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一章 ~6歳(勉強中ですよ)

親の仕事って物騒なのですか?

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さて、あれから1年ぐらい経ちました。
いきなり時間が飛んだようですが、
何にも出来ないんだから仕方ないですよね。

最近は大分体力もついてきて、ようやく立つこともできました。
あと、舌っ足らずで聞き取りづらいだろうけど、
話すことが出来るようになってます。
いきなり話とかはやっぱり無理ですよね。
気味悪がられても嫌ですし、年相応に生きたいですが・・・
前の世界の記憶がある以上、無理な気がします。
どの程度成長したら何が出来るようになるとか分からないですから。

開き直って今はとにかく周りの物の名前とか色々聞きまくっています。
結論から言って、元の世界と話す言語や、物、動物の名称が同じだという事が判ってきました。
ご都合主義とか感じたけど、気にしないことにしました。
突っ込んでも仕方ないですし・・・
良いんです、良いことばかりなのですから。

ん?話し方が変わった?
そうですね。
意識を変えたというのもありますが、
これはお母様の指導によるものが大きいです。

まだ、口や舌が上手く動かないので舌ったらずなのですが、
「おかあしゃん」
とでも言うと
「お、か、あ、さ、ま、ですよ?」

「お、おかあしゃま」

「はい、よくできました」

・・・こんな感じで、おかしければ直ぐに訂正してくるのです。
直さなかったら・・・笑顔で顔を近づけてもう一度訂正してくるのですよ。
笑顔なのですけど、ものすごく寒気がするのです。
そして、その場ではそれ以上間違えてはいないのです。
こ、怖くなんてないんですよ?
やっぱり今は女の子なので直さないといけないですからね?
怖くて直してるわけじゃないんですよ?本当ですからね?

「あら、お嬢様?
 あ、おむつ変えないといけませんね。
 一緒に洗い場まで行きましょう」

メイドに抱っこされてお風呂場に移動する。
た、たまたまですよ・・・だから怖くなんて・・・ぐす・・・
・・・

えと、あと家族の名前が判りました。

私が
「エルフリーナ・ヴァルグラント」
お母様が
「キーカ・ヴァルグラント」
お父様が
「クラウス・ヴァルグラント」
です。

う~ん・・・会話は聞き取れてるから日本語だと思うのですよね。
でも名前は日本の形式ではないから不思議です。
メイド達も日本の形式の名前の人はいませんでした。
色んな文化がごちゃまぜって感じですね。
まあ、気にしません。
だって異世界だもの!

そして、お父様とお母様ですが、
最近は週一ぐらいで武装して出かけていきます。

お母様は杖のような槍のような武器を持っています。
頭はシンプルなヘアバンドで、長い髪は解けないように編み込み、
コートのような上着と上着にあわせた長ズボン、防具は胸当て、籠手、
靴は頑丈そうなブーツといった感じです。
お父様は、お母様と似たような感じなのですが、
頭はサークレットというのでしょうか?鉢巻のようなガード、
胸当ては少し大きめの物、武器は剣と弓を持っていました。
後は二人とも腰に短剣、そして投げナイフのようなのが数本刺さってました。
矢が無いけどどうやって撃つんだろう、魔法なのですかね。

あ、魔法と言えば、
最近分かったことですが、前の世界では家電製品で出来ていたことを
魔法で実現しているって感じがするのです。
ただ、手元で火を出してランタンとかに火をつけていたりするので、
離れたところに魔法を出すのは難しいのかも?
あと、私が生まれてから、暫く私の近くで魔法を使っていなかったのは、
やはり暴走を恐れてのようです。
だって、指輪をしてから皆自重ってなんだろう?ってぐらい魔法使っているのですよ?

いや、今はそうじゃない。
お父様とお母様が何処に出かけるのか?という事でした。
えと・・・何処か戦でもあるのでしょうか?
・・・もしかして、家ってかなり物騒な家系なのでしょうか。
ん~、もっと情報収集しないとダメですね。
聞いてみましょう。

「エル、行ってきますね」

「エル、行ってくるから、いい子で待ってるんだよ」

と言って、二人とも抱きしめてくれる。

「あい!いい子でまってうよ!」

そういうと、お母様が笑顔で顔を近づけてくる。

「待っています、ですよ?」

「わ、わらし、い、いい子にしてまってましゅ」

「はい、よくできました」

そういうと、お母様は私をぎゅっと抱きしめてくれる。
もうちょっとで漏らすところでした。
え?声震えてた?
・・・そ、そんなことないですよ。

そして、同じく武装したメイドと執事達と屋敷を出発する。

「さ、お嬢様。
 お部屋に戻りましょうか」

今日はうさ耳のメイドさんと手を繋ぐ。

「あい!あしょぶ!」

「はい、あと少しだけ本も読みましょうね」

「きょうは、どんなご本にゃのですか?」

「そうですね~、昨日はお化けの本で怖がらせてしまいましたから・・・
 今日はお姫様が出てくるお話はいかがでしょう?」

「あい!それでいいでしゅ!」

「はい、かしこまりました」

にっこり笑いながら答えてくれた。

そして、結局お父様とお母様が何をしに行ったのか、メイド達にも聞けずじまいでした。
決して忘れてたわけじゃないですよ?
晩御飯前にお父様とお母様が帰ってきて思い出したとかないですからね?
そしてお父様とお母様は汚れを落とすためにお風呂に向かっていきました。
うん、戻ってきたら聞こう。

・・・

そして、みんな揃って晩御飯。

「エル、いい子にしてましたか?」

「あい!みんにゃと一緒にあしょんで、ご本読みましゅた!」

「ほう、どんな本を読んだのかな?」

「えっと、お姫様がでてくりゅご本読んでもらいましゅた!」

・・・


ご飯食べて、お風呂入ったら眠たくなりました。
さ、ベッドに入って寝ましょう。
お母様と一緒にベッドに入ります。

「エル、おやすみなさい」

「おかあしゃま、おやしゅみなしゃい・・・」

すぅすぅ・・・
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