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王様とお姫様
36・マヤ教
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「陛下、私こんな所、城にあったことも知らなかったのですが・・・、入っても宜しかったのですか?」
シエルが明らかに城の秘密通路内を歩きながらおっかなびっくりシリウスに尋ねる。
王の執務室にシリウスの瞳が鍵になる隠し扉があり、そこからこの豪華な作りながら、しばらく使われていない匂いのする秘密通路に繋がっていた。
「ああ。国家機密だ。バレたら処刑されるから気を付けろ。」
さらっとシリウスが怖いことを言って、私とシエルはビクッと縮こまる。
「そんなところに連れてこないでくださいよ!秘密はもうお腹いっぱいですよ!」
シエルはシリウスの親友だ、国家機密をいっぱい聞かされているのだろう。
私が不安そうな顔をしていると、シリウスが抱きかかえている私の背中をポンポンと撫でる。
「ラフィは特別だから大丈夫だよ。何かあったらシエルのせいにしようね。」
そう言ってシエルに悪戯そうな笑顔を向け尻尾を振る。
「まさかその為に私を呼んだんですか?!
嫉妬はかっこ悪いですよ!」
シエルが砂ネズミのしっぽをピンと立てて怒る。
私は思わず笑ってしまう。
この二人は本当に仲が良くって、学校に居た男子達みたい。
シリウスは大人だけど7歳だし、私の感覚ではこういう友達が必要だ。
「ねえ。シリウス。
この道の先に何があるの?」
通路を上がったり下がったり、真っすぐだったり、曲がったり。
もうどこに居るのかはさっぱり分からなかったけど、だいぶ長い事歩いてる気がする。
「もうすぐ着くよ。
実は、この通路の事、最近父上に聞いたんだ。
父も母も王の座を私に渡して以来ずっと旅に出ていただろう?
国中を回って、視察だーなんて言ってたけど、二人で旅行してさ。」
シリウスが拗ねたように言う。
「お二人とも仲が本当に宜しいですよね。
国民の憧れの夫婦だと各地で話題になったそうですよ。」
「ははは、各地で不正を暴いたり、身分を隠して町の人間を驚かせたり、二人でやりたい放題してたみたいだものね。
でも、結構大事なことを引き継ぎ忘れられまくって、ほんと私の苦労をすべて話したら夜が明けちゃうよ。」
目の前に大きな扉が見えシリウスが足を止める。
「で、その中の一つがこの部屋。」
そう言うと石でできた重そうな扉に手をかざす。
シリウスが手をかざすと、扉に魔法式が展開し、紫の光が扉に走る。
細かに刻むように網目模様が扉全体に広がったかと思うと、石の扉はガラガラと崩れ去り消えた。
「ええ?!なっ?!
どういう魔術ですか?!
え?これ壊しちゃっていいんですか??」
シエルが魔術師として見たことのない魔術に対する興味と、見事な彫刻が刻まれた石の扉を壊したことへの恐怖で、顔がぐるぐるしている。
「ああ、私も最初ビックリしたんだけどさ。
先に進むと何事もなかったみたいに、元通りになるんだ。
魔術が高度過ぎて、考えても全く分からなかった。」
そう言いながら先に進むと、確かに背後で塵になった扉が再構築されていく。
シエルはその光景を色々な角度から見ようとしゃがんだり、斜めから見たりして、目を輝かせている。
「陛下!凄い魔術ですね!!こんなの見たことない!!」
駆け寄ってきながら、研究したいな~とか言いながら、魔術用語をぶつぶつと呟いている。
シエルのこういうところは本当に尊敬する。
扉を入った先にさらに扉があり、シリウスが大きな紫の宝石の付いた鍵を取り出し、鍵を開ける。
最初の石の扉と、うって変わって、繊細な金細工で花が可愛らしくあしらわれており、使われている宝石も優しい色合いで、全体的にとても可愛い作りの扉だった。
扉を開けると部屋のシャンデリアに明かりがふわりと灯っていく。
明るくなった部屋の真ん中に、私にはあまりにも見慣れた物があり、思わず声が漏れる。
豪華な部屋の真ん中に大事そうに飾られていたのは、セーラー服だった。
手前の飾り棚には学生鞄にノートなどの筆記用具、それに分厚い本があった。
反射的にシリウスの顔を見た私に、シリウスが説明する。
「これは異世界からの使徒、マヤ教の神の持ち物なんだ。」
シエルが明らかに城の秘密通路内を歩きながらおっかなびっくりシリウスに尋ねる。
王の執務室にシリウスの瞳が鍵になる隠し扉があり、そこからこの豪華な作りながら、しばらく使われていない匂いのする秘密通路に繋がっていた。
「ああ。国家機密だ。バレたら処刑されるから気を付けろ。」
さらっとシリウスが怖いことを言って、私とシエルはビクッと縮こまる。
「そんなところに連れてこないでくださいよ!秘密はもうお腹いっぱいですよ!」
シエルはシリウスの親友だ、国家機密をいっぱい聞かされているのだろう。
私が不安そうな顔をしていると、シリウスが抱きかかえている私の背中をポンポンと撫でる。
「ラフィは特別だから大丈夫だよ。何かあったらシエルのせいにしようね。」
そう言ってシエルに悪戯そうな笑顔を向け尻尾を振る。
「まさかその為に私を呼んだんですか?!
