魔物が出てくるという事は、他にも中位以上の魔物が出てくる可能性がありますので、
 拠点はもっと強化しておいた方がいいでしょう」

「判りました。
 では、落とし穴を埋めて・・・次は・・・
 アレッサ、落とし穴は看板辺りからでいいですかね?」

「流石早いですね・・・そうですね。
 その辺りからでお願いします」

「では・・・落とし穴は直径1mぐらいで・・・
 深さは10mぐらいでいいかな・・・
 あ、埋めたところ一応固めたもので埋めましたけど、
 少し柔らかいかもしれないので、確認してみてもらえますか」

「判りました、ついでに戦闘しやすいように草も燃やして
 足場をならしておきます」

「あ、お願いします」

30分ぐらい掛けて落とし穴だらけにします。

「ふぅ、こんなものでしょうか。
 罠は落とし穴だけです・・・他の罠はまた考えましょう」

「はい、今の時点では十分すぎるほどです」

「そうですね、今はこれで十分だと思います。
 次はゆっくり休める場所の作成ですが・・・
 外の状況が判らないのは困るので、
 拠点の方はエル様とクラリスに任せて、私は此処に見張りとして残ります。
 クラリス、エル様のことお願いしますね」

「判りました。
 アレッサも気を付けてくださいね
 中級なら貴方一人で問題はないと思いますが、
 無理はしないよう」

「ええ、何かあれば直ぐに連絡するわ」

なんか・・・強者の会話です。
かっこいいですね~。
え?この思いが外に洩れたら台無し?・・・ですよね~・・・

「では、ほとんどエル様に任せることになってしまいますが、
 拠点を強化しに行きましょう。
 その後、罠の見直しと周りの偵察でしょうか」

「はい、偵察は式紙がまだまだあるので任せてください。
 式紙なら安全に周り見てこれますし」

太郎さん!出番ですよ!
・・・え~っと16代目だっけ?あれ?20世?20行ってましたっけ?
ん~・・・まあいっか。
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

悪役転生〜主人公に全てを奪われて追放される踏み台悪役貴族に転生した〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:3,828pt お気に入り:21

異世界領地経営記

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:12

視えるのに祓えない~九条尚久の心霊調査ファイル~

ホラー / 完結 24h.ポイント:3,109pt お気に入り:512

処理中です...