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一章 ~6歳(勉強中ですよ)

今度こそ、お勉強はじまりますよ

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色々ありましたがようやく授業になります。

「クラリス先生、お願いします。
 あとアレッサから聞いているかもしれませんが、
 私の事は普通の生徒として扱っていただければと思います」

「はい、お嬢様。
 よろしくお願いいたします。
 午前中アレッサさんと話をさせていただいて、色々聞いています。
 では、まずはお嬢様が知っていることの範囲を知るために、一緒にお話しをしましょう。
 お嬢様が既に文字の読み書きができることは伺いましたが、間違いないですか?」

「はい、基本的な読み書きは出来ると思っています」

「すごいですね。
 普通はそこから教えることになるのですが。
 では、本はどのようなものを読まれますか?」

「難しい本はまだ無理ですが、物語の本は読めます。
 魔法の本とか興味はありますけど、まだ読んだことは無いです」

「なるほど・・・
 であれば文字の読み書きに加えて、ある程度の文章理解力もあるという事ですか。
 では、次は基本的な事柄から行きましょう。
 人は大まかにヒューマン、エルフ、獣人、ドワーフで分類されていることはご存じですか?」

「はい、お父様に一度聞いたことがあります。
 ただ、そう分類されるという事だけで、詳しくは教えてもらっていませんね」

「では、そこから行きましょうか。
 分類されることをご存じであれば、外見と能力で分類されることはご存じという事でしょうか?」

「外見の違いで分類される、ということを大まかに教えてもらっているだけですね。
 能力はヒューマンは平均的、獣人は様々、エルフは魔力が多い、
 ドワーフは力が強くて器用だというぐらいでしか」

「では、まずはヒューマンについてお話しましょうか。
 お嬢様がおっしゃったように、
 ヒューマンの能力はこの分類の中で平均的ですね。
 個人差は当然ありますが、何でもそつなくこなすので、様々な場所で活躍されています。
 次にエルフですが、ヒューマンと比べて魔力が高く、力が低いです。
 あと精神的な成長が早いので、お嬢様のように早くから勉強を開始する方が多いです。
 ただ、此方も個人差はありますので一概には言えませんが」

「なるほど。
 魔物の討伐とかするとなると、ヒューマンは中衛、エルフは後衛という感じですかね」

「はい、その通りです。
 よく中衛・後衛等の言葉を知っていますね。
 ただ、それについても個人差、あとクラスによっても変わってきますので
 ヒューマンは中衛、エルフだから後衛と決まっているわけではありません。
 ヒューマンだけど前衛、後衛の方もいらっしゃいますし、
 エルフについても小数ではありますが、前衛の方もいらっしゃいますよ」

「そうなのですね・・・
 そういえば、クラスというのは初めて聞きますが」

「そうでしたか、ん~・・・人の分類とはちょっと話が変わってきますので、
 この後で説明させてもらいますね」

「はい、わかりました」

「では・・・
 次に獣人ですが、獣人の中でも分類があります。
 お嬢様もお屋敷で働いている方を見てご存じだとは思いますが、
 色々な耳、尻尾をお持ちの方がいますね?」

「はい!よく知ってます!
 あの尻尾が私になぜないのか・・・本当に悔やまれます!」

「あ、奥様」

「ごめんなさい!
 今日はまだ尻尾に飛びついたりしていません!
 だから・・・あれ?」

「お嬢様・・・」

「・・・アレッサ・・・またやりましたね?」

「クラリス様が困惑されておりましたので、
 止めさせていただきました」

「あ・・・す、すみません、クラリス先生。
 つ、続けていただいて構いません」

「あ、はい。
 え~・・・獣人の方は、その耳や尻尾を持つ動物の特徴を持っています。
 例えば、猫の特徴を持つ方はバランス感覚に優れていたりですね。
 後獣人の方は嗅覚や気配察知も優れています。
 力もそれなりにあるので、基本的に前衛となる方が多いですね。
 ただ、アレッサさんのように狐の特徴をもつ方は力はそこまで強くないですが、
 魔力や気力の使い方に優れているので後衛の方が多いです」

「アレッサは魔力と気力?というものの扱いが得意なのです?」

「そうですね。
 魔力の扱いが得意という点で、お嬢様付きに指名されたということになりますね」

「そうだったのですか。
 では授業以外の時はアレッサにも見てもらえるのですね」

「クラリス様ほど上手にお教えすることは出来ないでしょうが、問題ありません」

「あ、でしたら魔法等の技能授業では、アレッサさんも一緒にいかがですか?」

「それはいいですね。
 クラリス様、お願いいたします」

おお、これで魔法練習とかアレッサが居れば出来るという事ですね。

「はい、では最後のドワーフになりますが、
 身体的な特徴としては少しだけ耳が尖っていて、背が低いという点になります。
 背はヒューマンの12、3歳ぐらいの大きさでしょうか。
 その見た目に反して、力が非常に強いです。
 あと手先が器用なので、物作りに携わることが多いですね。
 力が強く魔力が少ないので前衛となる方が多いです」

「なるほど、ドワーフの方って本当に器用ですよね」

「そうですね。
 お嬢様が何か壊すと修理されていますし」

「ぇ・・・こほん、心外ですね、アレッサ。
 私が何をしたというのですか。」

「え?この前も庭のカフェテーブルを」

「わー!わー!なななな、なにをいってるのですかねーこのきつねさんは。
 そ、そのことは後で話しましょうね。ね?ね!?
 く、クラリス先生!続きです!続き!ク、クラスでしたよね?」

「え、ええ。
 ではクラスについて説明しますね。
 クラスにはクラスとサブクラスの2種類があります。
 クラスは基本的に戦闘職が多く、サブクラスは日常の職業に関するものが多いですね。
 例えばクラスが戦士、サブクラスが鍛冶とかですね。
 このクラスは持って生まれたものもあるのですが、後から増える場合もあります。
 増える条件などは様々で、何をしたら増えるとかはわかっていませんし、
 同じ条件でも同じクラスは増えなかったりしますので、
 増えるクラスはその人にあったクラスだけではないかと言われています。
 先ほどの前衛等の話になりますが、このクラスで変わってきます。
 例えば、エルフですがクラスが戦士の場合は前衛になる人が多い等ですね。
 あと、クラスは戦闘の職業が多いとお伝えしましたが、
 極稀に日常の職業のようなクラスが発生します。
 その場合、その職業に就くと大成すると言われています。
 このクラスはステータスで確認できるので、また後日見てみましょう」

「・・・」

「お嬢様?難しかったですか?」

「いえ、理解されているはずです。
 お嬢様、何を考えていらっしゃいますか?」

「う~ん、珍しく長文。
 箇条書きヨロ・・・じゃなくて」

「・・・お嬢様、奥様行きになりそうですが?」

「申し訳ございません!
 ちゃんと理解しています、クラリス先生!」

「え、あ、はい。
 え~と・・・人類についてはこんなところですね。
 細かなところはまた授業できちんと説明するとして、
 今の時点で何か気になることはありますか?」

「そ、そうですね、今の時点では特にないです。
 後日詳細を聞いたりするでしょうし、
 その時に気になったら質問させてもらいます」

「はい、お嬢様はまだ勉強を始めたばかりですので、
 このぐらいの内容から知っておいてもらえれば良いかと思います。
 次に確認なのですが、お嬢様は世界地図をご覧になったことはありますか?」

「地図ですか?いえ、見たことないですね」

「では、今現在の世界地図を見ていきましょうか」
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