嫉妬はかっこ悪いですよ!」
シエルが砂ネズミのしっぽをピンと立てて怒る。
私は思わず笑ってしまう。
この二人は本当に仲が良くって、学校に居た男子達みたい。
シリウスは大人だけど7歳だし、私の感覚ではこういう友達が必要だ。
「ねえ。シリウス。
この道の先に何があるの?」
通路を上がったり下がったり、真っすぐだったり、曲がったり。
もうどこに居るのかはさっぱり分からなかったけど、だいぶ長い事歩いてる気がする。
「もうすぐ着くよ。
実は、この通路の事、最近父上に聞いたんだ。
父も母も王の座を私に渡して以来ずっと旅に出ていただろう?
国中を回って、視察だーなんて言ってたけど、二人で旅行してさ。」
シリウスが拗ねたように言う。
「お二人とも仲が本当に宜しいですよね。
国民の憧れの夫婦だと各地で話題になったそうですよ。」
「ははは、各地で不正を暴いたり、身分を隠して町の人間を驚かせたり、二人でやりたい放題してたみたいだものね。
でも、結構大事なことを引き継ぎ忘れられまくって、ほんと私の苦労をすべて話したら夜が明けちゃうよ。」
目の前に大きな扉が見えシリウスが足を止める。
「で、その中の一つがこの部屋。」
そう言うと石でできた重そうな扉に手をかざす。
シリウスが手をかざすと、扉に魔法式が展開し、紫の光が扉に走る。
細かに刻むように網目模様が扉全体に広がったかと思うと、石の扉はガラガラと崩れ去り消えた。
「ええ?!なっ?!
どういう魔術ですか?!
え?これ壊しちゃっていいんですか??」
シエルが魔術師として見たことのない魔術に対する興味と、見事な彫刻が刻まれた石の扉を壊したことへの恐怖で、顔がぐるぐるしている。
「ああ、私も最初ビックリしたんだけどさ。
先に進むと何事もなかったみたいに、元通りになるんだ。
魔術が高度過ぎて、考えても全く分からなかった。」
そう言いながら先に進むと、確かに背後で塵になった扉が再構築されていく。
シエルはその光景を色々な角度から見ようとしゃがんだり、斜めから見たりして、目を輝かせている。
「陛下!凄い魔術ですね!!こんなの見たことない!!」
駆け寄ってきながら、研究したいな~とか言いながら、魔術用語をぶつぶつと呟いている。
シエルのこういうところは本当に尊敬する。
扉を入った先にさらに扉があり、シリウスが大きな紫の宝石の付いた鍵を取り出し、鍵を開ける。
最初の石の扉と、うって変わって、繊細な金細工で花が可愛らしくあしらわれており、使われている宝石も優しい色合いで、全体的にとても可愛い作りの扉だった。
扉を開けると部屋のシャンデリアに明かりがふわりと灯っていく。
明るくなった部屋の真ん中に、私にはあまりにも見慣れた物があり、思わず声が漏れる。
豪華な部屋の真ん中に大事そうに飾られていたのは、セーラー服だった。
手前の飾り棚には学生鞄にノートなどの筆記用具、それに分厚い本があった。
反射的にシリウスの顔を見た私に、シリウスが説明する。
「これは異世界からの使徒、マヤ教の神の持ち物なんだ。」
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